超絶コンパクトFT装置・・・やばいこれ秘密にしなきゃ・・・
姫嶋です。
布施とアレできるか?という意味でいえばできるけど・・・夫婦になるのか?と言われると案外覚悟が自分のなかにないんだ・・・と自覚しちゃいました。
いや、結婚そのものは大丈夫。友達夫婦的なのはできる。それより、妊娠・出産・育児をする覚悟に欠けているってことです。
國本は、そもそもが妊活メインだったからそっちのハードルは無かったんだろうけど、私はあんまり自分が子供を生むって考えてなかったです。
社長には格段に負けるにしろ、布施んとこもまあまあな『お家』だったと思うので、ご挨拶とかいって子供の予定とか聞かれたらどうしよう的な。今はそんなことないのかな?
・・・
布施、一応聞いておくけど、もしアタシと結婚してもいい、となって、例えばご挨拶に実家に行ったりした場合、ご両親から孫をせっつかれることはあったりしそう?
「あー・・・まあ、それなりの家ではあるけど、そういうの無いと思うよ。もちろん、生まれて連れていったらお金やらオモチャやらもらえると思うけど? 第一、オレ、三男坊だし。長男は12歳上だし。孫もそれなりにいるはずだ。 まあ、社長はもっと複雑だけど、家督相続的にはカヤの外で楽だ、みたいなことおっしゃってたよな? レベルは違うけど立場的には似たようなもんだ」
そうか・・・お前も三男か。意外だな、あんまり末っ子気質は無さそうに見えるが・・・
「ん・・・まあ、話したことないしな。いい機会かもしれないから簡単に教えるよ」
そうか、では、よろしくお願いいたします。
・・・
布施です。そんなに面倒な話でもないんですけどね。
うちは地方の地主ってやつで、旧家っちゃ旧家だけど、旧藩の家臣とかそういうのはなくて、単なる農家です。まあ、会社化していて、実際に農業をやっているのは社員なんですけどね。
父は農繁期だけはやるけど、母は農作業なんてまったく御免という人種で、じゃあ、なんでプランターで花を育てているんだ?というと、趣味の土いじりならいいけど、農業が仕事は辛いということらしいです。
まあ、朝は早いことも多いし、仕事としては辛いかも、とは思います。
長男、上の兄は歳の差、学年差で12年なので、自分が小学生になったころには大学生で東京に行ってました。優しい兄で、ケンカもしたことないです。
まあ、大学一年と小学一年なんだから、ケンカのやりようもないですけど。
大卒で商社に就職していろいろ修行?したあと大手の農業法人に転職し、そこでも数年修行して、その途中で高校の同級生と結婚して地元に戻って親父の会社に入りました。今では社長です。親父は会長になってます。
兄の妻は農業法人でも一緒に働いていて、今でも農作業も大丈夫、という女性です。
次男ですが、普通に大卒でサラリーマンになりました。広告代理店ってやつですね。
この人も9歳差なので、長男よりは会ってますが、やっぱり歳の離れた優しい兄です。
彼は・・・経歴的には異色ですが、ウチの親戚で、そっちの地元で地域の広告代理店をやっている、子供の生まれなかった家に養子に行きました。
経営は左ウチワというわけにはいかないようですが、それなりに固定のお客様もいるということで・・・市町村とか選挙とか・・・まあ、普通に社長やってますね。
で、三つ下の双子の弟、妹がいます。なんでまあ、「お兄ちゃん」的な性格になったとしたら、弟妹とのカラミ・・・三つ差ですからね。普通になついてました。
高校受験、大学受験のときも家庭教師もしてましたし、仲は良いです。まあ、就職では追い抜かれてしまいましたが。
「そうか・・・三男坊にも関わらず弟妹が二人もいたのか・・・珍しいな」
そう、珍しいとは思います。就職で抜かれたのには触れないの?
「博士課程あるあるだろ?触れるまでもない」
ま、そうですね。
「それより高校受験のとき家庭教師をしてたほうが気になるよ? 三つ差なら自分も大学受験だろ?」
まあね。僕は私大だから、彼らの公立高校のころの直前追い込みならもう受験は終わって合否も出てたからさ。
「ダメモトで国立も受けなかったんだ?」
やりたいことは決まってたからね。結局その大学に10年居たわけだしwww
「まあ、それはアタシもあまり変わらんなwww」
で、妹にももう子供がいるわけで。
「なるほど・・・そりゃ末娘の子供、孫がいればカワイイだろうな」
というわけで、メッキーを連れていって気にいられたとしても早く子供を!!って可能性は基本的にはない。
「長男のお兄さんの子供は?」
4人いる。男女共に二名。上のほうはもう中学生くらいじゃないかな?
「養子に出た次男のお兄さんは?」
三人だな。男女男だった気がする。
「うーん、少子高齢化と真逆の家系かー」
いや、オレのところは少子化確定だろ?
「家系としてプラスだけど・・・まーね。双子を受胎するんでもなければ一人がせいぜいだろうね。お前が別の女を作れば別だけど」
おいおい・・・社長にもハニートラップには気をつけろってさんざん言われているし、自分でも恐しい秘密・・・少なくとも今のところは・・・に関わっている自覚はあるから、そんな面倒なことしねーよ。
「まあね・・・今となってはあの、喰うや喰わずだったころでは考えられないほどお金も資産もあるからねぇ・・・株の配当金だけで普通の人の年収以上だもんね。社長の苛烈な一面も知ってるし、裏切るなんてありえんか」
だね。でもまあ、社長はなんだかんだで優しいほうだと思うよ?火無瀬だって結局保護してあげてるし。
「あれは社内っちゃ社内だし、自分の落ち度もあると思ってんのかもね。社長にしてもガンさんにしてもさ。まあ、それは置いておいて。これだよね」
・・・そうだね。
・・・
再び姫嶋です。
延々と布施の話を聞いていたのも一種の現実逃避?
