練習航海のその前に
アレックスです。
ゆり子さんは相変わらずです。
元の船も凄まじかったと思うのですが、本気で凄まじく改造したものです。
実は例の投降騒ぎがあった時の揚陸が改造前最後の仕事でした。なので、神栖に来るのは既定路線だったのですが、半年で船ってこんなに変形できたっけ?と思うほどの改造です。
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幅を狭く、長さを長く。喫水はやや浅く。
ロールオン区画の高さ8mは過剰だった。5.5mでよさそうだけど1mだけ余裕を持って6.5m。長さは変化なし。バウランプは長くなった。
両側を高くして、さらに非常用操縦席を作ったのは明らかに無駄だった。艦橋が破壊された状態で船を運用するなんて考えなくていい。
でも念の為緊急脱出用ドローンに予備の操縦席は作ってある。
船体構造物は船殻の幅が16m。その中心にロールオン区画、右舷側に通称エアロックが三ヶ所。前方と後方が階段で中央がエレベーター利用。基本乗員は階段を利用する。重量物がある場合はエレベーター。
階段またはエレベーターで階を移動して、そのフロアに入るところに再度エアロックがある。
構造物として軽い廊下はオーバーハング側で問題ない。
乗船、下船はバウランプ、スターンランプからしかできないのは変わってない。例外として小型機や中型機で甲板からくることも出来る。
ランプ、ロールオン区画と同一レベルを地下二階、B3Fとするとロールオン区画からどうにかエアロックを探すとCエリアに入れる。
Cエリアには船首側のCF、エレベーターホールのCC、船尾側のCBの3エリアがあり、どこも狭い。
CF、CBエリアには階段があり、B2Fまで上がることができる。B2FのCエリアの階段、エレベータ部分以外のところは汚水処理機やらなんやらがある。
階段を上がるとそれぞれに二つのエアロックがあり、船体側のエアロックを通るとBエリア。
B2FのBエリアも船首側のBFと船尾側のBBエリアに分かれる。
BFは便乗客室、BBは幽閉室として運用する。エレベータはBエリアには止まらない。エレベーターホール、BCエリアはあるけどホール側にドアがない。
どちらも雑魚寝の客室で、ベッドとトイレ、冷蔵庫と電子レンジはある。
逆に階段を上がったところで、オーバーハング側のエアロックを通るとまた階段がある。それを上がるとまたそれぞれにエアロックがあり、そこを通れるとA0エリアに入れる。
B1FのA0エリアからが本格的なセキュリティ区画になる。
ロールオン区画と甲板の間、高さは3.8m程度だけど、ここはドローンなどの格納庫でもある。コンテナを乗せるときにはこの区画に乗せることもできる。
また、一部の区画はロールオン区画まで積み降ろしが出来るように右舷のクレーンからスライド床をずらせるようになっている。
1Fの甲板がA1エリア。A0とA1は階段であれば自由に行き来できる。
A0より上の階段はエレベーターホールの外側・・・といっても屋内ですよ?・・・の前側、後ろ側に階段室がついている。
A2以上のフロアには、階段室とエレベーターホールの間にエアロックがあり、エレベーターホールにさえ入れれば、そのフロアの全ての施設に到達可能になっている。
A2の最前方は廊下の狭い個室、続いて少し広い個室、後方はランドリーと男女別共用浴場と予約制面談室、トイレ、小会議室がいくつか、そして広い談話室兼食堂兼大会議室。
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ここからは、というかここだけ、プチ豪華客船です。
そのA3は、前方が船長室、後方が展望浴室と貴賓室。ここは船長の私とゆり子さん、そして社長と清水さんのIDでないと入れません。貴賓室にはシャワーブースがありますが、お風呂に入りたいのであれば私達と共用になってしまいます。
その上がブリッジ緩衝フロアのS0。ここにはエレベーターホールから後ろに出る道しかありませんが、そこにはエアロックがありません。
しかしその後方にエアロックが多数並び、それを通り抜けると一般社員用の階段二つとエレベーター一つがあり、それを登ればS1。
さらに後方のエアロックを通り、専用エレベータ(または非常階段)を登ると船長席区画のS2となってます。
一応、社長席もあります。
S0で、区画されているのはエレベータが船長専用、というだけで、ブリッジ内のS1とS2は段差はあるものの同じ室内です。
いわば地上は客室棟で、その上にブリッジが載っており、エレベーターシャフトが通路になっている構成です。
その客室棟はA1から上は段々上に行くほど、前のほうが短かくなっていきます。ブリッジからの見通しの問題もありますが、作れる限界という理由のほうが大きい気もしますね。
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分かりにくいですよね?正直、Cエリアに入るところも、CエリアからA0まで上がるのもわざと分かりずらくしています。
しかし、これを半年で組み立てますかね?実際にはユニット工法で、CTO や例の女性が清滝工場で作ったものを夜中にこっそりと神栖まで空輸してきていますし、神栖のドックの一部では開発部のメンバーが大量に来てあやしげなユニットを組みたてていますけど・・・
もう、例の重力波エンジンもそれなりに量ができるようになっているようですが、パワードスーツは、一体でエンジン一つ使っちゃいますからね。
この船を一つで駆動できるエンジンを4mのパワードスーツ一体で使うって、なんというか・・・贅沢ですよね。
でも、そんなパワードスーツがわらわらと群がり、冗談のようなスピードで船を組み上げていくのは見ていても気持ちのよいものです。
部材も派手なものは無いですが、案外豪華・・・というかいいものを使っています。
例えば、A2エリアの下士官個室的な部屋でもベッドは普通のスプリングが入ったマットです。流石に幅は80cmと控え目ですが、長さはしっかり2mあり、固い板の上にまあまあの布が敷いてあれば上等みたいなベッドからすれば天国のような仕様です。
士官部屋のベッドは95cm、A3になるとなんと一人140cmです。
それはいいのですが、ブリッジが工場に収まらなくなってしまっています。
実質6階半ありますからね・・・天井が低いとはいえ、14mくらいの高さがあります。
ええ、工場の屋根を一部改造しましたwwww。
話を戻しまして、装備的には豪華客船には負けますが、輸送船としては船員に非常に優しい設備です。
まあ、これを「輸送船」と言ってしまっていいのかは今イチ判断に苦しみますが・・・
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こちらが船舶部長の國本さんです。皆さんは今日から彼女の配下です。
私も船長ですが、組織の命令系統としては、彼女が私の上司となります。
部長、こちらの12名が新しい貴方の配下です。職階は経歴により多少の違いがありますが、一般職社員となります。こちらの大きな男性がリーダーの高城です。
高城。部長に一言。
「報告! 高城以下12名、欠員なし! 総員乗船用意、整いました!!」
「こんな近距離でそんな大声だすなーーー」
「部長、すみません、小野寺と申します。リーダー補佐的な存在です。商船丸井から転職してきましたが・・・高城は緊張すると海自の時の癖が抜けなくて・・・あとで良く言い聞かせておきますのでご容赦ください・・・」
「わかったよ・・・じゃあ、高城くん?大声出さないで、一人ずつフルネームと出自と・・・あとなんか一言よろしく。全員ね?」




