二話 デオゼクスと懐かしい気配
俺が転生して五年の月日が経っていた。
いや、マジでこれが一番嬉しく感じるとは思わなかったぜ……
幼児だと乳を飲むという行為をしなけらばならない。
『普通』の赤子ならばためらいがないのだろうが、なんせ俺は30歳越えの男が女の乳を飲むなど屈辱と羞恥で一杯だった………
しかも俺よりも年下だったからなぁ……
「ゼクス、どこにいるの?」
「は、母上!?」
そうだ、今更だが、俺の名前は『デオゼクス・セロ・グランドシャリオス』という
かつて『グラン一族』と言われる前世でいた王家に連なる王族の末裔であり、現王家の直属の騎士の名家らしい。
そして、白髪の美女の名前は『エルシャリア・ラ・グランドシャリオス』。
魔法の腕は前世で知る限り、俺と共に神々と戦っていた『ミリア・ヴィ・グランディウス』と『ソフィア・アルカディア』しか知らない。
そう考えていると
「おーい、二人ともここにいたのか!」
「ち、父上!?」
父の名前『アレン・ヴィ・グランドシャリオス』
神聖ドラグレディシオン王国王国騎士団『零騎士団長』であり現在最強の騎士と謳われているほどの腕前である。
かつての俺の仲間である『レイジ・クェイサー』、『カイン・ルシファー』に匹敵するレベルの腕前だと俺は思っている。
そして、時々思う。
俺は死んだ。あの時、俺は貴族たちの手によって処刑された。
死んだ俺が幸せを得ていいのだろうかと思ってしまう。
レイジ、カイン、ミリア、ソフィア……神殺し部隊『ラスト・アポカリュプス』のみんな………
「ゼクス」
「!?な、なに?」
「お前、たまに悲しそうな顔をするよな?何かあったのか?」
!?父上はすごいな……
俺はポーカーフェイスには自信があったんだけどなぁ……
精神が肉体に引っ張られているのか?と呑気に考えていると
頭に何かが置かれている。
それは母上の手だった。
「大丈夫よデオゼクス……私が守ってあげるからね」
そう言って撫でられる感覚はとても懐かしく、そして俺が失ってしまったものだった。
そして、より決意を固める。
かつて全ての人生を神殺しをするためだけに費やした。
「(今度こそ守ってみせる。家族を……!!)」
そう言ってデオゼクスは決意をあらわにした。
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デオゼクス・セロ・グランドシャリオス
年齢:5歳
種族:人間(?)
スキル:原初の神殺し・始全終・超越世界神
全ステータス:Error
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〜神聖ドラグレディシオン王国〜
城の中、そこで一人のプラチナブロンドの長い髪に金色の瞳と銀色の瞳のオッドアイの瞳が特徴的な5歳ぐらいの少女がいた。
「………」
「アイリス様、どうされたのですか?」
「いいえ…なんでもないですよ
ただなぜだか懐かしい感じがしたんです。」
メイドにそう話し、美しい笑顔を浮かべて話をしていた。