六話 6年と試験
一気に時間は進み六年後です。
本当ならもう少し後からでもいいと思ったのですが、これらは番外編みたいな形で出そうと思います。
俺が転生してから更に月日が流れていった。
今の俺は12歳。
この歳になってからは剣の修練をするために魔物の森へといく頻度が増えていった。
そして、俺は誰にも悟らせるわけにはいかないため、神殺しの領域などの力を使って俺自身の力を隠蔽して更に力をつけていった。
5歳年下のノアとリアは俺に懐いてくれている。
俺は初めて神に感謝した。
俺の妹が可愛すぎるのだ!!!!
「ノア、リア何か欲しいものはあるか?なんでも買ってあげるぞ」
俺は妹たちのために冒険者になった。
かなりの手加減をしてようやく一般冒険者と同じぐらいになっている。
とはいえ、俺のことがバレているからある程度一線を画すようにしてはいるがな
それに俺は次男であり、長子である兄『アルフレッド・ヴィ・グランドシャリオス』が家督を継ぐ。
俺は兄上の補佐のような役回りになるか、家を出て王国騎士または冒険者になることが普通になるだろう。
「ノア、兄様といたい!」
「リーも!」
「お、お前たち!!」
「「きゃっ!」」
俺は思わず二人に抱きついた。
二人は驚きながらも嬉しそうに俺を抱きしめ返す。
その光景を見ていたメイドと執事たちは微笑ましそうに見ていた。
すると
「何やっているんだ?デオゼクス」
「あ、兄上!?お帰りになっておられていたのですか?」
俺は呆れたような表情を浮かべている我が兄『アルフレッド』を見て驚いてしまった。
アルフレッドは若干19歳にして王国騎士団最強と謳われており、我が国だけでなく、その他の国の牽制のために騎士団長である父上と共に陛下の護衛を任されているはずなのだが……
そんな俺の感情など読んでいるかのように兄上は俺に説明してくれた。
「父上にお前の力を見てこいって言われてな
俺的にはお前の実力はすでに並の騎士のレベルを超えていると思っているんだが、父上の騎士団長だ。
身内贔屓と言われてもしょうがないと思っているんだろう
だからこそ、多忙でお前の実力をあまりわかっていない俺が派遣され、更に監視役として騎士数名がついてきたわけだ。」
兄上の実力は全盛期の俺に匹敵かそれ以上だ。
だが、兄上は慧眼は流石だな……あまり会っていないのに、俺の実力をすでに理解している………
まあ、父上もそうなんだが、身内贔屓となってしまっては申し訳ないから、兄上と父上はこう言ったふうにしたのだろう。
「ノアとリアはお部屋で遊んでおいで、俺は兄上と試験があるからさ」
「わかりました!」
「ゼクス兄様、アルフ兄様頑張ってください!」
…………今の俺なら、アーヴァデウスを簡単に殺せるかもしれない。
ちなみにだが、俺はシスコンではない。ただ妹の可愛さに抗えないだけだっっ!!!
「俺の妹はこんなにも可愛かったのか……よし、誕生日にはドレスなどを買ってこよう。
土産は……菓子か?」
などと俺と兄上は妹の可愛さを受けながら訓練場に入っていった。
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場所はグランドシャリオス家最高峰の訓練場。
全体を強力な結界で覆い、屋敷への干渉を防ぐだけでなく、兄上と父上が本気になっても壊れることがなかった試験場としての役割を持っている。
そして、俺は剣を抜き、兄上を見る。
兄上は腰につけている剣を持つことなく、木刀を持っていた。
これには俺でもイラっときた。
認められているが、俺では兄上に勝つことなどできないと言われているようだった。
そう考えていると、一人の騎士が出てきた。
「それではこれより、試験を開始する!!」
これから俺と兄上の試験が始まる。
いいところで終わってますが、区切り的にはいいかなぁっと思いましてこうなりました。
次回は兄上との戦いです!
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