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▽1を選びました。一人でクエストに戻ります。



翌朝。

本人の反応が微妙だったので、準備も整ったし、俺は一人で出かけることにした。

勿論事前の知識は聞いた上で。


「で、何か気を付けた方がいい事ってあるかな? 俺結構色々忘れてるみたいで不安だから聞いておきたいんだけど」

「そうですねー……」


フィーユは体力は回復済みと言う事を確認しつつも、無理せず休憩して行かなければいけないことなど基本的な事を教えてくれた。

なるほど、時間が結構疲労度の目安になるんだな。

ゲーム仕様として時間経過で疲労蓄積があるのは知っていたが、まさかリアル適用とは知らなかった。

あんまり疲労の自覚がなかったので、昨日休まずに出発していたら途中で力尽きてたかもしれないなあ。危ない危ない。


「あと、その……」

「ん?」

「お教えするのは迷うのですが、お聞きになりますか?」


不安そうにするフィーユに、俺は首を傾げる。

一体なんだってそんな態度なんだ?


「教えてもらえる事は全部知っておきたいんだけど」

「それでは。――不確かな情報なのですが、転職クエストに向かう途中、分岐点で右に曲がりますと違う職業に転職が出来る場所に進めると言うのをギルドで聞いたのです」

「! マジか」


あれ、これもしかしてレア職に対する知識じゃね?

最初の転職クエストではホームに従者がいないのでこういったイベントフラグは立たないが、従者システムをある程度使い出すと転職出来る職業が増えるってのは聞いた事がある。

恐らくこれがクエストの連動システムだろう。

目線の端に、クエストアイコンが点滅したし。


ほうほう。


「ただ、とても危険だというのです」

「危険ってどれくらい?」

「ええと、そうですね……マスターは、ベースレベルは30以上ありますよね?」

「うん、ある。ステは振り切ってないけど、全部振り切ればそこらのひよっこよりはまだ強い自信あるよ」

「でしたら、お一人なら特に問題はないと思います。数体で出る事はありますが、多数で出る事は無いようです」


それってフィーユがいると危ないレベルって事か。

フィーユは雲隠れとか緊急回避スキルは持ってるけど、ターゲットされてしまうであろうボス戦とかゲリラ戦にはむいてないから足手まといになると思っているらしい。

俺もまだ戦闘数回の状態だし、守り切れる自信はないからやっぱり置いて行こう。


その旨を再度告げると、少し寂しそうにしていたがフィーユは頷いてくれた。

本人も言いだしたことだけど、やっぱり気にはなってるのかな?

ちょっと連れて行った方が良かったかなあと思いつつ、俺はリュックサックを抱えなおした。


「うーん。途中まで行ってみて、大丈夫そうなら進んで見るよ」

「そうですね、無理だけはしないようにお願いします」

「了解!」


見送るフィーユに手を振って、俺はホームを後にした。



森に戻ると、どうやらホーム帰還を行った場所に戻ってきたようだ。

そうかイベントマップだから出入りも位置セーブになってんのね。


って超端じゃねぇか!!!


改めて全体マップを見直すと、クエストマップを思いっきり逆行したようで凄い位置にいた。

やばいやばい、朝早くに出るようにして良かったわ。

分岐点もクエスト受注をしたことで表記されたので道に迷うことはないとはいえ、結構敵の数も増えていて時間かかりそうだし夜になる前には転職の内容が分かる場所までは進みたい。

アイテムを集める可能性もあるし、もたもたしているとまたホームに逆戻りしなきゃいけない羽目になるだろう。


「うし。まずは分岐点まで行こう」


ぱし! と両手で頬を叩いて気合を入れると、俺は颯爽と歩きだした。

装備を新調したせいもあり、カウンターでなくても一撃で敵が沈むのでサクサク進む。

これならステもふらなくても分岐までは大丈夫だな、と思いつつ俺は先を進んだ。


「んー……」


それはそうとして、レア職か。

基本職の違うヤツも結構面白いんで、それでもいいと言えばいいんだけど、レアってつくだけあって更生システムでなれる職業は前職の影響を受けて多彩になっている筈。

サイトでそこまで調べたわけじゃないけど、暗殺者の更生システムでなれる職業ってあんまり知られてないんだよな。

やっぱりソロオンラインをやっているものとしては自分しかなれない職業って言うのは憧れるし、どんなのがあるかだけでも知りたいな…いけるかな。


首を振りつつ、3匹目の狼を倒したところでJOBアップを確認。

これでレベル4だな。

一般市民のJOBレベルは9だから、初級狼なら後何匹だろう?

分岐の先を進むなら、JOBレベルを上げるよりステータスもふっておいた方がよさげだが、まだ転職内容が分からない状態じゃ振るのは怖いよなあ……。


慎重に進まないとな。うん。

幸い集中力は回復してるし、マップを見ながら進めば早々危機には陥らないだろう。


「って初級クエストで俺どんだけ警戒してんだよ」


リアルに見える、と言うのもあるが。

なんだか俺が俺じゃないみたいに、慎重に動きすぎてる気がするなあ。

ついつい慎重に進まなきゃって思うあまり、ちょっと動きが遅くなってる気もするし。

そういえばクエストってログインタイムで30hとか50h経過で評価落ちた気がするけど、経過時間どうなってるんだろ?

ふとそう思い、クエストを再度見直すと経過はすでに1日近くすぎていた。


「最高評価のクエスト残りタイムはー……お…? うわ、1日切ってるじゃん」


……もしかしてリアルタイムで過ぎてるのかな。

いや、分岐点はもうすぐそこだし、転職アイテムが必要になったとしても近くの敵から手に入る筈だから20hもかからんとは思うからまだ時間に余裕はありそうだけど。

あと評価落ちたからと言って確か転職が出来なくなるとかはなかったはずだ。

報酬アイテムのランクが落ちる、とかその程度の違いだ。


「………えい。これでJOBレベル5、っと」


分解された敵からカードを拾いながら、俺は前に進む。


(――――でもそれはゲーム・・・での話、だ。じゃあ、今は?)


「……」


目を閉じ、再度クエスト内容を見ても、報酬欄は空白で何がもらえるかはのっていない。

本来ならば、ポーションやらメダルやら、書いてある位置にあるのは、空白だ。

全体マップは表示しながら進めるようなので、マップを視界に重ねる。


「……もし、この評価期限が過ぎたら…どうなるんかな」


思わず呟いて、俺は立ち止まった。





分岐点はもう目の前だった。



――

JOBレベルが上がりました。一般市民のレベルは5です。

★転職しようクエストのリミット期限が発動中です。残り3ターンです。


選択してください。

1→分岐点を左に進む(基本職)

2→分岐点を右に進む(レア職)

3→JOBレベル9まで周囲の敵を倒す

4→ステータスを振る

5→ホームへ戻り街へ行く

6→ホームへ戻り従者を連れてくる

選ばなかった選択肢に対しての情報をちょこちょこ落としてみた

あとターン数の内訳を書いてみた。


分かりづらい所があればご指摘下さい。

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