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なんなんだこの会社・・・①

はい、双葉です。


経歴も大体覚えたところですが、これからは基本丁寧語で話すようにします。


さとこさんもよろしくね。


「はいはい、わかってますよ」


あとで復習や突っ込み合いをしましょう。


「そのほうが私もいいと思います。あと、二人のときも丁寧語を崩さないようにしましょう」


そうですね。くだけると素が出ないとも限りませんからね


「おっしゃる通りです」


           ・・・


あのあと、明るいしゃべりの部長が再度パワードスーツでやってきて、身長や体重、足のサイズなどを、あれこれ測られました。


工員だから制服のサイズや安全靴のサイズなんかがあるのかもしれません。


さとこさんは裸に剥かれて、バストサイズまで測られてました。まあ、一応自分は後ろ向いてましたが。

パワードスーツは建設機械だ、と言ってましたが、かなり繊細な作業もできるみたいです。


建設でも繊細な作業はありますからね。バイトでは建設もやったことありますし、道路工事でも指定はミリメートル単位ということも普通にあります。

バイトの仕事は、力任せの肉体労働ですが、そのあたりは元請けや一次受けの職人さんがとりまとめてくれるので、問題はなかったです。


女性の体を扱うのは違う繊細だとは思います。しかし、オペレータの腕次第では女性を優しく扱うことも可能な建設機械だということは理解できました。


あと、しゃがむことができたり、そこからスっと立てることができるということも分かり構造的にはますます分からなくなりました。

油圧のパイプも外部には露出してません・・・なんなんだこの機械は・・・


「まったく・・・何でしょうね?この会社・・・あの部長さんもですけど」


どうしたんですか?さとこさん。


「まあ、そーきちには見られてもいいんですが、バスト測られてるの見ましたよね」


一応後ろは向いてましたが、見ました。


「あれ、何トンもするものも持ち上げられるらしいですね?」


そう書いてありましたね。


「でも、パワードスーツにも関わらず、人間のおねーさんがメジャーで締めるような強さで計ってくれました」


何か問題が?


「どういう操縦をしているんでしょう、という疑問です。最大出力の千分の一とか下手をすれば一万分の一ですよ?モード切り替えがあるのかもしれませんが、その直後、自重はそれなりの重さのハズなのに、すっと立っていきましたからね」


そういうことですか。すっと立つのも人間には難しくないんですが、ああいったロボットでは膝を着いた姿勢から立つ、というのは実は困難なんです。

人間も疲れていたらよろけたりしますよね。


「しますね」


膝を着いた姿勢というのは、要はお寺の記号、卍型の下半分ですよね。


「そうですね」


片方は足の裏がしっかり着いている、そして、もう片方は膝とつま先の二点が着いているという形です。


「はい」


ここから両足が地面に着く状態に切り替えるということは、起動トルクの話を考えるだけで非常に困難で、かつ、重心を真っ直ぐ上げるということも必要なので、制御ソフトウェアを書くことも簡単ではないのです。


「言われてみれば・・・」


その上、あの靴に見える部分、相当に重くないといけません。そうでないと重いものを運べませんから。フォークリフトも自重で上げられる重さが決まっています。


「ああ、古典的鉛蓄電池を重りにしているバッテリーフォークなんてものもありますね」


はい。その部分を動かす、膝を着く姿勢というのが本来おかしな話なのです。

そこからすっと立ち上がれるというのは・・・ちょっと夢物語に近いものがあります。


「デモでは踊ったり戦ったりするロボットもありますが・・・足は細いですね・・・あんなにゴツいものはありませんね」


そうなんです。重機は車輪にしてもキャタピラにしても土台の部分は回転機構で動くもので・・・二足で歩いたりはしないものです。


「でも、ありましたね」


多分ですが、外には見せていないと思います。


「では、何故?」


私達が実際には臆病で人を殺すどころか怪我させるのすらカンベンしてほしい、という弱腰な活動集団であると知らないからでしょう。


「まあ・・・過激派と一括りにされがちですからね」


AKで斉射されても装甲は傷付くかもしれないけど内部の人は無事的なことを言ってましたからね。


「未だかつて・・・AKどころかUZiも・・・ピストルすらありませんが」


非武装集団ですからね。持っていてナイフか斧、どっちにしろ船の装備としてのモノだけですから。


「まあ、船には必要ですね。陸に上がったときは職質で捕まらないために帯同しないですが」


今は辛うじて武器らしいものは、精々カッターの刃ですが、これも拘束された時対策に近いものがありますからね。短かく折ったのを一つだけですから。


「私はそれすらありません。まあ、さやというかケースというか、あれがないと自分がケガしそうですし」


その通りです。まあ、降伏を宣言しましたし、こんなものでも抵抗するつもりを見せたら死ぬだけでしょうしね・・・


「去り際に、ルンルンなステップで、じゃーねーと手を振ってましたものね・・・」


あれができるなら、人を殴る蹴るも自由自在でしょうね。


「・・・それは死にますね」


それに、油圧やら圧縮空気が抜ける音・・・ウィーンとかプシュっとかプシューーー・・・があまり聞こえませんね。もっとガラガラガチャガチャとギア音もしていいと思うんですよ。


