姿を現した二人
ええ、組織での役割は魔獣の生態とかの研究ですね。
山脈内の魔獣達は恐ろしいですからね~。
常にデータは必要なんですよ~。
~エミールのメンバー、カワマタ~
「俺は別件でその場にいなかったが、その侵入者はかなり手練れの魔法使いだったみたいやな。ウェーブや他にも有能なメンバーが多数いたのに、たった一人でこの場を打開して逃亡に成功したと聞いたわ。一筋縄ではいかん奴だったらしいな」。
センコーがそう言うと、エスティーは小さく頷いた。
「ああ、金色の長髪で無精髭、一八〇くらいの長身の男で茶色のスーツを着ていたらしいな。その男は諸国の依頼で派遣された情報屋であるという情報がこちらに届いてる」。
「その情報屋が何でエミールに侵入したんでしょうか? 」。
シゲは小首をかしげながらエスティーに問いかけた。
「話によれば諸国にいた人間とメンバーが交渉した際、その情報屋が“サイレンス”を使って後を付けていたとメンバーが話していたそうだ。何故、その情報屋がエミールのテリトリーに侵入したかは分からないが、諸国がエミールの現状を調査したいがためにその情報屋に依頼した可能性はある。いずれにせよ、あのような事態が起きた以上はテリトリーの防衛強化を急ピッチで進める必要がある。ゆえに、部隊を離れているウェーブには一刻も早く現場に戻ってもらう必要があるんだ」。
「ノンスタンスが我々に強襲を仕掛けた件もあるしな。アイツ等もまだ山脈付近をうろちょろしとるはずや」。
センコーはエスティーにそう相槌を打った。
「その情報屋も始末しなければいけないですが、ノンスタンスは早く始末しなければいけませんね。エミールもそうですが、山脈にいる各組織もテリトリーを荒らされて実害を受けています。同盟を組んでいる組織と共にノンスタンスを潰さなければ組織の弱体化や山脈内の治安悪化に繋がります。それこそ、我々の目標である“アルマンダイト”討伐が遠のく一方ですよ」。
カワマタはそう意見を述べてた時、コバは困惑した表情を一層浮かべて椅子から立ち上がった。
「そ、そそそそれこそっ!! さ、先程のノノノノノノノンスタンスの話ですよっ!! エスティー様っ!! ノ、ノノノノノノノンスタンスの奴等にっ!! あ、あああああああんな...っ!! 」。
コバが狼狽しながらそう口を開いた時、エスティーはそれを片手で制しながら立ち上がった。
「いつまでも待たせるわけにはいかないな...。実は君達に会わせたい人達がいるんだ」。
「会わせたい人...? 」。
カワマタが眉をひそめてそう聞き返すと、エスティーは小さく頷いた。
「ああ、そうだ。彼等を通してくれ」。
エスティが側に立っている付き人にそう告げると、その者達はすぐさまその場から去っていった。
しばらくして、数人のメンバー達が二人の男達を引き連れて再び姿を現した。
「...っっ!! 」。
センコーやSクラスのメンバー達(オムツ一丁の男以外)はその二人の男達を見て顔を強張らせた。
一人はアシンメトリーの真っ赤なショートヘアーに褐色の肌をした男。
不敵な笑みを浮かべたその男の瞳の奥は、まるで炎の様な真っ赤な輝きを放っていた。
もう一人の男は紺色のロングヘアー、瑠璃色の瞳からは冷たく鋭い眼光を放っていた。




