ゆかい丸改ツーを作ろうと思ってたけど①
國本です。
ゆかい丸、結構忙しいです。
重機移送は好評ですし、あれって結構日数取られます。
で、もう、結構先の予約まで入っちゃってます。
なんで、ちょっと考えてたゆかい丸の改造計画は棚上げになると思います。
わかる人にはわかると思うし、わかんない人にはさっぱりわかんないでしょうけど、艦船の改造って大事なんです。
ゆかい丸は双胴船ですから、普通の船に比べれば拡幅も容易といえば容易ですが、喫水が変わってしまうのと、接岸・・・砂浜への強制接岸ですね・・・に与える影響が大きいです。
長さを伸ばすのはコンテナ船とかでも時々適用事例のある船体を真ん中・・・あたりの都合のよい何処か・・・でぶった切って船体を継ぎ足す方法ですが、現ゆかい丸はステンレス鋼なので、結構ハードルが高いです。
鋼材が高いのもそうですが、内部構造材が特殊な形状をしているので、そのステンレス鋼を特注しないといけなさそうなので、更にお金が掛かります。
そもそもその発注を受けてくれる鋼材の会社があるのか?という基本的なところからつまづいてる感じです。
まあ、元が某国の軍艦、小型の強襲揚陸艇ベースですから、そちらの国に聞くのが一番ですが、ヤバい筋に違いないので聞くに聞けないわけですwww
そもそも元の船が艇と言うには大きく、艦と言うには小さい、何とも微妙なサイズです。
そんなんだから秘密裏に計画をポシャらせて、廃艦を民需転用したものが流れ流れて九州のローカル内航会社に流れてきたんだと思いますが、そこでも扱いには困ってました。
使えはするんですけど、色々と微妙な性能や仕様・・・特に燃費は最悪だからね。
軍用艦船としてはそれなりなんでしょうけど、民需の輸送船とすると、RORO が出来るのはメリットだけど、ともかく燃料を喰う。というのはデメリットすぎたわけです。
ウチには重力波エンジンというチートなアイテムがあるのでゆかい丸は成り立っているわけなんですが、船体の大きさからくる限界というにはあれこれ見えていて、大型化をしたいんですが、色々と壁にブチ当たっているわけです。
「ゆり子さん、社長と1 on 1をしてきましたよ?」
何か言われました?
「はい。船員チームが少なすぎるから、増やそう、と言われました」
まあ、そうですね。マトモな船員は船長と私だけ、あとは外注や、困ったときの総務部からの神崎くん、最近同じ総務の女子とお付き合いをはじめた、と聞いてますが、その女子・・・確かゆめみさんだったかな?と、乗り込んでくれることもあります。
うーん・・・全自動化が社是の会社とは言え、この船を一人ってのは無茶ですよね。
「そうですね。私の常識から見てもとんでもない船ですよ。ゆり子さんだって、大学のころ、練習船でこのくらいの大きさの船は乗っているでしょう?」
まあね。でも練習船は練習・訓練のための船だから、それこそ総員なら200人くらいは乗ってくるし、もう少し大きい船になるよ?
「まあ、そこはそうでしょうね。民間の貨物船はコスト最優先ですが、それでもこのサイズなら最低4人は乗ってますよ?」
船長・航海士・機関長・その他全部で4人・・・長距離航海は厳しくない?
