漢の誓いは、間違いじゃない!
その夜。銀太からメールが来た。
拝啓 陰内 集陰 様
この度は、あなた様に陰キャラという檻から解放
する秘策があるなどと言っておきながら何も考え
ずに家でホットケーキを作っていたこと。心の底
から申し訳ないと思っておりマウス。そこで私、
武浦 銀太!その秘策を考えました!!
その秘策とは……。
『 偉佐原 美恵に告白して高校生活を優雅に送ろう大作戦 』だ!!!
まぁこれ読んだら返信よろしく〜。
は??????
いや、まじで何言ってんの、こいつ。
陰キャから抜け出すのがなんで恋愛に発展してんだよ!!!
てゆーか予測変換でマウスは、ねーだろ。
それにホットケーキとか意外な女子力がムカつく。
「 あ〜、銀太に任せた俺が浅はかだったか… 」
そう思いつつもやはり嫌という感情は、あまりなかった。
偉佐原 美恵、前も少し話したが中学の頃の同級生
であり家の近所に住んでいる。
明るい性格でクラスでの信用も厚かった。
だからこそ陰キャを極めた俺など到底話すことも
できず、三年間片思いのまま終わった。
その日は、銀太に返信を返すことも出来ずに終わった。
朝になると銀太からメールが来ていた。
昨日のことについて話があるからちゃんと学校来いよ??
「 行くしか……ないか 」
1つため息をついて学校に向かった。
やはり肝心なのは、今日だろう。なんだって、学校開始初日なのだからここで一気に友達をつ……
ガゴーンっ!
「 え?ここどこだよ……というよりなんでこんなとこで寝てんの俺 」
「 あら、やっと目を覚ましたのね!あなた登校中
に電信柱に頭ぶつけて気絶してたのよ?それを、
たまたま通った女子高生が運んで来てくれたのよ 」
この時点でわかったことが2つある。
まずひとつは、もう時刻は、とっくにお昼を回っ
ており、肝心な初日を逃したこと。
2つ目は、女子に運ばれたこと。ここ普通運ぶ側逆だろ。。。
「 あの……じゃあ誰が運んでくれたかわかりますか? 」
「 えーと、確か偉佐原さんとか言ったかしら 」
オーマイガァァァァァァァー!!!!
銀太………悪い。お前の作戦……失敗だ。
「 その人何組か分かりますか? 」
「 5組って言ってたけどぉ〜、あら同じクラスじゃない! 」
ここまで災難が続くともはや、驚かない。
ガラガラっ
「 失礼しまーすっ!! 」
来やがったか。
「 ブッはっはっはっ!!なにやってんだよ、集〜
今どき、電信柱に頭ぶつける奴なんているかよ 」
「 うるさいなぁ、陰キャにとっては、今日が重要
な日で色々と考え事してたんだよ!!」
「 あっ!てかなんで返信かえさねぇんだよ!! 」
人の話を全く聞いてないな。全く噛み合わない。
「 いや、それは、いきなり告白なんて……無理だろ……。それに陰キャラ関係ないし!! 」
「 あるっっ!!!関係大アリだ!!」
「 どこがだよ? 」
恋愛と陰キャラのどこに接点があるというのだ。
「 まず、そのためにお前は、友達を作るんだ!そ
こから初めていつかは、偉佐原 美恵に告白しろ!!」
意味が分からない。中学の頃からクラスのムード
メーカーでいつも人気者だった銀太のいうことなんて……。
でも、銀太の言うことは、いつも的はずれな部分
もあったが間違ったことは、なかった。
これに賭けるしかないっ!!
「 分かった!俺は、こんな空気みたいな存在の陰キャじゃなくてこの学校No.1の人気者になって偉佐原 美恵に告白する!!! 」
「 いや、別にそこまでやれとは…… 」
「 いーや、銀太!俺は、やると決めたらやる陰キャラ!そーだろ!? 」
「 ん〜なんか分かんないけど、そーだなっ!! 」
2人で腕を組み誓い合った。
そしてこれからどんな波乱な展開が待っていても
立ち向かって行く。そう決めた。
誰がここまで運んでくれたかというのも忘れて……。
さぁ!!やっと銀太の秘策が分かり最高で最強の
陰キャラ高校生活が始まります!!
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