常識とは、18歳までに身につけた 偏見のコレクションでしかない
無事にパスポートを入手した俺は、空港で飛行機を待っていた。どこ見れば良いとか、どこで待てば良いとか、全く分からないけど、なんとかなってる。コミュ力はあるからね。道行く人に聞きまくっています。
初めて来たよ、空港。ガラスが広くて田舎者は落ち着かねぇだ。
スキル《第六感》持ちのプレイヤーから爆炎されないかドキドキしたけど、まあそんな事起きないよね。
今は世界中でテロが起きてるから、観光客が少ないらしい。
さっき、「何しにニューヨークへ?」と日本語で聞かれたんだけど、焦って英語で「サイトシング」と言って恥じかきました。旅の恥はかき捨てなのでノーダメージです。
今人外な災害、テロのようなものが起きてニュースになっているのが、爆発の日本、隕石のカナダ、森林化して土砂崩れしたアメリカ、ガスのオーストラリア、なぜか雨がやまないサハラ砂漠、巨大化した動物カーニバル南アフリカ。
これらが有名かな。
確実にプレイヤーがいるといえるのが、日本は俺と爆炎の2人いるとして、カナダに1人、アメリカ1人、オーストラリア1人、サハラ砂漠ら辺に1人、南アフリカに1人。合計7人の居場所は確定している。
水面下でまだたくさんテロが起こってそうだけど。
これから行くニューヨークに、プレイヤーいるかわからないけど、人多いからいるでしょ。と勝手に思っている。
実際にアメリカで災害が起こっているのがボストンらしい。都市が森林化したんだって。ジャングルみたいになって土砂で埋まっている上空写真がたくさんあった。まあ、ニューヨークから近いんで観光してみようかな。興味あるし。
ニューヨーク行きの便の準備が整ったらしい。
さて、人生初のフライト行ってくるぜ!
☆☆☆
無事、ニューヨークについた。
いや〜飛行機の時間長かったね。上空から見る都市はでっかいし、ビルがずっと続いている景色を見て驚いたよ。
降りると広い空港。もっと人混みかと思ったら、そうでも無い。日本の方が人口少ないのにこっちより人密集しているのは何でだろうね。
空港から出ると、近くの商店へ行き、仮面を買った。テロ対策の為だね。それに、日本の仮面持ってるけど、違う国の仮面とか良くない?欲しくない?カバンに入れるフリをして、収納箱にしまっておく。ちなみに荷物や非常食等、収納箱に入ってある。ちゃんと用意周到ですよ。
売店を探していると、友人の啓介から電話がかかってきた。
──
友人「おっす」
俺「おっす」
友人「なんかラグくね?お前ん家田舎だけどここまでとは」
俺「今ニューヨークいるんだよ」
友人「俺より都会じゃねぇか。で、何してんの」
俺「ニューヨークでサイトシング」
友人「……は?なんで」
俺「ノリ」
友人「変だと思っていたけどここまでとは」
俺「おい、それはどういう事だ?お土産要らないんだな?」
友人「まぁ、そういわないでくださいよ!よっ!大将!常識人!」
俺「……それでなんか用?」
友人「なんかね、俺の妹がお前に会いたいんだって理由は知らない」
俺「え、話した記憶ほぼ無いんですが」
友人「だよな。手出してみろぶっころす」
俺「お前ほどのシスコン中々いないぞ」
友人「家族愛だバカヤロー」
俺「それで、要件はそれだけ?」
友人「元々見せたいものがあったのと、妹の真奈がお前に会いたがってたなぜかフザケンナヨ?ま日本に帰ってきたらでいいよ」
俺「怖い怖い。はいよまたね」
友人「またな」
──
シスコンから急に電話きた。何だったんだろうか。真奈ちゃんは常識人だったはず。まあ、日本帰ってから連絡取るか。あー恐ろしかった。
その後、自由気ままに散策した。観光を楽しんだ。美味しいご飯をたくさん食べた。オイスターバー最高でした。
そして俺は今、都市のど真ん中にいる。それなのにプレイヤーに襲われる気がしない。
な、なぜだ!何故こうも平和なのだ!ひとりくらい出てきても良いだろう!俺以外のプレイヤーみんなテロ思考だと思っていたんだけどそうじゃないのかな?《第六感》持ってない感じ?
