一種の公開プロポーズ?
なんか妙な展開になって困惑しているものの、妊活自体は本気なので、あわよくば婚でいいかな、と思いはじめている國本です。
うーん、国際結婚になるんだろうな・・・ぜんぜん考えてなかった。
太陽電池のリサイクルについては、まあ、やるんだろうな、という感想です。
化学は強くないけど、まったく知らないわけでもないし。
下水道、鉄道工事のシールドトンネルや付帯工事なんかも特に知識は無かったけどそれなりにやれましたし。
危険物関係の資格も取ってあるので、メタノール輸送なんかは役に立てそう。
社長もISOタンクって言ってたし、ナフサを輸送するタンクなんかもあることはあると知ってはいます。
軽質ナフサとして回収できるなら、ガソリンでもケロシンでも作れるから、カンペキね。
例の重力波エンジンの改良版でCO2を単離できるんなら、水素が作れればエチレン・・・高圧低温じゃないと液化できないか・・・ああ、やっぱメタノールかエタノールかなぁ。
ベンゼンやトルエンも作れそうだけど、毒性がなー
あ?普通にフィッシャートロプシュ法を使えばよくない?
ねーねー、ちょっと発言してもいいですか?
「なんだい?國本くん、妊活候補者の発表かい?」
社長、そーじゃなくて、EVAからガスが回収できるんなら、高温環境でH2とCO2を触媒反応させて、水蒸気と一酸化炭素を作って、フィッシャートロプシュで原油モドキを作ればいいんじゃないかと思っただけです。
「フィッシャートロプシュ?ドイツで発明されたアレか?石炭の石油化じゃなかったか?」
古典的にはそうですけど、CO2をH2で強制的に還元できるなら、どうせ高温のガスが発生するだけですから、COH あたりの量を調整して高温高圧プラントで石油に戻せばいいんじゃないかと。
えーと・・・ちょっと大規模プラントになりそうだから、初期投資がタイヘンですけど・・・将来的にはプラスチック受け入れとか、使用済みの液化CO2受け入れでなんとかなりませんか?
あ、そういえばあそこの港、鉄屋さんも、石油屋さんもありますよね?
鉄屋さんでコークスを自家生産しているんなら、水素とメタンと一酸化炭素のまざったガスは勝手にできますよね?
それを原料として買って、さっきいってたこと・・・重力波分留?・・・ができるんなら・・・水素とメタンと一酸化炭素でしょ?・・・メタンを高温高圧の水蒸気で改質したものと、水素とCOを、C, O, Hの数を調整して混ぜる。
それをフィッシャートロプシュで合成すれば脱硫原油っぽい液化炭化水素ができるんじゃないかと?
さっきのEVA回収でも高熱が必要なプロセスがあったから、排熱の使い道もありますよね。
あっ、水素は普通にまぜるんじゃなくて、受け入れ液化二酸化炭素も鉄道で運べますよね。
そっちと混ぜましょう、排熱と分留した水素で触媒を使った逆水性ガスシフトで、H2O+COにできるじゃないですか?
そのほうが全体としてのフィッシャートロプシュ法として受け入れ可能量が増えそうです。
それでも熱が余るんなら蒸気タービン回して発電所を作ってもいいんじゃないですか?
メガソーラーに逆潮流の仕組み自体はあるはずですから、売電はカンタンなはずですよね?
そうすると例のアレから異様な電力を引き出しちゃうのもアレできるんじゃないですか?
排熱で蒸気タービン回してまで電気つくってますよー的な、アピール?
どう考えても再起動に時間のかかる代物になりそうですから、24x7運転前提になりそうですけど。
で、できた石油はCO2フリー脱硫原油として石油屋さんに売って分留してもらって製品化はまかせちゃいばいいんじゃないでしょうか。
私が呑みながら思いつくようなことを製鉄やさんがやってないとしたら、ヨソ様ではアレがアレしてないんでたぶん電力コスト的に合わないとか、そういう理由のはずですが、それを可能にするのがこの会社のアレな技術ですよね?
「・・・なんか、出来そうに聞こえるな・・・布施君、やってない理由はコストかな? 君ならわかるんじゃないかな」
「さすがにそこまでは・・・國本さん、化学は得意じゃないって言ってなかった? まあ、日本ではやってないと思いますよ。コストもあるし、製鉄所には熱源がそれなりに必要で、コークスガスは普通に燃えますから」
「と、なると、既に燃焼用に利用されているので、そちらのラインに組込まれていると。そうなるとそれを売ってもらうのは難しいかな・・・」
「いや、CO2削減とか、H2の活用とか国策どころか世界的な流れですから。
あっ、それこそ吉岡技官のラインができたんですから、活用されてみてはいかがでしょうか?少なくともSAF なら国土交通省管轄でしょう?」
「SAF ・・・持続可能な航空燃料というやつか・・・ちょっと当たってみるか・・・で、結婚というか妊活相手はどうなったんだい?」
あ、戻ってきた。まあ、行くだけ行くか!!
