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おもしろ店長たち

作者: はやはや

 近所にある服屋さんは見ているだけでうきうきするようなラインナップを揃えている。ある日、ウィンドー越しに黒色の履きやすそうな靴を見つけた。時刻は午前十時前。まだ店はオープンしておらず、今日の用事を全て済ませてから買いにこようと決めた。


 そして同日。夕方の四時過ぎに再度店に行き、迷うことなくお目当ての靴を手にした。店内には先客がいて店長の女性はそちらの対応をしていた。その隙を狙って


「これ、履いてみていいですか?」


 と店長に尋ねた。すると「どうぞ、どうぞ!」とよく通る声で営業スマイルを返された。先客はどうやら試着室に入ったようだ。店長が「サイズどうですかね?」と言いながら靴の爪先を押し、「うん。ちょうどいい感じ」「履きやすいでしょう。靴は履きやすいに限りますからね」と言ったので、「これ買います」と即決(というより買うこと前提だったが)した。


 レジで支払いをする時に


「今朝、あの窓越しにこの靴見て欲しいなって思ったんですよね」


 と話しかけてみた。すると店長は「え? あの細い窓からですか!」と言って爆笑した。何がそんなに面白かったのだろう。謎だ。


 そうこうしていると試着室から先客が出てきた。水色のブラウスワンピースを着ていた。店長は私の対応をしながらすかさず「かわいっっ!」と営業スマイルで叫んだ。「めっちゃ声デカかったですよね!」と笑う。忙しい人だな……とくすりと笑ってしまう。


 その帰りコンビニに寄った。

 レジにいる男性に商品のグラタンを差し出すとピッとバーコードを翳したのち


「温めは? これはフォーク?」


 とフランクに聞かれた。学校の先生が生徒に話しかけるような感じだ。


「や、温めはいいです。スプーンが欲しいです」と言うと


「お、スプーンか」


 と言ってスプーンとお手拭きをつけてくれた。もしかして外国の方かな? と思って名札を見ると日本人の苗字の上に店長と書いてあった。フレンドリーな店長。いいな。

 お釣りを渡す時も「はい。465円」と手のひらに硬貨を並べて見せてから手渡された。おつかいにきた子どもに対応するような感じ。


 なんか数十分の間におもしろい店長に二人も出会った。いい日なのかもしれない。

読んでいただき、ありがとうございました。

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