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史上最強の神殺しは転生する  作者: 天帝
一章 始まりの神殺し
8/9

八話 前世の後悔と暗躍する闇

 夢を見た。

この光景は……


『なぜだ……なんで裏切ったんだ!!』


『兄上にはわからないさ。


俺の思いなど、神々を殺して、魔王たちを殺して、人々に平和をもたらして何になるんだ?


俺は、この世には人間も神も、魔王も、何もかも必要ない。選ばれたもののみが生きるべきだ。』


 そうだ。これは俺があいつと決別した………

あの時の俺は弟のことを理解できていなかった。

 神々への恨みと憎悪のみで戦ってきて、あいつのことを見ていなかった。

兄として何もできずに、あいつを………


『がはっ!!!?』


 俺は殺してしまった。

大事だった、大切にしたかった、もっと兄弟らしいことをしたかった。

 だが、俺は王国や世界のためにという言い訳をして殺してしまった。


『はは……お前は……正真正銘の『英雄』だ。


神々を、魔王を、数多の最悪を殺すために、戦う。狂った化け物だ。』


 あいつのいう通りだった。

俺は『神々への憎悪を抱く狂った化け物』だったよ……

 俺は何もかも神を殺すことで晴らしてきた。

だから俺は『真の力』を封じた。

 神殺しのみの力だけで、アーヴァデウスを殺した。


 そして、全体的に白い光に包まれた。


「………夢か…」


 デオゼクスは起き上がる。

前世の夢を見るって何か、変な感じだ。


 神殺しを解放したせいか?俺はなんで今更アイツの………ロストの夢を見たんだ………?


「ばっかじゃねえの………今更後悔かよ……


アイツを殺したことを………」


 異世界へ行くことが決まってから前世のことを考えてしまったんだ。

バカだな俺は……過去で起きたことを俺が後悔するなんてな……


「なぁ、ミリア……ソフィア……カイン、みんな………俺はどうしたらいいんだ?」


 かつての後悔は前世で色々と行なってきた。

全てが間違えていたわけではない。正しいと思っていたから俺はやった。

 それに関しては俺は後悔をしたことはない。

だが、弟と知り合った人を助けられなかったことは話は別だ。

 弟は裏切りをする前にもっと話せばよかった、救えなかった人たちは俺がもっと立ち回れたらよかったんだ。


 俺は強くなって気になって何も救えなかった。

今は弱くなって余計にそう感じるな


 俺は少し憂鬱な気持ちになりながらも食卓に行く。

そこには父上と母上だけでなく、兄上やノアとリア二人がいた。

 全員が俺のことを心配そうに見ていた。


「ゼクス大丈夫か?」


「どこか調子が悪いの?」


「いえ、大丈夫です。少し夢見が悪かっただけですので。」


 そう話すとノアとリアが俺の袖を掴み、瞳をうるうるとさせながら見ていた。


「ゼクス兄様大丈夫?」


「リー、兄様と一緒にいるよ?」


「!?ありがとう」


 二人を見ているとロストには本当に非道なことをしてしまったのだと思ってしまう。


すると、父上が


「ゼクス、そろそろ開国祭が始まるんだが、お前に頼みたいことがあるんだ。」


「私にですか?」


「ああ、第三王女アイリス様と第二王女コスモ様と第一王女アルシア様の護衛を頼みたいんだ」


「王女様方の?」


「ああ、他にも護衛がいるんだが、それでもお前はアルフレッドと同等レベルの戦いができる。


お前なら姫様たちを守れると俺が進言したんだ。」


「それにアイリス様もお前に頼みたいとおっしゃっていた。」


 父上と兄上がそう俺にいう。

俺はどこか釈然としないながらも頷いた。



──────────────────


 王国の路地裏で開国祭の準備を眺めながら笑みを浮かべてみている謎の男性。

その男性に近づくフードの男


「おい、そこで何をしている。


貴様も仕事をしろ」


「クックック、何を言っているんだ?俺の仕事は完璧だ。


てめえこそ、アレンとアルフレッド、王女どもを殺せるのか?」


「フンッ、あの二人はわからんが、王女どもの護衛はガキ一人だ。問題ない」


「へえ、だといいね〜」


 そういって謎の男は闇の中に消えていった。

それを見ている男は舌打ちをした後、イラついた顔をしていった。


「この国を手に入れたら今度は貴様の首を取ってやる!!」


 今、五千年間の平和が消えようとしていた。



















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