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絵を描く黒猫  作者: よろず
二部
36/56

4

 アラームの音で起きた。

 華の家に泊まる時は、朝飯と弁当はオレが作るから6:30に起きる。

 ふかふかのベッドでくっ付いて寝てる華を起こさないように、オレに貼り付いてる手を退かして布団に入れてやる。

 瞼と唇に触れるだけのキスしてからベッドを下りて伸びをした。

 トイレ行って、顔洗ってから台所に立つ。

 ついこの前持って行く人が来たっぽくて、食パン大量にあるからサンドイッチが弁当。

 鍋にお湯沸かしてゆで卵。昨日買って来たトマトとアボカドを切る。

 冷蔵庫から食パンと昨日買ったチーズとマーガリン、マヨネーズ出して、食パンにマーガリン塗ったらアボカドとトマトとチーズのせて上からマヨネーズ塗ったもう一枚を重ねて皿で押す。四等分に切ってからラップで巻いて、余ったトマトとアボカドは細かく切って朝飯のサラダ。

 ゆで卵潰して卵サンドも作る。卵サンド、華が大好きなんだよな。

 最後にもう一種類。前のリンゴがダメになる前に作ったリンゴジャム挟んだデザート代わり。

 ラップに包んだサンドイッチは昨日の弁当箱包んでたバンダナで包んで終了。

 朝飯はバナナ潰して、ホットケーキミックスと混ぜてホットケーキ焼く。焼いてる横で牛乳沸かして、華のホットミルクとオレのカフェオレを淹れた。

 完成した朝飯机に並べて、華を起こしにベッド行く。


「華、起きて。」


 肩に手を置いて、ちょっと揺すれば華は起きる。眠そうに視線彷徨わせて、オレを見つけてふにゃって笑ってそのまま伸びしてる。可愛い猫みたい。


「おはよ、華。」


 体起こした華にチュッチュッチュッて唇に三回キス。


「おはよう、秋。」


 またふにゃって笑った華をベッドから立たせて飯食いに机に連れてった。

 パンケーキとサラダの朝飯食ったら歯を磨いて制服着替えて、オレは華の髪をやる。今日は太めで緩い感じの三つ編みを二つ作ってサイドにそのまま垂らした。

 イチゴリップと桜ハンドクリーム塗って、スマホで時間確認。まだちょっと時間あるから、イチゴ味の唇を食べる事にする。


「華、可愛い。大好き。」


 オレを見上げた華の頬に右手添えて、触れるだけのキス。左手は腰に添えてピッタリ体を寄せた。

 イチゴ味の甘い唇をゆっくり上と下両方舌先で撫でる。


「華、甘くて美味しい。」


 開いたままの華の瞳覗き込んで、唇触れた状態で囁いたら、華がうっすら赤くなった。


「かぁわいい。」


 ちゅぅって唇に吸い付いて、また華の潤んで来た瞳を覗く。


「ね、舌、出して?」


 強請ったら、華の瞳が揺れた。

 躊躇いがちに差し出された舌を尖らせたオレの舌で突つく。逃げようとしたから、そのまま吸い付いて絡める深いキス。

 苦しそうに華がオレの胸元掴んでるのがたまんない。深く、深く華を味わって、離れた。

 荒く息してる濡れた唇最後にペロンて舐めてから親指で拭って、蓋を口で開けてまたイチゴリップ塗ってやる。このキスすると華は自分で立ってられなくなるから、左手で体支えたまま。

 片手で塗ったリップの蓋してズボンのポケットにしまって、両腕で華をきゅうって抱き締めた。


「華、大好き。可愛い過ぎ。」


 もっとしてたいけど、時間だから家出て学校行った。




 バイト無いし、母親休みで夕飯作んなくていいし、放課後は制服デートする事にした。

 華と指絡めて手繋いで校門出たら、今日はいつもと逆方向。駅に向かう。

 電車乗って移動はまた今度の機会にして、駅前のゲーセン入った。

 華は音にびっくりして目を丸くしてる。

 小銭崩したら、まずはシューティングゲーム。この前のデートで楽しそうにやってたから、ゲームの機械の前連れて行ってやってみるか聞く。


「やる。」


 興味津々の華が可愛くて、ちょっと笑った。


「ゾンビとか虫が出てくるからひたすら打って、弾がなくなったらこうやって振れば補充されて、また打てるから。」

「わかった。」


 やり方説明してからお金投入。


「ほら!ゾンビ!打って!」


 隣で一緒にやりながら、華の様子伺ったらキラッキラした顔でバンバン打ってる。


「あ!華、あれ回復だから狙って打って!そう、上手い上手い。」

「秋、蜘蛛!」

「蜘蛛も敵!打って打って!」


 華は途中でゲームオーバーになったから、小銭追加で復活させた。

 華、すげぇ楽しそう!


「ゾンビ、気持ち悪い!」


 最終ステージまでは行けなかったけど、華は満足気に笑ってる。


「楽しかった?」

「楽しかった!」


 こくこく頷きながら笑顔満開の華。やっぱりシューティングゲーム選んで正解だったみたいだ。


「華、車運転してみる?」


 シューティングゲームの側にあったカーレースのゲームを指したら、すぐに華が頷いた。

 これもまた興味津々の華にやり方説明して、二人でレース。


「華、それ逆走してる。反対。」

「逆?どっち?」

「そう、そっち。そっちにずっと走って。」

「秋、秋、壁が邪魔!」


 不満の声上げてる華にオレはぶはって噴き出して笑う。


「壁避けて!スピード調整してハンドル切って。そうそう!上手いじゃん!」


 横目で華の走りみながらレクチャーしたら、段々華が上手く走れるようになってきた。華って結構飲み込み早いんだよな。


「秋!楽しい!次は?」


 カーレース終わって立ったらすげぇ華のテンション上がってる。ゲーセン気に入ったみたいだ。

 華が楽しそうでオレもニコニコして手を繋ぐ。


「次は…音楽のは?音に合わせてボタン押すの。」

「やる!」


 即答した華連れて、音楽ゲームがあるコーナー行った。


「これはね、こういうのが音楽に合わせて落ちて来るから、この線ピッタリの所でボタン押すの。」


 たくさん並んでるボタン二人で半分ずつに振り分けて、小銭入れた。曲は華はわかんないって言うから簡単そうで有名なやつ選んだ。


「これ聞いた事ある。」


 知ってる方がタイミング掴み易いから、知ってた曲だったみたいで安心した。

 最初は容量掴めなくてミスしてたけど、コツ掴んだら華は上手かった。隠れた才能だ。

 その後はクレーンゲームで黒猫のでかいぬいぐるみとお菓子ゲットして、また来ようって約束してゲーセン出た。


「秋とは全部楽しい。」


 ぬいぐるみとお菓子抱えての帰り道、華がにっこりオレを見上げてそんな事言ってくれたのがすっげぇ嬉しくて、危うく泣く所だった。

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