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▽従者システムの概要を思い返す を選びました。

装備の準備もします。


―――



えーと……。

そういえばフィーユへの"餌"、俺忘れてたんじゃね?

若干下がってるっぽいし、早めに用意しないとまずいよ、な。

手持ちにはないけど、つい事前に用意しておきたくなる俺の事だから倉庫に十分な数はあるはず。


問題は、ちゃんと保存できてるの?

ってところと倉庫そもそもどうなってんの?

ってとこだな。まずは倉庫探すか。


「マスター?」

「あ、ごめん、何?」


きょろきょろと見まわしていたので周りへの対応がおろそかになった。

あまりにも挙動不審だったらしい俺に、フィーユが首を傾げるので慌てて振り返る。

ってか、フィーユに聞けばいいじゃん俺!?

どうもNPCはこちらから話しかけて指示しないと動かない、って認識が抜けない。


「周りを見回していらっしゃいますが、何か御用がありますか?」

「えーと、倉庫に行きたいんだけどどっちだっけ?」

「…………」


無言の応答。

……え、えっとやっぱ、おかしい? よね?

毎回倉庫使ってたやつが何言ってんの、って感じだよね?

ヤバイ目線が痛い。


「マスター」

「はい!?」

「先ほどから明りをつけられたり、倉庫の位置が分からなかったりと不思議な行動が目立ちます」

「は、はい……」


淡々と言われ、神妙に頷く。

ど、どうしよう?

ここはやはり誤魔化さなきゃだよな!?


「ちょっと転職でいろいろリセットしたせいで、記憶が飛んでるっぽいんだよね」

「! そうなのですか」

「う、うんうん」

「承りました……では、まず倉庫にご案内いたします」


こちらへ、と促す声について行くと、どうも倉庫は別の部屋らしい。

ホームってメニューで倉庫、寝室、執務室、って感じで選んでたけどどうも全部別の部屋っぽい?

執務室がステータス閲覧、倉庫は倉庫、寝室は勿論体力回復のシステムで、寝室は何に使うんだかわからないけど料金がかかるシステムになっていた。

ちなみに宿屋に泊る事も勿論出来るというか、ホームの体力回復システムはグレードアップしないと回復量が増えないので、ある程度イベントを進めるまでは宿屋に泊る方が安上がり、ともなっていた筈。

なんでこんなシステムなのかって言うとあれです。


暗殺者とか指名手配受けてると宿屋に泊まれないんだ!


こういう地味な回復手段を作ってくれているところがソロオンラインのいいところと言うか、だったら指名手配イベントとか作るなよとか思った事もありました。

まあ、グレードアップしたらホームでの回復が一番効率が良くなるので、俺はもっぱらホーム回復派だったけどね。

確か課金システムもあったんじゃないかな?

俺は地味にイベントをこなすのが好きで、金使ってシステム向上はそんなに使わなかったけど。


「マスターは倉庫で何をされる予定なのです?」

「ん? とりあえず、ホームを空けすぎてたしね。まずアレでしょ」

「アレ、ですか?」


かつん、とヒールの音が止まる。

いきなり止まられたのでぶつからないように気をつけつつ、俺はフィーユと目線を合わせる。


「勿論、"フィーユとご飯"」

「!」


そう。

フィーユの"餌"はまんま"料理"であった。

ちなみにゲームシステムではミニゲームだったけど、ここの料理って実際に作るのかな?

まあ俺一人暮らし長いし料理、普通に出来るけどね。


「りょ、りょうりでしたらこちらではなく……保存庫にいきま、しょう」

「あ、ハイ」


方向転換するフィーユに俺は素直に頷き、後を追う。

どうやら倉庫は武器とかのアイテム倉庫とは別に、冷蔵庫がある? のか。


「あ、その前にマスター」

「ん?」

「襲撃者の装備確認もついでにお願いします」

「………………」



え? 保存庫って死体も保存されてるん?






