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書類回収装置に搭乗する國本さん

「ゆり子さん、それで出掛けるつもりですか・・・」


危険はほぼ無いと思うよ!


「まあ、危険は無いと思いますが・・・ヘンに相手に同情したり説得されたりが心配です・・・」


それは無くないけど・・・今は私が自覚しているから大丈夫なはず!


「操縦は大丈夫ですか?」


バッチリ。今のゆかい丸だってコレで組み上げたんだから!!


「まあ、素手じゃ無理ですよね・・・」


うん、重いからね。


「腕もいっぱいありますね・・・」


そう。これが重要。こっちのサブの四本腕でも各々100kgくらいのものは保持できるよっ!!


「ちなみにメインの腕は?」


片手で300kgは余裕!で、やりようによっては両手で1tくらいまでなんとかできるんだ!


「まあ、それ自体が2tありますからね・・・」


そうね。CTO がATって言ってたからねっ!!


「それは・・・事前に聞きましたからわかりますが、アーマードなんちゃら。アニメ作品・・・軍事組織のパワードスーツですよね?」


私も見てないけどそんな感じみたい。まあ、武器は無いけど・・・


「あったら大変です。双葉夫妻にも軍事組織って言われちゃいますよ」


え?あ?そうか、もうそう扱ったほうがいいか。


「そうです。まあ、謄本でマイナンバーとかバッティングしそうにないの確認はしたほうがいいと思いますけどね?」


まあ、バッティングしたら困るか。でもしない自信があるんだろうね。


「そうですね。なんだかんだで行方不明者って年間十万に近い数万人、9割くらいの人は見付かるそうですが、数%は本当に行方不明になるそうですから、年間数千人は戸籍に空きができるはずです」


へー・・・そんなにいるんだね・・・。じゃ、気をつけて行ってきます。


「本当に気をつけてくださいね・・・」


らじゃー


           ・・・


えーと、仮称双葉夫妻ですが、これからは双葉夫妻と呼びますね?


「なんだその・・・レイバーか?レイバーってアニメだけじゃなくて実在するのか?」


「そーきち、レイバーよりゴツいよ?声は女性っぽいけど・・・まあ、かないっこないね」


はい。装甲はAK-47で500発くらいじゃ傷が付くくらいって聞いてますよ?

そう簡単に死んであげません!!


「そんな武器は持ってねぇよ・・・ウチは爆発物もやってねぇし・・・て、ゆーか、そっちは本当に軍事組織じゃねーのか?!」


ウチは民間企業です!これは、一人や二人で工場の設備を設置したりする機械にすぎません!!この船だってこれで組み上げてるんですっ!!


「いやそれってレイバーじゃねーか・・・。ちょっと・・・動力源がわからんな・・・」


「え?どゆこと?そーちゃん」


「まあ、いや・・・鉄腕アトム級の超小型原子炉で10万馬力とかじゃなきゃ・・・例えばガソリンエンジンでこれが動くわけねーのよ」


おーーー、あたまいいですねーーー!!


「褒めてんのかおちょくってんのか・・・」


褒めてますよ!!この機体がガソリンエンジンやディーゼルエンジンでは動くはずないですし、原子炉も非現実的です!!そこはすごく合ってます!!


「一応聞くが、俺達を殺しに来たのか?その性能なら俺達を握り潰すのも一瞬だろう?ここは海の上だし波で洗わせれば証拠隠滅も一瞬だ」


船長が説明した通り、あなたがたにはテストケースで無難な市民を死ぬまで演じてもらいたいだけです。それ以外の意図は・・・船長と私にはないですよ?


「会社・・・または準軍事組織全体としてはどうなんだ?」


知りませんよ。私としてはそちらの妊婦さんに普通に出産してほしいだけです。


「・・・お人好しって言われない?」


ウチは軍事組織ではないのでお人好しはそれほど悪いあだ名ではないですよ?


