地域会社でお仕事を始めるその前に
双葉聡子です。
実は二人ともそれなりには飲めますが、飲めないフリというやつです。
お酒を飲むと、いろいろバレやすくなりますから・・・
でもまあ、絵を描けるというのは本当に知りませんでした。
立看は基本、字ばかりでしたから。
正直、半端な活動家という立場に飽き飽きしていたのは事実です。
そーきちとの間の子供も、まだ不確実ですが、二人でなんとか世間の隅で生活していければそれでいいや、と思っていたのも本当の事。
結構大変だよなあ、それ実現するの、と、思っていましたが、どうやらアッサリ実現しそう・・・。
・・・
「じゃあ、これで、住民票の手続は完了です。本当はこういうの言っちゃいけないんだけど、いい会社に拾ってもらえてよかったよね。若いウチは海外経験もいいと思いますけど、真面目にウチの市で生活して下さいね。マイナンバーカードは二週間くらいでセンターから届きます」
手続は煩雑ではあったものの、あっさり転入届が受理され、住民票が交付されてしまいました。
まあ、いったり来たりのお役所仕事はありましたけど・・・
そーきち、受理されたね。
「そうですね。会社のほうから、今の住所にいろいろ送り付けてくれましたし・・・そもそも社宅ですし・・・居住と就労の実態がある、というのは大きいんですよ・・・あの会社に入れてラッキーなやつ、くらいの視線はあっちの役所でも感じましたし・・・そういう会社なんですね」
そうみたいですね。
私も情報収集じゃないですけど、会社・・・まだ出社はしてませんが、入社して出社準備期間的な何かになっているみたいです・・・の女子とか、出産復帰組や結婚して妊娠準備組とも話ができました。
・・・
「へー、海外留学からそのまま放浪の旅なんだー。すごいねー、まあ、あたしら高卒女子には想像はできるけど実感はないけどさー」
「そうそう、テストをギリ赤点回避程度の英語じゃ海外は無理だよね!」
まあ、高校のテストの英語では英会話は難しいと思います。そーきちも英語はちょっとだけ、と吉田さんには言ってましたが、日本人としては普通に使えるほうです。
我々の経歴的に何か国語かはカタコトですが使えます。我々が弱虫集団であったとしても、テロ的、過激派的組織とも付き合いはありますし、日本でアラブ人種は目立ちますから、代理で、というか、お金の為に情報提供や情報収集業務を請け負うことはありましたから。
「さとこさんって呼んでいいかなー。何か英語で言ってみてよー」
それはいいですが、急には出てきませんよ。何か言われたらちょっとくらいならカタコトで言えますけど・・・
「こないだスマホで見てたらホワットドゥーユードゥーって、アメリカじゃアレを言わないと不審がられるって書いてあったけどホント?」
はい。それはそうですね。
「え?何してるんですかってこと? 今ならダベってるとか?」
「違う違う・・・ってアタシも読んだだけなんだけどさー」
それはアメリカの税関とか入国審査のときに必ず言われる文だと思います。
「じゃー、さとこさん、ホワットドゥーユードゥー?」
um, I'm Sales Clerk and associate buyer for retailing store. but, now, traveling for vacation.
