Heaven is a Place on Earth
ハヤテのごとくじゃないです
まったくタイトルと内容は別物ですよ^^
「ねぇ、君はもし天国が日本の地上のどこかにあるとしたら
行ってみたいと思う?」
同じ職場の伊藤と言う女性に仕事の休憩中
そんな事を聞かれた
天国が日本のどこかに存在する?
天国は空の上にあるものじゃないのか?
天国がどこにあるのかは知らない
けど、天と名についているくらいなのだから
空の遥か遠くの彼方にあるんじゃないかな?
と俺は思ったが・・・
「もしあるなら行ってみてもいいかな?」
などと返してしまった
それほど天国の事には考えた事はなかった
というよりかは興味がなかった
けど彼女の言葉はとても不思議な感じがした
「天国は、日本の地上のどこかに存在する...か」
そういう考えもいいかもしれない
ならば逆に、地獄はどこにあるのだろう
天国は地上に存在するのなら
地獄はどこにある?
もしかしたら地獄がこの日本のどこかに
あるのかも知れない
そう考えると天国と地獄の存在に
興味がわいてきた
俺はバイトを終え、即家に帰り
PCでいつも参加しているチャットで
チャット仲間に天国と地獄の存在について
聞いてみる事にした
俺がいつもチャット仲間で親しいのは
はるかさんと言う女性だった
彼女とはよくチャット内でも一番会話が
多い人で、話も合う
その事から、はるかさんの携帯のメアドも
知っている
はるかさんとは住んでいる地域も近く
電車でも20分程ではるかさんの住んでいる地域に
着いてしまう
その事から前に直接会おうと言う事にもなり
はるかさんの家に上がらせてもらった事も
あったりする
彼女はとても夢や現実にとても前向きな
考えを多く持つ人で
『夢を信じていないと、それは叶わなくなってしまう
いつか叶うと信じていればきっと叶う時が来る
今はまだ夢のほんの一部も見えていなくても
必ず夢は現実する。たとえ何かに躓いて、
夢を失いそうになったとしても
それは自分らしさ。それに向かって突き進む
自分らしい成長だよ』と夢の事について
教えてくれた
俺はこの人に出会えてよかったと思っている
何故かこの言葉には感動させられた
しかし彼女は天国や地獄に対して
どう思っているのだろう
この二つは夢とは関係ないが
はるかさんがどう思っているのか
興味がある
ちょうどその事を訊こうと思ったら
いいタイミングではるかさんも入室して来てくれた
『お久しぶりです』
最近チャットでもあまり会っていなかったので
少し会えたのが嬉しかった
『お久しぶりですね^^』
はるかさんも丁寧に俺の発言に
応じてくれた
俺は手早く
『はるかさんはこの日本のどこかに
天国があるならどうします?』
と訊いてみた
するとしばらく間が空いて
こう発言が来た
『いくら私が前向きに考えようとしても
それは無理ですよ』
と、返されてしまった
その後に続いて
『天国は、死んだ人の行く場所です
日本の地上にあってはいけない場所だと思うんです』
確かにその通りかも知れない
でも、同じ就職場所の伊藤は
もし天国があるなら行ってみたい?というものだったので
少し違うのかもしれない
その事を改めてはるかさんに訊いてみると
『行ってみたいとは...思いませんね』
理由を訊こうとは思ったが
あまりしつこくすると嫌われてしまうかも知れない
それだけは嫌だった
はるかさんはこの後、予定があるらしいので退室していった
俺はひとり、チャット内に残されたが
とりあえずはるかさんの後に続いて退室した
次の日
また、職場の伊藤に昨日の事について
話掛けた
「伊藤は何で、天国が日本にあったら...なんて
思ったんだ?」
伊藤は持っていた荷物を降ろして目を丸くして
「あ、昨日の話ですか?」
「そうだよ」
「その話は、今は死んでいないけど、おばあちゃんに
私が幼い頃、その話を聞かされてたんです」
「そっか、それでか。何か...悪かったな」
俺は少し照れくさかった
「いえいえ、私から話だした話ですから
お気になさらず」
そう言って彼女は微笑んだ
「仕事に戻りましょうか。怒られちゃいますよ」
「ああ、そうだな」
天国が日本の地上のどこかに...存在する...か
はるかさんには悪いけど俺は別に天国は
日本にあってもいいんじゃないかと思う
どこに天国があっても
地獄がどこにあろうと
別に俺はいいと思う
行ってみたいかもな
いつか...
読んでいただき光栄に思います