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三連改造中型機、FT輸送実験①

いくぜ!


「あいよ、メッキー」


だから、メッキーは・・・まあ、いいか


姫嶋です。


なんと、FTユニットをコンテナサイズに変換しちゃいました。

これで直接飛行ユニットに緊締して運べるぜ!


「やったのはほとんどオレだけどな・・・」


わかってるって、だから操縦はアタシが請け負うってばさ。


「そうだな、そっちのほうがよい。オレは寝落ち寸前だからな・・・」


問題は音量だ。こんなに重いもん・・・運んだことないしな。


「貨物機のスピード容量?どの程度出せるかってのは操縦席で把握できる。多数決ユニットかましてあるから、まあ、信じて大丈夫だ」


どこまで高度下げて大丈夫?なんなら橋の下潜るんでもシミュレーターではできたから、やろうと思えばやれるぞ?


「そんなに下げるな・・・そんな高度で100km/h以上出したら河に波しぶきが立つ。バレバレになるぞ?」


う、そうだな。橋脚なんかの高さも考えて、その上端+20mくらいにするか・・・


「それでもかなりリスクある高さだぞ?自動追随は動くと思うが、貨物機は満載だ。FT装置の中に車も一台入れたからな。旅客機の急上昇にはついてこれないぞ?」


そう、FT装置には結構な隙間がある。そこに会社で買っておいた車を入れた。スイフトスポーツだ。色は地味?なシルバーにした。あの黄色は目立つだろうからな。

変形合体シールド電車(厳密には電車じゃなくて電気式ディーゼルということになっているが実は重力波エンジン動電動事業用車というきわめてややこしいことになっている)のノウハウを取り入れて現場で膨らませるようにしたのはいいが、どうしても空間になってしまうところが発生するので、そこをカーゴスペースにする、というアイデアを安易に実行に移した。


まあ、実際は金属部品だらけのパーツで構成されたモノであるFT装置より、車のほうが密度的には軽いので余裕ではあるんだが。


しかし、一機当たり12トン、合計で35トン。FT装置としては極めて小さくて軽いが、航空貨物としてはそれなりの重さだ。


でも3×3×9mのハコ、と、考えると、水の密度の半分にもならない。しかもコンテナそのものが存在せず、ペイロードの重さだけで考えればいいので、連続定格で80MWを平気で引き出せる重力波エンジンとしては、必要電力量といいう意味では大した話ではない。


問題は慣性重量だ。普段の10倍以上の重さなので、空力での曲がる、止まるはしっかりと考えてやらないといけないわけ。


まー、アタシもカリコリとプログラム書いてシミュレーターにプラグインを付けて、必死こいて練習したけど。

一応、ジョイスティックにも重さをフィードバックするように感覚調整だけはしておいた・・・実機ではぶっつけ本番だけどね。


あと、ほぼ、無駄に付いてたとも言える高速進行用のファンネルも最大限使うようにコーディングした。主としてブレーキ用だけどね。


           ・・・


では、出発します。地下工場より調布ベースまで


「地下工場了解。まずは貨物機を自動操縦で多摩川上空50mまで移送」


トレーラーヘッド了解。今日の地上は誰?


「はい、総務の神崎です。管制は初めてなんですが・・・見てるだけでいいと社長に言われまして」


まあ、見てるだけでいいのは本当だけどね。まあいいや、よろしく、神崎くん。


「二号機、三号機も移送開始します」


トレーラーヘッド了解。


「調布ベースはスルーモードなので、三号機が上空に行き次第、整列を待たずに発進せよ」


トレーラーヘッド了解。


トレーラーヘッドというのは旅客機改造の先頭機のことです。まあ、縦列飛行するからトレーラーヘッドでいいだろう、くらいのお話。

スルーモードというのはエレベータで機体を上げないモード、つまり、飛行場のすみっこに地下工場からのトンネルへの竪穴が空きっぱなしのモードです。

昼間は絶対禁止です。


なお、侵入対策として、二酸化炭素を充満させています。空気より重いですからね。上のほうだけ飛べる鳥さんなら通過できるかもしれませんけど、ロープで降りた人は死んでしまうでしょう。