ここに来た理由が、プレイヤーの抹殺なので、まあなんて言うんだ。やる事がない。
んー、暇だし何しよっかな。
いつになったらプレイヤー来るんだろ。
何をしようか考えていたら天才的な閃きをした。
そうじゃん。目立てばいいじゃん手っ取り早いじゃないの。そしたらプレイヤー来るんじゃね?
旅先ってテンション上がるよね。いつもできないことをできる無敵な気持ち。
相手がどんなスキルを使うのか分からないけど、逃げるのは自信あるんだよね。
さて、一度やって見たかったサーカスショーやっちゃうか!
でも顔バレしたくないから仮面被ってと。
大きな拍手をして注目を浴びる。
よってらっしゃい見てらっしゃい。ところで欧米の紳士淑女たちよ。日本の仮面……ひょっとこ を、知ってるかい?
仮面から、不敵な笑みがこぼれた。
そう、俺は踊り出した。それも、空中をふらふらと漂いながら。仮面かぶってると恥ずかしくないんだよね。
「皆さ〜ん!凄いでしょ〜?あそ〜れ〜」
まるでどじょうすくいのように踊る!踊る!野次馬が集まってきた。
種明かしをすると、俺に干渉する地球との引力の一部である、重力だけを全て遮断した。つまり宇宙空間での無重力状態のような感じ。空飛べてるようだけど、一方方向に引力を持たせて移動するしかできないからね。とても飛んでるとは言えないから浮いてる、が妥当な表現かな。
「HAHAHA!」
「いいぞー!もっとやれー!!」
「お前最高だよー!!」
海外のパリピ共がウェイしてやがる。仕方ないからサービス。
収納箱からペットボトルを取りだし中身を浮かせる!水玉が空中で踊り、場を大いに盛り上げた。
しかしプレイヤーは現れない。そう、選ばれたのは、ポリスでした。
「おいそこのお前!降りてこい!撃つぞ!」
一斉に銃を向けてきた。野次馬が散っていく。何故だ。ノリの良い米国ではポリスも踊ってくれるもんだと思ってたのに。
「なにゆえ銃向ける!我何もしておらぬでござる!」
本当に撃ってきそうだったので、引力をゆっくりと戻し、着地する。
ひょっとこの仮面かぶってると声に勇気が出るね。
「仮面を取って地面に伏せろ」
それは無理っすよ。顔バレちゃうもん。
「嫌です」
──バンッ!!
天に向けて発砲した。
い、威嚇射撃しやがった!!怖!
「仮面を取れ、次は無い。その不思議な力で抵抗したと判断したら、撃ち殺す」
ひいいいい!!スキルの存在バレてるんだけど!?だからこんなに警戒してるのか!
「わ、わかりましたよ」
逃げることも多分できるけど、銃向けられると超怖い。それにこの人達から情報が欲しい。だって、初めてだもん。俺以外でスキルについて知ってそうな人。
顔は、まあ、変顔すれば良いんじゃね?
仮面を取った。変顔全力でした。
「おい、お前仮面の下に特殊メイクしてたのか?」
「え?そんな顔酷い?変顔してるだけなんだけど」
酷い言われようだ。思わず真顔で返す。
「とりあえず署まで連行する。変な気は起こすなよ」
そういわれて、俺はパトカーに乗った。強制的に。日本と違ってパトカーまで檻のような感じなんですが。
初めての海外、景色見てご飯食べてなまじ音頭を取っていたらドナドナされてます。到着してから数時間しか経っていません。
至って真面目で常識的な事しかしてないんだけどな。この人たちは神経質だなぁ。どうみたって俺は善人だろ?