はい! 他の立候補者のお申し出はありませんでした!!
今の会話で『ちょっと待ったー』をしようとしていた人の気合を折っちゃった気もしますが・・・アレックス船長? まだ候補者のままで大丈夫ですか・・・
「かまいませんよ。技術者がちんぷんかんぷんなことを一方的に話すのは慣れてます。それに、時期が来れば理解できるように解説してくれることにも慣れてますから。でもまだ候補者のままですか? 婚約者とかではなく?」
はい! 私の目的は妊活です。子供がいわゆる私生児扱いにならないよう結婚はしたいですが、目的は妊活なんです。
私も以前に他の人としたことありますし、船員生活が長い船長は、それこそあちらこちらで、ご商売の方も含めて経験があると思います。
練習航海ですが、遠洋航海の経験もあるので、男性船員のそういうのは見慣れてます。数少ない女性だってだけですごくモテますし!
なので、私も船長も性病検査と遺伝子検査をしたいので、その結果を見て、お互いに納得したところで婚約なり結婚をしましょう。
「まあ・・・船員好きの女性も港町付近に生息していますから、正直、どちらも経験があります。なので性病検査は同意しますが、遺伝子検査とは?何を調べるんですか?」
遺伝性疾患というのがありまして、大体の場合、片親だけが因子を持ってても発病しないんですが、両方が因子を持ってると発病する可能性が高まる病気が、いくつかわかっています。
病気にならないほうがいいんで、そういうリスクを明確化したほうがいいかな、と。
「もし、二人が同じ因子を持っていた場合は結婚しないんですか?」
そんな悲しそうな顔をしないで下さいよ・・・生活習慣病を始め、それでわからない病気のほうが多いんですから、覚悟の決め方くらいの話です。
あと、これは医学的にはできるけど倫理的にどうか?という話ですが、敢えて体外受精にしてから検査して、その因子が受精卵に引き継がれたか、とか、ダウン症の可能性が高いか?とかわかります。
そのあと子宮に着床させることで、ハイリスク妊娠を避けることができます。
これは私はそれほど気にしませんが、気にする人も多いので船長がそういうやり方はイヤだ、と思うんならしません。
ただ、私も女性ホルモンの検査はするので、船長も男性ホルモンと精子の検査はしてほしいな、と思います。
私だって自然妊娠のほうが嬉しいですよ?
「なるほど・・・やはり、ご自分でおっしゃった通り、普通じゃないですね。でも、性病も二人の因子が揃うと子供に遺伝するみたいな話は聞いたころあるので、性病検査とあまり変わらないかと。注射が一本増える程度ですよね? まあ、私も自然に愛し合ってできる子供のほうが嬉しいでしょうね」
あのー、精子の検査は・・・
「はいはい、受けますよ。それくらいは大丈夫。遺伝子検査もね。人工授精は最後の手段としてなら受け入れます。ゆるい夫婦関係といっても、妊娠がご希望なら、月に2~3日はできるんでしょう?。お互いに不妊の原因が少ないっていうのを最初に知っておくのも良いことでしょう」
では、仮契約成立です。社長!きっといいクリニック紹介してくれますよね?
「國本くん・・・君はすごいな・・・まあ、性病検査や普通の妊活クリニックなら紹介できるし、受精卵スクリーニングができるところも・・・知人の紹介というやつなら出来ると思うが、俺のことだと思われそうなのが難点だな。まあ、いいか。妊活目的なら女医さんがやってるいいクリニックを教えるよ。性病検査もやってくれるだろう」
船長、ではさっそく性病検査にいきましょう!結果がでたらキス以上を始めましょう!!
姫ちゃん!これって公開プロポーズだよねっ!!
「こんな妙ちきリンリンな公開プロポーズは聞いたことないよ・・・」
「うん、そもそもFT法の話のほうが長かった気もするしな」
布施くん!開発部以外にもわかりやすく説明しただけだよ!
「いやー、あの説明で清水さんに通じたとは思えないよ・・・どうですか」
「せんちょーもおっしゃってたじゃないですかー・・・ちんぷんぷんぷんでしゅよー。でもまたーおかねがでてくー?な、はなしなのはわかりましたー」
そーかー、フィッシャートロプシュは高校では習わないもんなー。
まあまあ、清水さん、フルーツ多めのアルコール薄め、スパークリングで甘すぎないやつ作ったからどーぞー
「はんせーするとこがー、ずれてましゅー。いただきましゅー」
「「「はあ・・・」」」「大学でも習うやつのほうが少ないぞ・・・」
「ん。凄い嫁をもらえそうです」