「ウィーンなら多少は聞こえましたが・・・そもそも線が繋がって無いのにエンジン音もしないってのもヘンですよね」


最大の疑問はそこです。あの動きはバッテリーではそれこそ立ち上がるだけでチャージが尽きても驚けません。


「そうなんですね。まあ、降伏してよかったということにしましょう。余計なことは考えず、私達は平和な市民、工員と事務員ですかね?をやりましょう」


・・・そうですね。無駄なことを考えるのはやめて、経歴を自分の心の中にしっかりと刻み込みましょう。


「理想を言えば寝言でもわたしはさとこ、あなたはそーきちになるべきですね」


そうですね。努力はします。


           ・・・


ぴぽぽぽぽ・・・


はい、双葉です。スピーカーモードで二人で聞いています。


「はい、部長ちゃんですよーー。もうすぐ母港に着きます。今まで着ていた服に愛着あって捨てれないとかないよね?」


ありません。さとこさんもいいですよね?


「大丈夫です。ブラは・・・ちょっとの間ならガマンします」


「さっき測ったから大丈夫だよっ!上下セットで新品をプレゼントします。あとはファストファッションで買った服一式ね。ちゃんと地味なやつにしてるから」


承知しました。


「あれは普通にブラのサイズを見ていたんですか?」


「そーそー。こっちは美容番長的な美人さんから年イチペースで習ってたから、今までの自分のサイズと違う、と思っても、きっとこっちのほうが正解だから付けてみてね。あ、下着だけはちょっと派手だよ?常識の範囲内ってやつで」


「まあ・・・わかりました」


かわいいブラやパンティで気分が上がるとかあるんですか?


「あるよーー。男子には分かんないみたいだけど」


まあ、奥さんがかわいい下着を付けていたら普通にうれしいですけどね。


「それでいいよーー。そろそろドックに入るね。バウランプ降ろしたら、パワードスーツで約二名乗ってくるはずだから抵抗せず投降してね。儀式的なもので危険はないと思うんだけど、船組と違って、あっち組は気が立っているかもしれないから気を付けてね!」


それは・・・陸戦隊、海兵隊的な皆さんという意味ですか?


「だから軍じゃないって。ただ単に、あなた方が投降するって言っちゃったんで、急遽そのハウスを作るハメになったり、こっちで隔離施設を急ピッチで作ったりするんで疲れ切っているだけ」


・・・あんな放送しておきながら捕虜収容施設が無かったってことですか?


「今のところ、活動は日本国内だもん。普通捕虜なんて発生しないよ?」


そりゃまあそうですが・・・我々みたいな連中は他にもいるでしょう?


「遠くの地上で叫んでいるだけの人は直接接触したりしないよ?」


確かに・・・はあ、我々が初捕虜なんですね。


「ちなみに船の操縦は二人ともできるの?」


双葉としてはともかく、小型船舶レベルであれば二人とも。


「一級?二級?」


一応一級で、まあ、受かる気があれば受かる試験なのはご存知でしょうけど、試験も受けています。


「ボースンとかでもいいけど、船員手帳は・・・そっか。前ので受けててもだめか」


いやいや・・・やってたことが無くはないですが、いいとこデック、小僧や見習いと呼ばれるレベルですよ。どうしてもというのであれば・・・パナマやリベリアの便宜船の履歴を作るくらいでしょうかね・・・


「あー・・・そういう国は手帳の方もゆるいんだ。未だにハンコ?外国だから船長やボースンのサインかな?」


正直詳しくは知りません。海外放浪していたんですから、国際貨物船に乗っていたことにすれば二、三年くらいは誤魔化せるかもな、と思っただけです。経歴不明なところもありましたから。


「そうか、それもありか・・・でもまあ、まだちょっと信用度が積めてないから一緒に乗るのはまだまだ先ね・・・」


まあ、そうでしょうね・・・

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