やっぱこのポリス達が常識ないんだよな。だってかの有名なアインシュタインは言ったもん。常識とは、18歳までに身につけた偏見のコレクションでしかない。ってね!教養がなってないんだろうか。
ニューヨークの街並みを楽しんでいたら、バックミラーに写っている自分の顔が、ひょっとこになっていた事に気がついた。
「……え、え?」
どういう事でしょうか。特殊メイクなんてしていないんですが。おっかしいな。ずっとこのままとか水飲めないんですけど。
はっ!さてはプレイヤーの仕業か!人の顔を変化させるスキルだな!
運転席の男がめっちゃ見てくる。睨まれたんだが。お前プレイヤーじゃないよな?
いや、俺の顔が変だからか。
……あっ、もしかして。
オリジナルスキルの、《変人》の効果?
モノリスを開いて説明をみた。
──
名前:タキ オサム (21)
種族:人間 変人
七秘宝
・運命の秘宝〈ーーーー〉
オリジナルスキル
・変人(固定)
・引力操作(固定)
スキル
・収納箱
・進化
・可能性
──
オリジナルスキル《変人》
【変人が人として変形する】
──
説明の表示が追加されていた。
この前までは【人として変】だったのに、効果が変わったってことかな?なんでだ?もしかして爆炎殺した経験値とか?
人として という事は、人としてなら変身できるとか!?人型なら羽生やして飛べます的な?
うわー!実験したい!爆死スキルじゃ無かったのか!
でも待って、変人がって何?
俺常識人じゃん。パトカー従って乗ってるし!パスポート使って海外に来たし!踊りもみんな宴会でやるでしょ?常識人じゃん!!
何が素質ランダムだよ。常識人だっつーの!
オリジナルスキル《常識》持ってるやついないかな。殴らせて欲しいわ。
そして、オリジナルスキル《引力操作》の説明も変わっていた。
パトカー暇なので、今後の戦い方や逃走手段を考えていると、手錠をはずせるんじゃないだろうかと思えてきた。右手首を細い棒に変えるイメージをしてみる。すると簡単に手錠が取れた。
「うおっほー!なぜなぜ??すげー棒だ!」
右手が棒になっていた。驚いたよ。伸びそうだよね。あ、運転席のポリスメンめっちゃ見てくるじゃん。すぐに右手戻したよ。
「!?おい!お前手錠どうやって解いた!」
──ゥゥウファンファンファンファンーーーッ!!!
サイレンが鳴り、パトカーが停止すると、周りを数台のパトカーが囲んで銃を向けてきた。
「ひい!動かないよ!ほら、手錠もついてるよ!」
また手を棒にして、手錠をつけて元に戻す。必死に手錠に繋がれてますアピールをした。誤解を解いたつもり。いや誤解じゃないけども。
oh、手錠がふたつに増えた。なぜだ。
またパトカーは署に向けて動き出す。
「おい、お前疲れてんじゃないのか?」
「いや、確かに見たんだ。こいつの手錠が外れているのを……おかしいな」
助っ席のナイスガイが同僚ポリスメンを慰めてる。なんか悪いことした気分だな。
可哀想だし次は分かりやすいようにしてやるか。
指を鍵の形にして、両手の手錠を取った。
それを柵から差し出す。
「ごめんね、ポリスメン。君は疲れて見間違いしたんじゃないんだ。ほら、手錠取れてるだろ?これあげるよ。だからそんな顔すんなって。仕事だもんな。わかるよ。お疲れ様」
──ゥゥウファンファンファンファンーーーッ!!!
パトカーが急停止した。
oh(´・ω・`)...
読んでくれてありがとう。
本作品は主人公が世界旅行します。英語とか他の言語に頭使うと面倒なので、全て日本語でいきます。
私は物語に生ずる矛盾が嫌いなので、言語について違和感を感じています。
強引ですが、書籍化したら改めて考え直します。(するわけない)
毎週金曜、何話かまとめて投稿します。