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客観は主観の集合体なら、現実はみんなの夢の集合体

 


 どうやら俺は、裏山の木々生い茂る中、日向で仰向けになって寝ていたらしい。


「ふわっ、ハワッ!?」


 俺は夢でも見ていたのだろうか。ここでひとつ、目覚めの一句。


「偉い人は言った。客観は主観の集合体だと。なら俺たちが生きる現実は、みんなの夢の集合体じゃねぇか!」


 太陽に向かって吠えたら視界が焼けた。眩しっ!?どんなトラップなんだよ。焼けたわ。いや俺元々肌真っ黒だし焼けてるか。


 手足を動かしてみる。違和感はない。

 さっきのは、夢だと思えない。夢は現実になる。そう俺は信じてる。


「秘宝ねぇ、お宝か……どんな骨董品なんだろう」


 ワクワクが止まらねぇ。信じる方がおかしいって?君はロマンをどこかに置いてきたようだな。


 俺は秘密基地に向かって歩く。

 正直秘宝なんて言われたら、興味めっちゃある。何故かって?俺は生粋のアイテムコレクターだからだ。地球に50個しかない秘宝、スーパーロマンじゃねぇか。


 そう言えばどうやって見つけるんだ?化石とか、でっかいダイヤモンドとかだろうか。誰かが持ってるとかなら買わないといけないし、そしたらお金がいるもんな。


 正夢だったら嬉しいけど、ペナルティが存在するとかリアルすぎだろ成果報酬とかで良いじゃねえか。


 けもの道や目印すらない道を逝き、秘密基地についた。外からわからない見た目をしてるのがポイントだ。

 中は石や木材でコーティング雨風凌げる本格的秘密基地6年前から作り今も昔もこれからも改良してくぜマイロマン!そして俺のコレクションが、


「こいつらだっ!」


 洞窟の中の側面に、そっと立てかけた木の板を外すと、ほふく前進で進めるほどの穴がある。しっかり木材で補強されており、その先にちょっとした広い空間と、いつもの光景が現れた。

 荒らされていないのをみてほっとする。並列に並ぶ骨董品。芸術品、誰が何言おうが俺にとっては価値あるものだ。


「……ん?元年石、なんか違和感があるな」


 こいつは元年に俺が川で拾ったダイヤモンドカット風の所々透けている石。レアっぽいので元年石って勝手に呼んでる。コレクションに並べている不思議な石なんだけど。

 手に取ると、元年石からさっきの太陽より眩しい光が強烈に爆発した。


「ふわっひぃひふぁあああ!?」


 目がァ!!あ、ん?いや、そんな眩しくない?

 あれ、元年石が、透明になって浮いてる!?


 目の前にモノリスが現れた。


 ──


【《運命の秘宝》を発見しました】


 ──


 ……へ?




 ☆☆☆



 落ち着け俺、まさかモノリスの夢が正夢だったとは……。名台詞言っときながらいうのはアレですが、夢が現実になったのは初体験です。

 あのステータスも表示されてるよ。


 ──

 名前:タキ オサム (21)


 種族:人間


 オリジナルスキル

 ・変人(固定)

 ・引力操作(固定)


 スキル

 ・収納箱

 ・進化

 ・可能性


 ──


「ということは、このスキルも使えるってことか?」


 起きてしまったんだから、信じるしかない。収納箱をイメージしてみた。


「入れっ!、おお!消えた」


 目の前の俺のコレクション狐の仮面(骨董品)を収納箱に入れてみた。


 ─収納箱─


 狐の仮面


 ──


 ちゃんとモノリスに表示されてるね、取り出せも、するか。


 まあ、スキルの検証は後ででいいんだよ。いや、後ででは良くないけどさ。

 え、秘宝見つけちゃったよ。てか持ってたよ。


【《運命の秘宝》七秘宝の一つ。運命を司る秘宝。秘めし力は運命を造り、運命を変え、運命を断つ。所有者になりますか?Yes/No】


 ツッコミが追いつかないなぁ。七秘宝だって興奮してきた。所有者になりますかって、なるよなるよ!Yes!


