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異世界で家政婦  作者: 時間旅行
第1章
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異世界召還(ロル・キーリンの企み)

今回は太った男、ロル・キーリンの目線のお話です。

男の名前はロル・キーリン。カラディマーフ国の宮廷魔術師を務めている。

生まれたときから、溢れんばかりの魔力が身に備わっていたため、魔術師達の間で名が広まり

成長するに従い魔力を扱うすべを身につけ、魔術師でない一般の者達の間でも、彼の名が広まった。

今では、国一番の魔法陣の使い手として、皆に尊敬の目で見られ、王以外は彼にひれ伏す。・・・はずだった。


ロルには3人の強敵、腹の立つ相手、ひれ伏してやりたい、我慢ならない者達がいる。


1人は攻撃・守護魔法を使わせたら国一番といわれている男、ディディ・ラーシュアミル。

ロルが使えない攻撃魔法を簡単に使用する。

自分が使えない魔法を使えるというだけでも腹が立つのに

それを苦もなく習得したという点が最高に腹が立つ。

同じ魔術師、同じ国一番という立場だからか、式典などあると横に並ばせられる。

その時聞こえてくる、女性たちの笑い声も腹が立つ。

女性達によるとディディは”最高の男”らしい。

その男と自分を対比させて笑っているのだ。


2人目はこの国の将軍、グルガリ・マーバラード。

背が低い自分をからかっているのか、よく頭にひじを乗せられる。

それだけならまだしも、いや、自分にそんな無礼な行為をするだけでも許せないが

さらに許せないのが、人をサンドバック代わりに使っているのか、よくエルボーだの何だの暴力をふるってくる。

何度も注意しているのだが、グルガリ曰く、スキンシップらしい。

が、どう考えても暴力にしか感じない。

挙句の果てには、もっと鍛えろ、痩せろとまで言ってくる。余計なお世話だ。

廊下でこの男に捕まっているその時も、例の女性達の腹の立つ笑い声が聞こえてくる。


3人目はこの国の宰相、マリクス・フォルマ。

自分はこの国一番の魔法陣の使い手で、最高の人間だと、自分自身感じている。

それなのに、このマリクス・フォルマという男。

人を奴隷のように働かす。もう無理だというのに、あなたなら出来ます。と、

次から次へと仕事を持ってくる。鬼のような男だ。

変食で味覚音痴なこの男のために、わざわざ手製の料理を作ってやったのだが

まずい、と言われたときは堀に埋める完全犯罪を計画するほど腹が立った。

王族の血を持っていて、人から聞いた話によると、今まで手に入らなかったものなど何もないらしい。

なんだそれは。人生なめすぎじゃないのか。

この男と仕事の話をしている時も、例の女性達の腹の立つ笑い声が聞こえてくる。


と、まあ腹の立つ我慢ならない3人がいるわけだ。


そこで国一番である魔法陣の使い手の俺様は、3人への恨みを晴らすべく

1000年に1度訪れる、魔力100倍の日を有効活用しようと考えた。


3人と直接対決するのは分が悪い。

いや、けして負けるということではない、やつらを始末すると自分の立場が悪くなるから

まずい、ということだ。そうだ、けして負けるということではない。


そこで思いつく、奴等ではなく奴達の大切なものを壊してやろう!と。

初めは、ディディの杖とグルガリの剣とマリクスのペンを折ってやった。

予想通り、怒って来た3人に向かって、用意していた台詞を言う。

「1000年に1度訪れる、魔力100倍の日に元に戻してやろう。ただし俺様に頭を下げたらな!

ひれ伏せ!許しを請え!!」

結果は・・・ベッドから3週間起き上がることが出来なくなった。くそっ。

時間を元に戻す魔法なんて高度すぎて、自分以外に直すことが出来る奴なんぞ、そうそういない。

俺様だって100倍にならなければ到底出来ない魔法だが

さて、どうするんだ。と、ほくそ笑みながら様子を見ていたら。

数日後、奴らは新しく前回より良いものを身に着けていた。

失敗だ。


その後も、奴らの大切なものを狙ったのだが、ことごとく失敗に終る。


仕事場でうんうん唸って次の策を考えていると

俺の弟子が悩んでいる師匠のためか、案を提供してきた。


「藁人形に呪いたい相手の髪を入れるとですね。

藁人形は相手の分身となるのです。

夜中に釘打つとスカッとしますよ~。」


闇の道具屋で売っている、子供だましの藁人形を手に笑っている弟子を見て、初めはバカにしていたのだが。

数分後に良い案を思いつく。


「分身。魂の片割れ。本物の分身か・・!」


彼らの魂の片割れを探し出し

彼らの知らない所で女達を苛めてやるのだ!

女版の彼らだと思うと存分に楽しむことが出来るだろう。


こちら側にいる3人の男の名前を魔方陣に組み込み、どこにいるのか分からない

魂の片割れを持つ女性を引き寄せる。

途方もない、大きな魔法、精密な魔方陣が必要となる、が。

この鬱憤が晴らせるのなら、たやすいこと。

笑みがとまらなかった。



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