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君と見た世界で  作者: 古川
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1話

2021年9月17日

とある満月の日、新倉紗結は上司に押し付けられた仕事をこなし、帰路を辿っていた。いつもと変わらない日常。でもこれが彼女の夢なのだ。簡単に諦める訳にはいかない。 "「紗結は凄いな!」"

突如彼女の脳内で幼い日に交わした会話が蘇る。いつ頃の記憶だっただろうか。 「久しぶりに会いたいな。」思わず彼女の口からぽろっと言葉が漏れる。その時一つの事を思い出した。

そして帰路とは反対方向に歩き始めた。帰るついでに思い出した場所へ行ってみることにしたのだ。東武伊勢崎線に乗り北千住から姫宮まで一直線で向かった。もう既に時刻は午後の8時を過ぎている。労働の疲労で身体もとっくに限界だ。しかし、

彼女の足は疲労を感じさせない勢いである場所へ向かっていた。姫宮の駅を降り、スーパーの前を通り、その先にある住宅地へ向かう。そして彼女の足は止まった。目的地に着いたのだ。その目的地とは、住宅地の中にある、小高い丘のある公園だ。遊具も数える程しかなく、その遊具も錆び付いてしまっているのが殆ど。「変わってないな」と呟く。そしてその時満月の月に掛かっていた雲が晴れ月の光が小高い丘を照らした。その時、紗結は信じられないものを見た。丘の上に一人の男が立っている。その男は夜空を見上げていた。しかし、紗結にはその姿に見覚えがあった。最後に会ったのは中学校の時以来だったが紗結には確信に近いものがあった。いつも私と一緒に居てくれた人。いつも笑顔で私の話を聴いてくれた人。今日ここに来るきっかけをくれた人。

「千翼くん?」

彼が振り返る。紗結の視線と交差する。状況を理解したのか、

彼の顔が困惑した表情から嬉しいような悲しいような表情に

変わる。

「その通り」

と一言呟いた。

これが紗結の全ての運命を変える再開となった。


2023年9月17日

ピッピッピッ ピッピッピッ

・・・うるさい。とにかくうるさい。寝起きが悪い時はアラーム音がとにかくうるさく感じる。もうしばらく寝ていたい。でも

あまりにうるさいのでアラームを止めるために手を伸ばす。しかしそこであえて少し遠くにスマホがある事を思い出した。起きられるようにするためだ。前に会社に遅刻しかけた事があるので対策しているのだ。アラームを止めるためにベッドから出てアラームを止める。しかし今日は日曜日。別に二度寝しても良いのだが、今日はやることがあるので二度寝なんてしていられないのだ。寝室を出て長い髪をまとめリビングで昨日作り置きしていたカレーをよそって食べる。食事を終えた後、身支度を整え家を出た。時刻は午前9時を少し過ぎたあたり。目的地は姫宮だ。40分程掛けて姫宮へと向かう。かつての同級生と会う約束をしているのだ。姫宮に着くとそこには中学時代の親友、水原彩夏が待っていた。「久しぶり!紗結!」「そっちこそ、彩夏!」今日の目的地は母校の前原中学校なのだが、姫宮駅から少し遠いので車を持っている彩夏に車を出してもらうことにしたのだ。「最近どう?」彩夏からお馴染みの質問をされる。「特に変わりないよ」「あの時以降連絡無かったから少し心配してたんだよ?」「それはごめん」少し大袈裟に手を合わせて謝る。そうこう話しているうちに前原中学校に到着し、懐かしいメンツと再開した。その中でクラスメイトの白浜結衣からに「手術大丈夫だった?」と聞かれたが両腕を力こぶを作る

ポーズにして「だいじょーぶ!!!」と元気よく答えた。

紗結たちが三年生の時過ごした教師にて最近あったことや当時の担任の先生なんかが集まってわいわい話したあと集まったメンバー全員でとある場所へ向かった。その場所とは学校の近場にある墓場だ。そこにある『新井家之墓』という墓石の前に集まった。全員がお参りをし、いよいよ最後の紗結と彩夏の番が回ってきた。二人が手を合わせると隣から彩夏が「あいつ今どうしてるかな」と呟いた。それに紗結は胸に手を当てて「千翼は今私と一緒なんだから大丈夫だよ」と答えた。その時頷くように心臓が鼓動を打った。

新井千翼はもう亡くなっているのである。





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