【所有者になりました。恩恵を得ます。失敗しました】


 ──

 名前:タキ オサム (21)


 種族:人間


 七秘宝

 ・運命の秘宝〈lock〉


 オリジナルスキル

 ・変人(固定)

 ・引力操作(固定)


 スキル

 ・収納箱

 ・進化

 ・可能性


 ──


 またツッコミたい所増えたわ。

 秘宝集めると恩恵が貰えるんか。でも貰えなかったんだけど。なんでなん。


 《運命の秘宝》は小さな光となり、胸に吸い込まれていった。手のひらを上に向けてイメージすると、透明の光と共に《運命の秘宝》が出てきた。

 間接照明ゲットだぜ。うわ、光反射して……すごくロマンチック。やばい鼻血でそう。


 まさかこんなに早く秘宝を見つけることができたなんて……世界に50個しかないんでしょ?

 みwなwぎwっwてwきwたwww


 他にも見つけたい。だから、やるべき事がたくさんある。まず、スキルの確認だ。


「よし、引力操作やるか」


 俺の本命、《引力操作》。チート感が凄いよね、引力って。意味は物体が互いに引き寄せ合う力のこと。


 俺が知っている知識だと……存在する万物は、全ての物に対して引力を有している。つまり、どんな小さな石でも、砂粒でも引力を有している。が、引力を感じる事はない。質量が増すほど引力は増える。人間が観測する引力といえば、地球の引力である。


 そもそも重力とは、質量が膨大の地球が有する引力から、地球の自転による遠心力を引いたもの。


 つまり、《引力操作》はスキルボードを選択した際にあった《重力操作》の完全上位互換だと俺は考えている。


 手をコレクションの研磨石に向けた。引き寄せるイメージをする。


「引力操作ッ!!」


 動かぬ。何故だ。


 もしかしてこれも爆死でした?


 モノリスをタップして説明を表示した。


 ──

 オリジナルスキル《引力操作》

【触れた万物の引力関係を操作する】


 ──


 なんだって!触れる事が条件でしたか。

 石を触って、放り投げると再び叫ぶ。


「引力操作ッ!!!!」


 すると、ゆっくりと手に収まった。

 おお〜〜!感動ファンタジーサイコキネシスゥ!


 ここで不思議なことがひとつ。手の質量は変わってない。


 引力を操作する。それは質量を操作するという事ではないのか。いや、ただ質量を操作するだけなら、引力操作が意味を無くす。


 つまり、引力を、自分という物 と 相手という物 その全てに対する引力関係を操作する。


 これは……アンチ物理学ですね。考えても理由がわかりません。すみませんでした。絶対強くて都合が良い能力ですね!どうもありがとうございます!ヒャッハー!!!


 俺は深く考えることをやめた。だって難しいし。


「次は進化ッ!!……しねぇじゃん」


 あれこれ試したけど進化しなかった。あれか、経験値足りないんか。まあわかる。


「可能性ッ!!……恥ずかしいじゃん」


 このスキルのイメージが湧かねぇ。俺はなぜこのスキルを取ったんだ。叫ぶんじゃなかった。忘れることにした。


 そして、残るはオリジナルスキル《変人》

 説明は【人として変】

 謎よな。素質だって、俺変人?


 無視だな。スキル 変人!と叫べと?それこそ変人じゃん。

 今日は山で引力操作の特訓してくるわ〜!


 《引力操作》の使い方を把握するため、裏山の木々や岩肌、川や生物に対して実験をした。

 木々は倒れ、新たな川の道ができ、荒れに荒れた。


 ムラムラしてやった。後悔はしていない。




 ☆☆☆



 次の日の朝、目玉焼きを作っていると、テレビのニュース番組から悲鳴が聞こえてきた。世界中で、火が上がっている映像が流れていた。





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