「RORO 専用船なら荷役のための甲板員が不要ですから、まあ、二交代でなんとかって感じですかね」
アレックスもそういう船に乗ったことあるんだ。
「まあ、船長か航海士かは時の運ですが、ありますよ。キツいですね。あまりやりたくないです」
船長と航海士が交代、機関長ともう一人も交代でワッチ兼なんでも要員ってことね・・・キツそうね。
「そうですね。船の減価償却と船員のコスト、燃料費が固定費ですからね。削れるのは船員くらいなんですよ。そのために高い金を払って機関室の自動化すらするんですから」
まあ、一千万払ってもお飾り機関長・・・名前は機関長だけど実質的にはなんでもやの船員だけにできるんなら、一年で元は取れるもんね。
「まあ、保守費は掛かるので、回収はもう少し掛かると思いますが三年に伸びることはないでしょうね」
ゆかい丸も機関長不要の船だけどね。
「あの重力波エンジンというのは・・・まあ、気にしないことにしますが、とんでもない代物ですね」
気にしないで下さい。「知らない」ということは時と場合にもよりますが、最高の防衛手段でもあります。
「私もこの業界長いので・・・わかってますよ、ゆり子さん。私も命は惜しいです」
社長もアレックスを雇うときにメチャクチャ背後を洗いまくったって聞いてます。
「そうですね。古い知り合いには『お前、何やらかしたんだ?』とからかわれましたよ?」
まあ、実質的には準軍事組織に所属していたとも伺ってますけど。
「いえいえ、そんな大それたところには所属してませんよ?国がまっぷたつに割れたところで、海軍的組織に強制徴用されてくらいが関の山です」
じゃあ、兵站とかかな?
「そうですよ。軍事訓練は受けてませんから輸送くらいしかしてません。それしかできませんよ。それだって命懸けで報酬はもらえるかどうか不透明なくらいですよ?」
でも弾薬とか兵士は運んでたんだ。
「中身は知りません。さっきゆり子さんが言ったじゃないですか。知らなくていいんですよ」
確かに。でも話を戻すけど・・・どうやって船員を増やすの?背後を洗うのとか大変でしょう。
「まあ、社長はいいとこのお坊ちゃんでツテも豊富ですから・・・当面は海上自衛官の退官者を受け入れるとのことでした」
ああ、海自か・・・それなら背後はある程度洗ってあるかもしれないなー。
水兵さん、と今は言ってはだめか、士の人だと、任期制だから二、三年で更新または退官だから若い人もいるってことね。
「潜水艦は結構な選抜を受けての乗艦だそうですが、考えるまでも無く勤務形態としてはキツいと思いますので、そこの任期満了除隊者を狙うそうです」
なるほど・・・潜水艦ならバリバリの国家機密だから、背後を洗ってあるのは確実ということか・・・
ウチの給料なら釣れるかもしれないね、アレックス。
「はい。この給料と仕事の楽さ加減なら、めっちゃ釣れると思います。一気に採用より、毎年一人とかのほうがいいですからね」
それはわかりますよ。じゃあ、1:1 比率のためには若い子、商船系の高専とか、海技短大なんかから女子を採るわけね・・・より釣れやすい気がしてきたよ?
「まあ、乗船の前の研修はそちらのほうに投げ返してしまうようですけどね」
ああ、そういうコースもあるか・・・でも・・・ウチの船、民間の輸送船のはずなんだけど、ダメコンとかあるし、そういうのはどうしよう?
「普通にOJTしかないと思いますよ・・・ゆり子さんの下にふたりくらい付いてもらう感じかと思います。ダメコンとか、民間で使う概念じゃないですけど」
まー、水密区画とか・・・輸送船の概念じゃないもんね。これ。
「はい。で、ゆり子さんの考えたゆかい丸改造計画ですが、ボツになりました」
そーかー・・・結構いいと思ったんだけどなーー
「いえ、新造船のほうがいい、という話です。いまのゆかい丸は精々小改造で、もう少し大きな船を普通の高張力鋼で作ったほうが安上りでしょう、ということです」
高張力鋼www。軍艦じゃんwww
「ちょっと、昔のツテで、いい物件がありまして」
・・・まあ、聞きましょう。
「某新興国向けに、沿岸警備隊用の護衛艦、まあ、一種の駆逐艦ですね。これを二隻ほど前金を受けとり発注を受けたものの、クーデター的なもののせいで、納品先が行方不明になってしまったものがありまして」
それを格安で引き取るという話かしら?
「概ねそうですね。なんせ120m級ですから、造船所としても、ドック的に場所塞ぎですよ」
120m級!!マジの駆逐艦・護衛艦じゃない?!最大船腹は?
「12m程度と聞いてますよ。」
つまり・・・高速艦艇というわけね。船体はどこまでできてるのかな?
「ダブルハルは最終工程に入っているようです」
ダブルハルwww もろ軍艦ね。




