表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ウォーバーズ  作者: F.Y
開戦~小国に忍び寄る魔物
10/72

カスピ海-2

 カスピ海 4月19日 2226時


 ミラージュは相変わらず哨戒艇の上空を飛び回っていた。しかしアゼルバイジャンの警備艇の方は自国領海にいるので、立ち退きを迫られる謂れは無いとしてその場に留まり続けた。


「一体どういう事だ?こっちは1センチたりともイラン側に進入していないぞ」

ウルモフは益々混乱してきた。

「わかりません大尉。もう一度呼びかけてみましょう」

しかし、何度呼びかけても戦闘機のパイロットからの回答は無かった。


 ミラージュが急降下しながら哨戒艇に向かってきた。1番機は20ミリ機関砲の照準を哨戒艇から15メートル程離れた場所に定め、発射した。


「撃ってきました!」

外で見張っていた一等兵が叫んだ。

「待て、慌てるな!今のは警告だ!仕方がない。本部に連絡、帰投しよう」

ウルモフは部下に命じた。

「了解しました!面舵いっぱい、回頭する」操舵員はエンジンを動かして、その場から離れようとした。


 ミラージュは再び哨戒艇に向かって急降下した。今度はロケットポッドから2.75インチロケットを全弾発射した。哨戒艇は攻撃されたことを本国に知らせる間もなく沈没した。


実は、ウルモフたちを攻撃してきたミラージュは、イラン空軍のものでは無く、なんと、遥か北、グルジアから越境してきた機体であった。しかも、グルジアは、このタイプの戦闘機を保有している国では無い。ウルモフらを殺したのは、そもそも、グルジア空軍に所属している人間では無いのだ。しかし、その事が明るみに出るのは、ずっと後になるのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