毎度お馴染の金曜日の宴会
みんな、今週もおつかれさま。
アルハラ、セクハラ、パワハラ、そういったものに注意して、今週も呑もう!
「「「「「かんぱーーーい」」」」」
平戸鉄道再開記念の開通式からのトンズラや、的山大島での移動販売、それから船での東京への帰還(途中まで)など、いろいろなことは適当に辻褄だけ合わせた・・・ことになっている。
まったく合わないのは承知の上だ。
目をつぶったほうが楽だ、ということになればみんなそうするしかないのだ。
しかし、水を得た魚というか、船を得た國本さんというか、彼女は乗船後、快活になった。
上陸したら、また引っ込み思案に戻るのかと思っていたが、快活なままだ。
まあ、いいことだろう。
「はいはい社長!!」
その國本さんは今日も元気だ。
なんだい、國本さん?
「発言を許可願います!!」
別にいちいち求めなくても大丈夫。みんなに言いたいことでもあるのかな?
「はい!私、國本は妊活を宣言します!つきましては、配偶者を募集します!」
・・・いきなりな上に順序がおかしくないか?
みんな、ぽかんとしている。ま、無理も無いか
「國本さん?順番おかしくないですか? 配偶者募集ということは彼氏がいるわけじゃないってことでいいですよね?」
清水さんの疑問はもっともだ。
「はい、清水さん、私は清水さんからみたらそれなりに年上です!!なので、余裕がありません! 子供が欲しいと思ったが吉日というやつです!それに、開発部の女性メンバーが一気に妊娠したらちょっと困りませんか? 早い者勝ちで妊婦の一番乗りを目指します」
「ああ・・・一気に数人とか産休にはいると困るよね・・・それはわかんなくないけど、相手はだれでもいいの?」
「姫ちゃん、いい質問です! はい。私も開発部も世間的にいう普通の人々じゃありません! それをわかってくれて放置してくれる、50年くらいゆるく夫婦をしてくれる人なら問題ありません!」
なるほど・・・出産願望があるが、いまみたいな生活はやめられないから、それを熟知している社内の人間がよい、ということか?
「はい、社長! 誰も言わないのでいっちゃいますが、我々、墓の下まで持ってかなきゃならないもんかかえちゃってますから、外の人と結婚するのはムズいとおもってます」
あーーーー、という空気が流れる。
まあ、固く考えなくてもいつの間にか大丈夫になると思うよ。
「私もそう思ってますが、30過ぎてて、子供が欲しい願望がある私にはそのいつの間にかが1年ならともかく、10年だとマジの高齢出産になって、20年だと妊娠自体がかなり難しい問題になります!!」
うん、それは認めざるを得ない。
「一応、社内で一時期お付き合い、その、性交渉もあった人もいます・・・」
そうなんだ。誰とは聞かないが。
「その人は候補から除外するとかは無いです。門戸は広く開かれています!!」
なるほど・・・極論だが、俺でもよいのか?
「えっ!!」「ほぅ」「えっ!!!」
いや、冗談だ。正直、色々と面倒な家系だから、あまりお勧めできない。
「いや、社長なら何の問題もありませんが・・・清水さんが本命じゃないんですか?」
何故、私にみんな彼女をくっ付けたがるのかな、特段そのような関係性は無いぞ。
「そーですよー。そーむぶちょーはお受けしましたがー、愛人とかひしょは受けてましぇーん」
清水さんもいい感じで酔っているようだな。
「じゃあ、新参者だが、オレが手を上げてもいいのかい?」
お、船長か。まあ、いいんじゃないかな?國本さんはどうなの?
「はい! 立候補は広く受け付けています!一人なら決まりです! でも私がそうだからわかるけど、みんなの前では言いづらい、というのもあると思いますので、とりあえず一週間待ちます。 来週か再来週の宴会で発表します!」
なるほど、日本人あるあるかな。アレックス、なぜ手を上げたんだい?
「社長、彼女は普通に航海士として優秀だ。いつまで雇ってもらい続けられるかわからんが、あんなすごい船を作ったんだから、これからもしばらくは船の仕事があるだろう。 彼女が乗務するなら、夫婦で乗務というのが彼女の安全のためにもよいと思う。 あとは、普通に好みだ。ゆるい夫婦という感覚はわからんが、彼女に習おうと思う」
まあ、船の仕事はあり続けると思うぞ。確かに航海士の免許の問題があるから、國本さんが乗務することは増えるだろうな・・・まあ、女性が少ない環境になった場合、夫婦と明らかにしておく、また、船長室で一緒に乗っているほうが安全か。
それより國本さんの気持ちが重要だろう。立候補者がいたけどどう?
「顔は好みです!性格はまだわかりませんが、少なくとも船に乗ってたときに問題行動はなかったです!さっき宣言しちゃったんで、正式なお付き合いは一週間待ってください!あと、年齢教えて下さい!」
「あー、37歳かな?」
「全然圏内です!でも、船歴長いですよね?あれ?高校のころから乗ってるの?」
「そうそう、日本でいう商船高校?みたいなところで下働きデビューしてるからな。開発部のみなさんみたいな高学歴じゃないんだよ」
「あたしだって高卒でーす。船長さん高卒なっかまー」
「おう、工事部・・・今は工事会社だけど、こっちの職人たちも大抵高卒・・・まあ高校中退もいるがな! 清水さんも高卒で総務部長だし、オレも社長にしてもらったし、いい会社だよな!」
「けっこーせきにんんがーおもいですけどー。きゅーりょーもいいからいいですーー」
今や JSH ホールディングスとなり、それなりの規模の会社になってしまったが、この宴会というか食事会のメンバーはそれほど変わっていない。
要はコアメンバーのみが参加できる食事会となっている。
そういう意味ではアレックスは新参者だが、最初からコアメンバーとして扱うしかない存在だ。
まあ、そのために色々と背後も洗ったし、面接も何回も行った。
個人的な考えでいえば、アレックスが血縁的にもウチの会社に結びつくというのは悪くない。
だが、結婚となれば・・・まあ、うちの一族はなんだかんだで政略結婚ばかりだが・・・やはり本人たちの気持ちが一番大事だろう。
しかしなんというか、ウチの連中、特に開発部のメンバーは俺なんかの想像を軽く越えてくるな。まあ、そういうメンツを選んだアイツがスゴいんだろう。