なので、地下工場の発進ゲートはエアロックになってます。あ、通行ゲートの通称と違って、こっちはホントのエアロックですよ。


ウチの場合は二酸化炭素の回収が容易ですからできる手法です。他所でこれをやるのは本当に大変だと思います。ぶっちゃけ地下工場にも気体回収機あるからな。


「トレーラーヘッド。エアロック工場側閉鎖完了。トンネル側開放。二酸化炭素濃度上昇。発進OKです」


トレーラーヘッド了解。発進します。


14m機で掘ったトンネルは巨大なので、上のほうは空気が残っていますが、三機がさんざん空気を掻き回していってるので、上端部でも二酸化炭素濃度は低くないです。

この機体は充分な気密性を備えているので数十分で二酸化炭素濃度が上がったりはしないのも実験済みですが、市販の濃度計は一応置いてあります。


まあ、3分も飛びませんがね。地上のハッチも早く閉めたいし。


トレーラーヘッドから地下工場。地上に出ます。


「了解。では健闘を祈ります。調布ベースハッチ閉鎖指示」


あんがとね。


           ・・・


まずは大急ぎで多摩川上空。お、あれだな。川の上空を流れるように下流に進んでいるやつ。


下からは見えないけど、上からは赤外線反射塗装だから丸見えなんだよな。


布施、寝てる?


「一応起きてる」


ワッチと復唱だけできる?


「なんとかやってみる」


おっけー、先頭へ出た。疑似連結実行!


「はい、後ろクリアー・・・ってほんと連結な距離だな。当たらない?」


そこは自動。同僚を信じてる。連結操作完了。


「モニタOK。完了」


ファンネル進行。うお、重い・・・フィードバック回路はそれなりに反応しているね。時速140km/hまで上昇。


「モニタOK。遅いね・・・」


やっぱ重い。最初にやっとくよ。全速後退試験開始。


「うえ、一番落ちそうなやつね・・・まあやるしかないか」


三秒後に全速後退。3・2・1・・・全速後退!!


「うおー・・・想像以上に止まるね・・・でも追突もしない・・・モニタリングによると最短間隔は1.2m・・・止まれたのはいいけど、やっぱり高さ方向も多少は動揺あるね」


まあ、そりゃそうでしょ。よし、ぶつかんなかったし、落ちなかった。シミュレーター通り。

じゃ、160km/hで進行。目標、蒲田の蛇行地点!


「蒲田了解。舵、重い?」


かなり重い。これ、一時間って辛いかも。


「ペダルモードも実装してあるから試してみて」


・・・いつの間に?そんなん実装する時間あったっけ?


「メッキーが寝てるうちに実装した。シミュレーターのABテストは通してある」


・・・最低限じゃん・・・まあ、いいや。そっちのほうが加減速効かせやすいしな。

ペダルモードというのは4枚のベダルを左右の足で操作するモードです。中心から見て、外側のペダルが加速、内側のペダルが減速です。

これとジョイスティックを組み合わせて速い旋回なんかを可能にします。

まあ、通常モードだとローターの傾きだけでもそれなりにスピードが出ちゃってたんですが、重量物を運ぶ時にはファンネルを前後の推進力として使わなければならないことはわかっていたので実装したんでしょう。


まあ、飛びながら慣れるとしますか。


蒲田車庫見えたよ!予定旋回推力65%!


「はい、65%。後続も曲れる予定。目視する」


旋回!!地上構造物OK。環八旋回。第一京浜旋回。呑川旋回!!


「すごいね。ちゃっと追随してきているよ。推力70%に上昇、余裕は30%に低下」


もう海。首都高は低いし湾岸線は地下!!まずは東京港到着、花見川を目指します!!


「OK。レーダー照射解析をするよ。ここをこの高さで飛んでれば、羽田以外からは届きっこないけど・・・まあ、羽田は見えてんだからどうにもならないけど」


まあ、そこは国交省を信じよう。


「だね」

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