CTO じゃないけど、作ってみたらできちゃったんです。
超小型フィッシャートロプシュ・・・超脱硫軽質原油製造装置です。
こんなものが一般にリリースされたらとんでもないことになる・・・
といっても年産数十個の重力波エンジンに依存しているのでそんなに数は作れませんが。
それに超小型といっても、フィッシャートロプシュ装置しては、ということで、設置面積としては5×10m程度、高さも7m程度必要です。重さも20t以上あります。
それプラス、原油、氷酢酸のタンク、スペースが必要です。氷酢酸生成用の真空引き装置なども別に必要です。まあ、氷酢酸関係は神栖には既にあるんでいいんですが。
また、エチレン合成ガス特化型で、DAC で得たCO2 の水蒸気改質だと上手く動くかどうかわかりません。逆に普通のFT法だと持て余すメタンは燃料油変換ができたりします。
布施・・・身の上話はわかったけど、これどうする?
まだ、ここ、本社地下工場で擬似的に作ったエチレン合成ガスでは動いたよ、くらいの結果だが。動いちゃったぞ?
「動いちゃったね・・・これがCTO のよく言ってる試してみたらできちゃった、ってやつか・・・」
だな。それにこないだ随分絞られたけど、結果として実験計画書を一杯作って実施の有無に関わらず提出するようになったから、飛ばせんこともないぞ?
「まあ、中型機は清滝とここで作っているからねぇ・・・清滝は完全にアングラ航行だけど、利根川沿いに下ってくれば神栖まではレーダー照射も難しい高度で飛べるし、蔵野の工場を使えば鉄道輸送もできる」
実際、神栖を中継地点として、ここまで不定期便あるしな。
「ここでも中型機は5機余裕があるし、ゆかい丸には今は一機も積んでないから、三連自動航行実験、まさに君、メッキーが書いた実験計画書通りの実験ができる」
そう、私がでっち上げた計画書の中には自動運転で最近実用化されつつある、疑似列車走行・・・密なる連携を前提にして、一台の有人操縦トラックの後ろに数台のトラックが無人で連なって走行するやつ・・・をドローンでやる、というのがあるんです。
ウチの中型機だと、31ftコンテナをぶらさげて飛行できるんです。但し、その際には降着脚が利用できないので、普段のような高速の上、主要道路、広い道路の上なら「まあ安全」というわけじゃなくなります。
それで無理矢理導き出したのが、調布飛行場周辺はしょうがないので最速で多摩川まで抜ける。多摩川の上なら万が一落ちても人的被害は少ないだろう、ということです。
多摩川沿いに下ると羽田空域に出るからだめじゃなかったっけ?って?
その通り。そこはもう無理矢理。
蒲田の辺りで多摩川が蛇行しているところ、そこでJRの蒲田の車庫、環八、第一京浜の上を使って呑川まで出る。
そして京浜運河から東京湾に出て、花見川、新川を上る。
そうすると、印旛沼経由で利根川に出られるのです!!
一部を除いて大体水の上!!
こんな実験計画通らないだろーなーと思って出したんですが通っちゃった!
そのかわり、普段以上に厳密なデータに基づく運行をしないとなりません。かつ、先頭機は普段のデータ通りの無人航行ではなく、無人は無人ですが、リモートによる監視航行とする、ということになってます。
速度を落として、万が一の際は、人が介入できるようにする、ということです。
要はしくじったら安全なところに落とせよなってこと。
これは高速道路でのトラックの列車的自動運転に似てます。二機目以降は基本的に追随航行なので。
「で、メッキー、乗ってく気だろ?」
お前も乗れよな?
「はあ・・・まあ、そうなるよな。三機分にバラせば載っちゃうし運べちゃうな・・・」
スピードは遅いけどな・・・でも100km/hは余裕だが。
「落ちたら水か・・・死ぬな」
まあ、緊締を解いてコンテナだけ落とせば本体は問題ないよ。
「重力波エンジンが惜しいな・・・」
後ろのほうの椅子をハズして中型機に入れればいい。先頭機はどうせカスタムにしないとっしょ?
「確かにな・・・そこまで考えてたんだ?」
その程度の頭はあるよ。流石に。
「神栖の宿泊問題は解決してないけどな」
まあな。でも三連以上って書いてあるのには気付いているか?
「ん?そうか・・・でも一機足したところでホテルユニットなど運べないだろう? あれは重すぎるだろう?」
あのな、お前と二人でホテルユニットは過剰じゃん。神栖は工場と港があるんだから雇用もあって、そこそこ街だよ?
「まあ、そうだけど・・・」
メガソーラー周辺には何もないのが問題なだけじゃん?
あと、ドローンで飛んでくと地元の足が無いってのと?
だったら、地元の奥さんが乗ってそうなまあまあおしゃれな軽自動車を載せればいいだけじゃん?スイフトとか小さめの車なら5ナンバーでもコンテナに載るんじゃね?
プラント組立用のクレーンもあるけど、車ならフォークもあるからそれで降ろせるだろ?
そしたら、普通にファミレスでもビジホでもラブホでも行けばいい。
違う?
「・・・違わないね。その気になれば二台載るね。 空飛ぶコンテナで車を運ぶってのが普通に考えたら無駄の極地なだけってこと以外は」
実験だもの。 無駄じゃなくて可能性を試すのが我々のお仕事だろ? ま、車は一台でいいと思うけど。
「メッキー様の言う通りです」