「・・・ん・・・かもね・・・」


「しかし、そんな装備で軍事組織でない、と言い張れるのか・・・」


これは建設機械ですから。クレーンやフォークと一緒です。ヒト型なのと、ちょっとデカくて装甲が厚いだけで。


「装甲な・・・軍事組織の言い分だろ?」


いえいえ、H形鋼を何もないところで組む仕事もありますから、数十トンの鉄骨が崩れてきても死なないことが重要です。


「そーちゃん。降伏したんだ。そんなんでつっかかるなよ」


奥さんのほうが柔軟ですね?


「つーか、まだ市販の妊娠検査薬だけだけど陽性が出た以上、なんだかな、母性が出たというか・・・元のプロ市民はどうでもいいやになっただけよ」


・・・そういうものですか?


「まあ、オレもこいつとの間に子供ができて、潜伏プロファイルを流用して田舎で普通の家族ができれば、とか思っちゃってるしな・・・」


敢えていいますが・・・めっちゃ死亡フラグっぽくないですか?


「「それなーー」」


思ってるんだ・・・

まあ、さっきも言ったとおり、殺すつもりはないよ?

正直、この空間の酸素濃度を下げることもできるから、その気になればとっくにやってます。


「なんじゃそりゃ・・・どんなテクノロジーだよ?」


うん。ちょっと凄いんだよ。ウチは。


「ちょっとじゃねーよ」

「説明してよ」


「あのな、このダダっぴろいロールオン空間の酸素濃度をイジるなんてテクノロジーは存在しない・・・はずなんだよ。まあ、密閉して何か燃やせば二酸化炭素が増えて酸素は減るけど・・・そこまでの密閉度とは思えないし、さっきの言い方だとそういう古典的な酸素の減らしかたでもなさそうだ」


「てゆーことは?」


「この・・・自称建設機械にしても、あんな浅瀬に直付けできるこの輸送船にしても・・・冷静に考えてみるとおかしいんだ」


「まあ、アタシも『あんなデカいのが来て座礁しないんか?』って思ったもんね」


だから輸送料金が割高でもお仕事があるんだけどね?


「そりゃ・・・あんな重機を直に運搬できれば・・・分解して運ぶのも大変だろうし、簡易的にでも港湾整備したりしたら数千万じゃきかないだろうから・・・」


そうそう。そういうわけ。それでウチの仕事が成り立ってるってわけ。


「米軍とかその手の組織に狙われたりは?」


社長曰く、絶賛ケンカ中らしいよ?一応、日本政府に味方はいますから。敵も多いけどね?


「そりゃそうか。政府に味方か。人のことは言えないが、厳密には色々法律に違反することしてそうだからな・・・この船だって厳密には違法改造なんじゃないか」


ちゃんと合法ですよーー。完成検査受けたからねっ!


「わかったよ。で、結局何の用事で来たんだ?」


書類を受けとりに来ました。このケースに入れてね?

いま、そっちに出すね・・・


「・・・背中から手が生えてるよ?この子」


そういう建設機械ですっ!


「・・・マニピュレーターってやつか。書類は準備済みだ。仕掛けもなんもないから。さっきも言ったが、ウチは爆発物とかやってないから。危険だからな。聡子、二人分入れてやれ」


「はい。じゃあ、入れるよ」


はい。受け取りました。

一応検査したあと、本社にデータ送って調べてもらうね。

マイナンバー発行したもらったあとカブリがあったら大変だからねっ!


「そっちのほうがよっぽど用意周到ってことか・・・わかりました。今からは敬語で接しますよ。あなたが上司だと思ってね。聡子もそうして?」


「まあ、いいよ。何て呼べばいい?」


船舶部長でいいよ?


「役職かよ・・・わかりました。船舶部長さん」

「はい。船舶部長さん。よろしくお願いいたします。同じ女性なのに、部長なんてすごいですね」


ウチじゃ普通だよっ?!

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