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高速敷設と撤収の秘密

現場事務所の高速展開と撤収については、例の布施君が開発したコンテナが鍵を握っている。


布施君は7m機を気動車型にすることを発案し、パズルのようなフレーム展開と現場での鉄筋石板での組立を実現した。


彼が自由研究的に持ってきたものに、浄化槽コンテナがある。


「社長、現場事務所ですが、コンテナを最大限に利用すれば全国に貨物で輸送できます」


そうだな。キッチンコンテナなんてものも作ったし、カプセルホテルコンテナもな。


「はい、そこで問題になるのは何だと思いますか?」


インフラ設備だとは思うが、電気はウチはどうにでもなるし、ガスは・・・暖房、温水も電気でいけるし、水は最悪タンクコンテナを積むか・・・あ、下水か?


「そう、下水、生活排水の処理が困ります。都会ならホテルなり何なりを借りればいいですが、今回の工事の平戸もそうですが、基本的に僻地・・・とは言わないまでも下水道管の無い地域での工事が想定されます」


下水道管の工事で名を上げた我々にとっては皮肉なことだな。


「はい、下水道管の工事をするのは基本的に街ですから不要だったのですが、鉄道工事の際には下水道の心配があります」


そういうことを言ってくるということは、何か腹案があるのだろう?


「おっしゃる通りです。浄化槽をコンテナ化します」


入るのか?


「31ftなら入ります。補機などで別に機材が必要ですが、31ftの中に浄化槽本体と補機まで入れることができます」


しかし、浄化槽は埋設して使うものだと思うんだが・・・


「それは一般的な建物の場合です。要は水廻りより下に浄化槽があればいいだけです」


まあ、汚水をポンプで汲むのはよろしくなさそうだしな。

しかし、移設ができるものなのか?


「あまりやらないとは思いますが、論理的には可能です。清掃と汲み取りが必要なので数日は掛かると思いますが」


そうか・・・だが、コンテナ化したとして、どう下水管を取り回せばいいんだ?


「そこは人工地盤です。仮設事務所を作るにしても、結構な資材をコンテナで運ぶことになるでしょう」


ふむ


「なので、現地に撤収のための空きコンテナがいくつか置かれることになるはずです」


確かに


「社長のことですから、見た目にも派手な仮設事務所をお作りになると思います。その一階には水廻りは置けませんが、二階以上であれば大丈夫です」


つまり、道路に面した一階とは逆の、建物の裏側にコンテナの羅列を二列で作る。

その一段目の天井、二段目の床の部分に人工地盤を渡す。車両が来るわけでもなく基本的に人が通るだけだから、耐荷重も1tクラスで充分。

空きコンテナと浄化槽コンテナが一階部分に来るので、下水配管を床下で浄化槽コンテナに引き回せばよい。

そして、キッチン、シャワー、トイレ、カプセルホテルのコンテナが二段目部分になる。見た目は平屋だが。


なるほどな。ついでに屋根も掛けてしまえば完璧だな。


「屋根は・・・ちょっと高さ的に圧迫感はあると思いますが、まあ、大丈夫でしょう。事故防止のため、末端部は壁を作っておいたほうがよいですね」


ちなみに、一日に処理できる下水の量は?


「30立方メートル、3万リットルです。少なくとも平戸の現場では過剰な処理量ですね」


最大限急ぐとして、どれくらいで撤去できる?


「うーん・・・論理的には、コストというかメンテナンス一回分の費用が余計にかかる前提で・・・40時間くらいでしょうか」


1日半とちょっとか・・・


「今回の浄化槽だと汚水処理は約24時間かかります。市町村の下水道局と自然に話をしておいて、夕方4時ごろに未処理の汚水をいわゆるバキュームカーで回収してもらいます。そこでメンテナンス用の微生物等がムダになりますが、キットと水を大量に入れます。翌日の午後8時程度までには処理と排水が終わりますので、10~12時間程度、乾燥させれば輸送は可能かと」


なんと言うか・・・臭わないか?


「それは問題ないですよ。汚水受け入れタンクだけは清掃したほうがいいですが」


排水する先はどうする?今回の現地はわりと山の上だぞ?


「浄化槽から出るほうの水は市町村の確認を受ける必要はありますが、そのまま川とかに流して大丈夫なレベルです。どちらにしろ、設置の際に下水道局と打ち合わせが必須ですから、どこに排水すればいいか聞けばいいんですよ」


最悪、雨水浸透桝の設置になるかな・・・


「いえ、自力処理ということになったとしても、3m機で垂直に掘ればいいんです。仮に深さ70mくらいとして無筋石板を穴空きセグメントとして筒状に組めば、マシンはクレーンなどのリフターがある前提でバックしてこれます」


それはそうだ。


「パーチと水ですが、最悪水は断熱チューブ内で沸騰させてでも地上に上げてしまいます。パーチは湿気を吸わないよう、コルゲートチューブ内の高圧空気で地上に持ってこれます。そしてそのパーチを軽石状に加工しておきます」


・・・できそうだな・・・


「無筋石板ではそのうち地圧に負けますが、その前にマシンを回収し、軽石パーチ、実際には軽いわけではなく、水分が抜けているので比重は増えてますが、水が通り易い石、くらいですね、をざらーっと流し込みます。適宜転圧を行い、突き固めます。最終的に深さ30cm程度の安全な深さになったところで施工完了です」


ふむ・・・2.25π × 70m ・・・71mなら約500立方メートルだな。容積の半分しか使えないとしても、一週間分はあるということか。


「はい、実際にはそこまで排水は出ませんので、概ね現地処理できるはずです」


経年変化で仮に立坑が圧壊したとしても問題無しか。


「もとからそこの土で作ってますから何の問題もありません」


確かに


「それから、現地で組立、分解が可能なトップリフターの開発の目処が立ちました!最大で三段まで積めます!」


むしろ、そっちのほうが大ニュースじゃないかな?

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