結論から言うと、保存庫にはスプラッタな人間、――のようなモノがいた。

うん。なんか数人重なって放置されてた。

言われてなかったら吃驚して確実に逃げてたね、何そのホラー。


フィーユの武器装備は確かスタンガンなので、外傷が殆どなかったのはありがたかったけど目線はあわせたくなかったわー…。

言われてみれば襲撃確認時って、装備のはぎ取り出来たねうん。

とりあえず見てて気分のいいものではなかったけど、確認と言うからにはやらねばなるまいと適当に触れてみた。

すると狼の時と同じように分子分解して装備品のカードだけが残った。


もう、なんていうか中途半端な仕組みすぎて辛い。

死体で保存しておく意味なかったよねー!? 


カードは後で倉庫へ移動しますね、とフィーユが言っていたので恐らく「倉庫にしまう」っていう動作は手動のようだ。

俺がやらないから手動って言うのかよくわからんけど、重くないみたいなので力のないフィーユでも楽々。

ちなみに今回は、はぎ取った装備がいい具合に一級市民の装備制限にひっかからない装備だったので、倉庫にしまわずそのままつけることにした。


死臭? しないよ。カード化するとクリーニングでもされるのかね?

装備使用者が変わったからとかかもしれないけどその辺はよくわからん。

このゲーム修理システムはなかったしそんなもんなんだろう。

ゲーム感覚でこれでいいや、と思いながらこれさっき死体が…とか思い返しそうになったのは忘れる事にする。


ま、これで装備は十分かな。

アイテム倉庫に行ってもほぼ装備制限にひっかかる可能性が高い装備しか入ってなさそうなので丁度良かった事にする。


そうでも思ってないとやってられん……。

とりあえず料理が先、先。

はい忘れた!


ちなみに食品も一応カードなのかと思いきや、食べられる食品は何故か冷蔵庫に入っていた。

いやもう、何も言うまい。ちなみにこの空間自体が保存庫みたいで、野菜とかはその辺に転がっていたりもする。腐ってはいない。

どうもカードから食べられるように具現化した後だったみたいで、カード状のモノもそこらへんに束ねられてはいたがその辺はもう適当に考えよう。


フィーユに言えば用意してもらえるし。←結論。


ちなみに料理はゲームじゃなくて普通に出来た。

若干勝手に手が動いた気もするので、俺自身が料理出来なくてもゲーム感覚で作れるのかもしれない。

実際は料理が出来る人間なので知る術はないが、ちゃんと美味しいモノが作れたのでよしとしよう。


「美味しいか?」

「はい。ちゃんと味がします」

「そうか」


黙々と食べるフィーユに、俺はなんとなくほっこりして見つめてしまう。

まあ思い返す必要はないんだけど、フィーユの"餌"が料理なのは、ちゃんとイベント由来だったりするのだ。

なので味がします、とか不思議な回答になるのだが、画面上の味気ない文字の羅列と違ってなんか感情がこもった感がしていいなあ。


ちなみにこのフィーユ、内政系の人間従者で特典は以下の通り。


・事前に襲撃を阻止・もしくは情報提供が出来る(襲撃率の低下)

・体力回復システムの向上

・PT編入時、採集系の発見率向上


ちなみに職業は暗殺者(見習い)だったりする。

結構仲間にするのは苦労したんだよなあ……襲撃率の低下とか発見率向上とか地味に嬉しい機能が多いから、仲間にして良かったと思う方が多かったけど。

イベントも涙ものでした。


ふぁー…。

なんか疲れてきた……ホームだし寝ようかなあ……。



―――


従者の好感度があがりました。しばらくホームへの襲撃はありません。以降、ホーム帰還時と就寝時に会話が発生します。

装備が初級者レベルに変更されました。

★転職しようクエストのリミット期限が発動します。残り5ターンです。



選択肢を選んで下さい

1→クエストに戻ろう

2→ホームで回復する(就寝)

3→装備を倉庫に見に行く

4→クエストに従者を連れて行く(PT編成)

5→ホームから街へ従者と移動する

6→ホームから街へ一人で移動する

初リミットなので5ターン。

というかまあプロで宣言した通り10話目標なのです、はい。


補足。ターン=話数(選択肢を選べる数)とお考え下さいませ。

残り選択肢は選んだ後に4となります(残り1ターンと表示が出る→選べるのはその話の選択肢でラスト)

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