表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ウォーバーズ  作者: F.Y
開戦~小国に忍び寄る魔物
11/72

休暇

 ディエゴガルシア島 4月21日 1031時


 "ウォーバーズ"は休暇に入った。しかし、何もないこの島ですることと言ったら、ランニング、散歩、釣り、海水浴くらいのものだ。原田とリーは乗り気だったが、佐藤は正直言って海というのが好きではない。そこで、こっそり定期便で運んでもらったセスナ172Mでの遊覧飛行をしようとした。しかし、一人でこそこそ組み立てている最中に原田に発見されてしまい(コブラツイストの刑に処された)諦めてのんびり過ごすことにしたのだ。


 「ようよう。こんなにいい場所なのに泳がないのか?」コルチャックが愛犬のハッセウインドを連れてやってきた。ハッセウインドは黒いラブラドル犬で、フィンランドのエースパイロットがそのまま名前になっている。

「泳ぎは嫌いな上に苦手だよ」

「おいおい、それで撃墜されて海に落ちたらどうする気だ」

「救命ボートがあるさ」

「食えん奴だ」

「一ついいか」

「何だ」

「どうして我々がここを使うことができた?」

「そりゃあ、アメリカはここを放棄したし、イギリスもここを使う気が無いから売りに出したからだろ?」

「ここを抑えれば、インド、中東、アフリカ、アジアに睨みを利かすことができる。なのにどうしてだ?」

「アメリカは中東をほぼ諦めて東アジアや東南アジアへの関与を重視してるし、ここを維持するだけの金も無い。そうなると、持っている意味も無い」「イギリスは?」

「さあな。俺は知らんよ。ただ、ここは押さえておいて損は無い。飛行場は大きいし、周りは開けているから、万が一空爆しようとする敵が現れても、すぐに気づく」

「おまけにこんな小さな飛行場、攻撃するメリットが無いし、周りにできる国も無い」

「そういうことだ」コルチャックはハッセ・ウインドを連れて立ち去ろうとした。

「あ、そうそう。原田がお前を探していたぞ。たまには遊び相手になてやれよ」コルチャックがニヤニヤしながら言う。「やなこった」佐藤はそう答えて本を顔に置いて、昼寝に入った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