腐りきった根性。
「 うぐぁ〜〜もう朝か??…………ってあれ?誰もいない!! 」
バサっ!
「 しっかりと息を合わせて!じゃなきゃ飛べないよ!」
クラスの学級委員がまとめ、みんながしゃー!などと気合を入れているなかその原因となってるいる人物は、燃え尽きていた。
もちろん、俺である。
6組を見てみるとみんなで運動神経が良くて、50回を超えていた。
本当にやばいぞこれ!!せめて5回は、いけると思っていたが一回も飛べないとなるとさすがに焦る。
「 おい、おい!5組まだ0回だってよ……もうリタイアした方がいいんじゃね?? 」
他のクラスの悪口が聞こえる。
気にしないわけもない。みんなのやる気もどんどん失せていく最中で1人の生徒の声が聞こえた。
「 うっるさーーい!!ふざけて飛んでないわけじゃないのにバカにしないで!! 」
ガヤガヤしていた体育館に沈黙がながれる。
大声で叫んだのは、美恵だった。
そのときの美恵の顔は、真っ赤になりここでは、ないどこかに怒りをぶつけているようだった。
やはり、飛べない原因である俺がいるから、こうなるのだ。ここは、奥の手を使うしかないか。
「 先生……! 」
「 なんだ陰内?まだ大縄中だぞ? 」
「 あの……体調が悪いので休養室で休んでもいいですか? 」
あーあ、やっちまった。高校に入ったら絶対にしないと決めていたのに……。
これが俺の奥の手であるサボりである。
中学のときは、クラスで話す人もいなくて辛いと思うとすぐ保健室にいき、置いてあるぬいぐるみのミルキーちゃんと話していた記憶がある。
今思うと陰キャを飛び越えただのぼっち状態であった。
体育館の出入り口に向かい歩いていき、扉の一歩手前まで来たときに向かいからダンダンっ!という足音が聞こえた。
「 うぉぉぉぉー!!まてぇぇ!おおなわぁぁ! 」
「 ぎ、銀太!? 」
「 おっ!集なにしてんだ!?大縄どうなった? 」
「 あ、おれはさ、体調が悪くて休もうと…… 」
「 嘘つくな!何年お前と一緒にいると思ってんだよ? 」
そのときの銀太の顔は、いたって真剣だった。
俺は、こんな真っ直ぐな目をすることは、できるのだろうか……。
「 う、嘘じゃないよ!本当なんだよ! 」
「 集……!!お前が大縄苦手なのは、分かってる!その分俺がフォローしてやる!だから飛べっ! 」
昔から変わってないな。本当に。俺が出来ないことは、全部できるし、ルックスも運動神経も良くてみんなに囲まれていて。だから、みんなついていこうと思うんだな。
俺は、思わないけど。
「 ごめん銀太、今回ばかりは、ミッションじゃないから許してくれ……少し1人になりたい 」
「 …………………………分かったよ…… 」
その一言をかわし、俺は、体育館を後にした。
あとから岡山くんに聞いた結果、5組に銀太が加わり、160回飛んで優勝したらしい
もう俺の存在価値0じゃねーか!!!
どうすればいいんだよ。銀太ともあんな別れ方しちゃったし、話そうにも話せない。
林間学校終了まであと20分。こんなバッドエンドでいいのか。
ガラガラ〜〜
「 失礼しま〜す 」
この声は……美恵??
「 あ!体調大丈夫??みんな心配してるよ? 」
このみんなとは、一体何人を指すのだろうか。
「 あ、うんー、大丈夫だよ! 」
「 そっか、ならよかったよ! 」
「 そういえば、大縄中に他クラスに叫んだの美恵だよね??なんであんなに怒ったの? 」
「 …… 」
やばい、聞いちゃいけないやつだったかも!?
「 あっいや、嫌なら答えなくてもいいよ? 」
「 ううん、話す……私、昔から少し頑固なところがあってさ、頑張ってる人をバカにするの人は、大嫌いなの……だから怒った、それだけなんだ! 」
この話をしているときの美恵の目は、真正面を見ていて、何事にも真っ直ぐな目をしていた……。
銀太と似てる。
つくづく自分のクズさ加減に嫌気がさす。
あのとき、なんで逃げてしまったんだろ。
あのとき、なんで飛ぼうと思わなかったんだろう。
あのとき、なんで勇気がでなかったんだろう。
後悔なんて、もうヤメだ!!!
中学のときとは、もう違うんだ。少しずつでいい。少しでいいから変わりたい……。
「 おれっ!!銀太に会ってくる!! 」
「 えぇぇ!?と、突然どうしたの?? 」
「 えっ、とまぁ〜勇気100倍では、ないけど1.5倍は、出してこようかなって 」
「 ん〜〜、よく分からないけど頑張れ! 」
残り15分!!しっかりとこの陰キャで腐った根性を叩き直してやる!!
林間学校終了まじかです!!
銀太と集陰がこのあとどうなるのか!?
感想・レビューよろしくお願いします