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これは輸送船ですよ?

トップリフターとは、コンテナを持ち上げる専用のフォークリフトのようなもので、フォークのように下から持ち上げるのではなく、上を掴んで持ち上げるものだ。

コンテナは船舶の最大サイズで45ft。数十トンもある。

よっても持ち上げる側も相当に重くないといけない。コケてしまうからだ。

フォークリフトも本体の重さで持ち上げられる重さが決まっている。

デッドウェイト、単なるおもりを本体に積むこともあるほどだ。

そのため、フォークリフトでは一般的な車とは違い、鉛蓄電池の重さが必ずしも欠点とならず、電動化が早くから行われていた。


我々の縦型トップリフターは、コンテナの自重で構造を支える方式になっており、通常のトップリフターがコンテナを積むときには横方向に持ち、横から積み上げるのに対し、コンテナの長さ方向に移動する。


4組の電動クロウラー、いわゆるキャタピラの上に8m程度の柱を立て、構造材で繋げている。

その内側にリフター部分があるが、昇降部分は見えないようになっている。

ただ、構造は聞いている。ウォームギアだ。


「グリスの代わりに重力式フィールドを用いて回しています」


もう、理由がわからん。


布施君、君もアイツみたいになってきたな。


「はい、CTO は一種の天才なので憧れもありますし、模倣も楽しいものです」


この大きさは31ftコンテナに合わせているのか?


「そうですね、幅4m弱、長さは10m弱ですから、31ftコンテナより一回り大きいですが、偶然です。40ftも20ftも12ftも掴んで持ち上げられます」


まあ、それはそうだろう。しかし、この大きさのものがモータ音だけでするする動いているのは・・・違和感あるなww


「はい、そうですね。割り切ってください。現場積み特化で、普通の荷役には使えない一種の欠陥品ですから」




現場事務所で最後に残ったコンテナに縦型トップリフターを収納・・・実はそのためにクレーンをフォークをレンタルした。


縦型トップリフター分のスキマを残したコンテナを縦型トップリフターでトラックに積み込む。

その後、リフター部分を上に上げ、鳶職がコンテナの上に乗る。

そして二対のツメの部分を外し、クレーンで降ろす。

そのように上からバラしていき、最終的にはパレットに集積し、フォークリフトでコンテナに積み込むのだ。

鳶職の人は普通に脚立で降りてくる。


器用なもんだな。


そして、我々は一旦博多に向かい、清水さん、開発部の連中と着飾って開通式に出かけたのだ。


                 ・・・


「それで、どこに向かっているのかな?」


ドローンの操縦席、といってもゲームのコンソールのようなもの・・・というかそのものだが・・・と前を交互に見ていると、隣に座っているノリさんから声を掛けられた。


まあ、それはそうだろう。

いきなり自宅に行ってトランクを取ってこい。

その為の移動手段は有人ドローンで、自宅近所の教習所に強行着陸・・・一応教習所には話を通しているが、航空法的には・・・。

教習車で自宅往復したあとに有無を言わさずドローンに乗せられて海上飛行、平戸大橋の遥か上を通過してまだ飛行中だ。


ちなみに、例の重力波エンジンのおかげで、航続距離は事実上無限に近い。

乗客乗員のトイレなどの生理的現象の限界が事実上の航続距離だ。

このドローンにはトイレも給水設備もないからな。常温のペットボトルが何本か非常用においてあるだけだ。


その気になれば時速400kmくらいは出せるが、今は暫定で180km制限としている。衝突回避ソフトウェアがまだ、β2のままだからな。


一応電波吸収塗装などはしているが、まあ、気休めだ。高度を落として飛行するほうが確実だな。


ノリさん、以前お話したかどうかは記憶にありませんが、弊社の子会社で離島への運輸をしている会社がありまして、輸送船があるんです。


「はい、存じてますよ。高齢の経営者の引退に伴う買収と伺ってます。おっと・・・口調が・・・失礼した」


別にどちらでもかまいません。現在は高度を100mに下げて時速180kmで進行中です。あと数分で輸送船に到着予定です。


「輸送船ですか・・・垂直離着陸が可能なら平場があれば大抵の所には降りられるでしょうから・・・時化(シケ)てなければですが」


まあ、○にHのヘリポートっぽいマークがあればカメラとLiDARで測定してくれますから、私がマニュアル操作するより安全に降りれますよ。


「全自動離着陸とおっしゃってましたからな。ちなみにマニュアル操作の訓練はされたのですか?」


シミュレーターではかなりやりました。実飛行は初めてです。


「初めてですか!実にスムースですな。しかしよく初飛行でこんな面倒なことができるものです・・・」


実際のところ、タッチパネルを押しているだけで、操縦桿っぽいこれは、今は触っても反応しませんからね


「なんと、そんな仕組みなんですね」


はい、もう輸送船の上空なので空中静止モードから下降モードに入りましたからね。

こうなるとあとは機体が勝手に船を認識して、そのあとヘリポートマークの位置を把握したら手動操縦より素早く安全に着地です。

さらに言うと、これは試作一号機ですから、外部モニタ、つまりリモートから見えるようになっています。

ノリさんの自宅近くの教習所からは無理ですけど、今はしっかり見られているはずです。


「なるほど・・・合理的といえば合理的なのかな・・・おぉ、この感覚はあまり好きではないですね・・・」


はい、着艦直前までは結構な垂直降下をしますから・・・ここからはゆっくりですから大丈夫です。はい。着艦しました。


「ヘリなんかですと、ヘリポート側で旗信号を出している人もいますが、全くの無人なんですね」


そうですね。無人運用、自動化が弊社のテーマの一つですからね。


「おお?これはエレベータですか?沈んでいきますね」


まあ、タワーパーキングみたいなものです。ここで微速後退して車庫に入りますが、これもボタンを押すだけです。


タッチパネル上のボタンにタッチして、ドローンを格納庫に収納する。


さあ、到着しました。ささやかな宴会は準備できていないと思いますが、水分と軽食、そしてお手洗のほうなら誰かに聞けば案内させられると思います。


「なんですか・・・ここは・・・今は一機ですが、これではまるでヘリ空母ではありませんか」


そう、ここには複数のドローン格納庫が並んでいる。最終的にはそうなるのかもしれないな。


いえ、このドローンも今後のものにも兵装の予定はありませんし、この輸送船も丸腰ですよ。


『社長、ノリさん、輸送船ゆかいにようこそ!赤いドアを出て24号会議室にいらっしゃいませ!』


この声は・・・國本くんか?マイク越しだとしゃべれるタイプなのか?


「本当に輸送船ですか、この船」


はい、これは唯のRORO船、輸送船です。

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