交錯
おぎゃあ~!! ふぎゃあ~!!
~エミールのメンバー、オムツ一丁の男~
「それで、コイツ等はどないするん? 始末するんか? 閉じ込めておくんか? 」。
センコーがそう問いかけると、エスティーは微笑を浮かべながら口を開いた。
「ああ、今回の話のメインになるわけだが...ノンスタンスを我が組織エミールの傘下に置く事を決定した」。
「...っっ!? 」。
メンバー達の間に緊張が走る中、エスティーは淡々と話を続けた。
「リーダーのデイ君とライダー君はAクラスメンバーとして組織内で活動してもらう。それ以外のノンスタンスメンバーはCクラスだ」。
「ちょっ!! ちょっとぉっ!! そんなの納得できませんよっ!! 我々と敵対しているノンスタンスを組織に加えるなんて考えられませんっ!! 」。
カワマタは不満げな様子で椅子から立ち上がった。
「だ、だだだだだから僕もさっき反対したんですよっ!! こんな事は僕に限らずメンバー全員も納得するはずがないじゃないですかっ!! 」。
コバも必死な形相でエスティーにそう反論した。
「まぁ、そうエキサイトするな。他のメンバーには後日に俺が直接伝えるから」。
エスティーが素っ気なくそう答えると、カワマタは納得していない様子で首を強く横に振った。
「しかし、エスティー様だっておっしゃられてたじゃないですかっ!! ポンズ王国内での大きな取引をノンスタンスに妨害されてポシャッた際に、『あのゴミ共、全員ぶっ殺してやるッッ!! 』って!! 」。
カワマタの言葉を聞いたエスティーは両目を閉じてゆっくりと口を開いた。
「正直、そう言った自分自身に心底嫌気が差すよ。その程度の器量ではエミールのボスはやっていけないよな...」。
エスティーは自嘲気味に笑いながら話を続けた。
「だが、デイ君やライダー君と面と向かい合って話してみて改めて気付かされたんだ。その王国の件や今回の件といい、お互いの誤解によって起きてしまった事であったんだ。そう、ノンスタンスも当初は我々や利害関係者を陥れるつもりで騒動を起こした事ではなかったんだ。ボスであるこの俺もその件に関しては納得しているし、君達にもしっかりと事情を説明できる自信がある。勿論、そうすべき責任があると自覚している」。
「...失礼します」。
コバとカワマタは不快感を露わにした様子でうつむいたまま、そう言い残して食堂から去っていった。
「...」。
エスティーは呼び止める事もなく、神妙な面持ちで去っていく二人の背中をただ見つめていた。