「何言ってんのか全然わからん!」
「結局ホワットドゥーユードゥーってなんなのwww」
はい、あんたの仕事は何?って質問です。
「あースマホで見た通りでいいんだ・・・その返事は何て答えたの?」
「ホワットドゥーユードゥーで『仕事は何やってんの』って意味になるの?知らんかった。ドゥーだけで、ジョブとかビジネスとか入ってないのにそうなんだ」
アメリカやその系統、カナダでもそうですね。イギリスだと違う言い方をする気もしますが、それでもそれで通じると思います。
意味は、ショップ店員で仕入れの補助もしてますけど、今回は休暇で来ました、って返事でした。
「セールスクラークって最初に言ってたよね・・・クロークは荷物預けるとこだけど」
「何言ってんのよwww。ああ、後ろはバットナウ、トラベリングなんとかって言ってたんだ。でも今は店員じゃなくて旅行ってことかな?なぜ付け加えるんだろー?」
えーと・・・国にも依るんですが、関税を取りにくる場合があるんで、今は自分の休暇旅行だよって言っておいたほうがいいことが多かったですね。仕入れや売りに来たんじゃないけど、仕事をお前が聞くから答えたんだよってニュアンスですね。
「そういうことかーー。やっぱ全然英語力違うなー。一瞬でそれは答えられないなー」
「あー、関税かーーwww。お酒とか買いすぎて成田で払ったことはあるけど、向こうでのやりとりは考えたことなかったーー。やっぱ経験違うね。アタシらよりちょっとだけ年上みたいだし、タメ口はだめか・・・さとこ先輩って呼びましょうか?」
いえいえ、タメ口で全然かまいませんよ。そもそもまだ入社一日目ですし。
せいぜいさとこさん、あたりで充分です。
でも、あちこち手続で回りましたけど、この会社所属って、この辺では結構羨しがられるものなんですね。
「そりゃそーよーーさとこさん。給料もいいし、福利厚生も手厚いし!この辺の地元企業なんて出産予定があるなら正社員お断りなんてとこもフツーだもん!」
「そーそー、じゃ、パートで、ってなっちゃうもんね。産休も出産祝金も出すつもりねーよってのがアカラサマだもん!まー、市からはもらえるけどさー」
そうなんですね。私達は大学時代の細い繋がりがあって、本社の部長さんのツテで拾ってもらったんですが・・・もしかしてものすごくラッキーだったりします?
「するする!!本社の部長さんなんて、北関東の社長よりも格上で、全国キックオフでPCの画面で見るのがせいぜいだよ?」
「だよねーwww。でもさー、一応、この会社って、高卒でも夢があって、北関東の親会社のJSH建設工事の社長もムサくてゴツいおっさんだけど、高卒で社長に成り上がってるしさー」
「そうそう!社長の・・・ここだけの話よ?噂では愛人で、本当に内縁の妻らしい、清水さんって怖い総務執行役員さんがいるんだけど、その人もアタシらと同じで高卒なのよ!本社の役員さんなんて何段階上か、わかんないよ?」
「本社の清水さんもそうだけど、開発部の女子ハカセーズも、なんか美人多いよね。まあ、本社の社長もイケメンちゃそうだけど・・・」
ハカセーズって何でしょう・・・みんな博士号を取得しているとかですかね。
「そう!開発部や開発部出身で本社で上級社員をしている男女はみんな博士より?」
「うん。少なくともそう聞いてるし、日本語で話してても早口な上に言ってることがわけわかめだよね?高卒に優しくない・・・ちな、その拾ってもらった部長さんって誰なの?」
(物理的に拾ってもらったのは)えーと・・・船舶部長さんと・・・船長さんですね。
「おーー、くにもっちゃんですか!いやいや、國本船舶部長さんね!本社でも超エリートじゃないですか!しかもパイレーツオブなんとかっぽい船長さんといまだにラブラブで妊娠しながらでも開発しまくりの天才じゃん!」
「そうそう、くにもっちゃんとか、くにっちは、非公式ね。聞かなかったことにしてね。本人は嫌がってないみたいだけど、逆にウチの社長とかがちょっとオコになるのよ。ちゃんとしろって言ってね?」
あとは、神栖の工場で、開発部長さんと副部長さんに・・・これは本当に1時間とかだけですけどお会いしました。
「うわーーー。その四人って、会おうと思って会える人じゃないんだよ?布施姫ペア・・・布施さんと姫嶋さんって、そもそも滅多に表に出てこないけど、超絶功労者だし・・・アタシらも使ってるシールドマシンも普通のトラックやトレーラーで動かせるようにしたのが布施部長っていう話だもんね」
「姫嶋さんもあちこちの現場で監督とは別枠で職人を束ねてウチのファンを作るプロって聞いてるしね。まだ会社が小さかったころには北関東のエリアでも工事の陣頭指揮を取ってたこともあって、今でも『姫さんのためならなんとでもします』って親方さんも多いもんねぇ・・・」
(パワードスーツのことは言わないほうがよさそうだよね・・・)まあ、会ったといってもわずかな時間ですし、画面越しというか機械越しというか・・・
「あれかな?試作試験とか言って、例のドローンでこっそり持ってきて、採石場跡で実験してたじゃん?」
「あー、あれね。ウチのダンナがちょっとアニオタぎみで、ボトムズっぽいって興奮してたやつね?」
あ、ダンナさんも社員なんですか?




