五話 スキルと世界王
俺は姫様たちを教会まで連れていく。
その中、馬車の窓口から顔を出すアイリス様。
「デオゼクス様はなぜこの森の中に入っているのですか?」
「俺は本日からスキルを得たため、その力を使いこなせるようにするためにこの森の中にいたのです。」
「先ほどの結界もスキルなのですか?」
「はい…」
まあ、ただの結界じゃなくて神に対する特攻が付与された神よりも上の存在アーヴァデウス以外の全ての攻撃を無効化させるものだけどな………
現代じゃすでに神殺しというのは必要ないから言う必要ないも無いから言わないが……
「素晴らしいですね……これなら……」
「どうされましたか?」
最後の方は小さくて何も聞こえなかったがまあいいか
森を通過すると、父上が領土としている街『シャリオス』に近づく。
そして、教会まで護衛という約束のため、移動を一緒にする。
移動の際、俺は俺の持つ力と今の時代のことについて整理をしていた。
前世にて使っていた『神魔聖王剣アポカリプス』は現在行方不明らしい。
俺の死後、剣が意思を持ったかのように消えたらしいとまことしやかに噂されている。
だが、それ以外にもわかっていることがある。
神殺しを成した俺以外のメンバーは俺の処刑後に国を出たらしい。
理由は俺の処刑とされ、俺の無罪を主張とその証拠の提示をしたらしい。
しかし、証拠は全て偽物、何よりも俺がどれだけ人々を愛していたかを提示する物ばかりが発見されていったのだ。
俺が処刑されたのは王を含めた全ての人間たちに幻影魔法を使って隠蔽していたからであり、俺の処刑を確実にするためだったらしい。
まあ、そのあとは言うまでもない。その貴族共は処刑され、俺へと贖罪のために歴史書には俺を讃えるものが多く存在している。
と言っても俺には関係ないことだ。
俺を殺すことで平和を完全にしたいと言う気持ちは理解できる。
神殺しを成した俺が新たな脅威にならない理由を見つけない方が難しいのだから。
そして、俺の未知数の力だが、あれらは『原初の神殺し』を使いこなしてからでも遅くはない。
やってみてわかったのは『神以上以外の特攻と完全無力化』、『神に対して必殺』と言う物だ。
前世での能力は『神殺し以上は滅殺と無力化』だけだった。
スキルになって弱体化しているかと思っていたが……
まるで強化されたような感じだったな……
そう考えていると
「姫様方、お着きになりました。
私はこれで……」
そう言って俺はこの場から去っていった。
そして、俺は気が付かなかった。
姫様が俺に何かを言っていたことを
「デオゼクス様。貴方様が予言に伝えられる『神殺しの再来』なのかもしれないですね…
ですが、この時代にいる『王』は神よりも遥かに強い物です。
………けど、大丈夫ですよね。ねえ『ゼロ』」
────────────
異次元空間の中のような場所。
その場所で玉座に座る謎の存在
『フハハ……神殺しの力を感じたぞ』
「それは本当ですか!?」
『一瞬だけだったがな。調査に迎え』
「ハッ!!超越世界王アポカリュプス様!!!」
今、俺の知らない場所で何かが動き出していた。