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ダイスロール  作者: 高梨ひかる


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2/11

▽Yesを選択しました。

特攻精神満載のようです。

状況を確認しますが、1が優先されます。

『悔い改めて新しい人生を歩みますか?』



ぷかぷかと浮かぶ選択肢に、首を傾げようとして動かないのに気付く。

というか、……俺、今どういう状態…?

もしかして眠くなって寝ちまった? 金縛り状態?

手すら力の入る感覚がせず、ただ目の前に差し出された白抜き文字を茫然と見つめる。


『もういちど繰り返します』


点滅するように文字が切り替わる。

そしてまた同じ選択肢、YesかNoか選べと突きつけられる。


(これって……転職システムだよ、な…?)


俺はマウスでいつも選んでいるのに、手は動かない。動かないどころか、視界いっぱいに選択肢なので、他を見る事も出来ないし他の事を考えるにも目を閉じることすら出来ない。

これじゃどっちにしろ選べないのでは?

むしろ時間切れになったらどうなるのだろう?

焦る気持ちだけが募っていき、俺は口を開けようとする。


が、声すら出ないようで。

俺はただ、決めていた選択肢を咄嗟に口にしていた。


「Yesで!」


え? 声、出るじゃん。

そう思った途端、黒い世界が割れた。







「――――どこ、だよここ…」



視界が裂けた先には、生い茂る森が広がっていた。

空気がさわやかで、間違っても澱みまくった俺の部屋の空気ではない。

布団は干していてもどこかしら何かが臭ってたしな、忙しいから仕方ない。


――――じゃ、なくてだ。


きょろきょろと回りを見回す。

どうやら動かなかったのはあの黒い場所だけで、今は動く事も出来るようだ。

咄嗟に手を見つめてみるが、何かかわったような感覚はない。俺は元々ごついし(ゲームにかまかけてて最近は何もしていなかったが職業柄細くはない)、手を握ったり開いてみたりしても自分の手を動かしているような感覚だけが伝わってくる。俺の目に映っている手はどう考えても俺の手だろう。何を確認しているんだって言う感じだが。

しかし、目の前の場所に記憶はない。


「白昼夢……? いや、夢の真っただ中……?」


もうすぐレベルアップだからと仕事前の休む時間を削って遊んでいたのが悪かったのだろうか。

うっそうと茂る森の木の種類は日本でも良く見るモノで、どこか変な世界に飛んだようには見えない。

――変な世界? 俺、何を言ってるんだ。

これはただの夢だろう? 今握っている手がどんなにリアルな感覚を伝えてきていても、吸った空気がついぞ感じた事がない位澄んでいたとしても、夢なら何もおかしい事はないのだ。


夢、なら。


「……歩いてみるか」


止まっていてもなにも起こらないようなので、動きだしてみる。

迷子なら動くなは定説だが、そもそもあの黒い場所から這い出た時点で迷子以前の問題な気がするしな。

とりあえずこの森はなんなのか、俺の夢どうなってるのかって事は把握しておいた方がいいだろう。

そう思いながら足を踏み進めると、目に何か微妙なモノが飛び込んできた。


「……何この靴」


明らかに、布の靴? というような粗末な靴だった。踏み出した足に草を感じた事に、ついぞ見たことのない薄い布の感触にぞっとする。

そういえば今、まだ初春だったよな?

俺なんで半袖着てるの? しかも陽気がぽかぽかだし、夢って本当に都合がいいよな。


夢って……。



「――――あれも、夢か?」



気付けば、森は途切れていた。

いや、途切れていたのではない。木がなぎ倒されて空洞が作られていた。

目の前にあるのは、そう、まさに夢の産物。よくゲームで見る光景、それが広がっていた。


猪よりも大きいだろうか?

見た事がある動物よりも大きいソレは、俺の方を見ながらそこに蹲りこちらを威嚇している。

ピンとたった耳が、明らかな敵意を示している。


不思議な事に、俺はそれを見ても変に思わなかった。いや、思う暇もなかった。

脳内に、『Encount! 初級ウルフ』と文字が踊り俺の右手は咄嗟に腰元に動いていた。

視界が揺れる感覚に、もう片方の手で目元を押さえた瞬間ソレはこちらに走ってきた。



「う…っ!?」



消えた、と思った瞬間に走る鈍い音。

咄嗟に避けようと思い後ろに下がったのに、手は前に突き出されていて得もしれぬ感覚が俺を襲う。

何かを突き刺したかのような感触。――いや、実際突き刺したのだろう、そのまま腕を伝い生温かいモノがゆっくりと滴り落ちる。


「……う、あ…」


『初級モンスターの討伐を確認。――expを得ました』

脳内に踊る日本語の意味が捉えきれない。

先ほどまでいた筈の狼の姿が分子になって瓦解し、同時に生温かい感触毎消えうせる。

残ったのは、何か四角いモノ。カード状のそれは表に知らない文字で『狼の肉』と書かれていた。


「う、ああ……っ」


知らないのに見たことのある文字。読める文字。

それはだって、3年間もずっと見続けていたモノで。

でも画面から出てきた事はない、それだけの電子上のモノだった筈で。

夢とはいえ、こんな風にリアルに感じた事は一度もなかったモノだったわけで――――。



―――…夢…?



なあ、本当にこれ、夢か…?



『待機10分を越えました』

『クエストマップから外れているようです。全体マップを表示しますか?』

『全体メニューから選んで下さい。クエストを中断しホームへ戻る際は、帰還を使用して下さい』




―――


1を選んだことで状況が把握できませんでした。混乱しています。

最初に回りを見たので夢だと思っています。


【難易度が少しだけあがります】

【×××のJOBレベルが少し上がりました】


選択肢を選んで下さい


1→全体マップを表示する

2→帰還を唱える

3→全体メニューを開く

4→とりあえず叫んでみる

5→気絶する/現実逃避する

6→脳内音声に反撃してみる


こんな感じで進みます。

選択肢を選んでいただきありがとうございます。

引き続きよろしくお願いします!


誤字修正。

分かりにくかったので訂正。

1:全体マップを選んだ場合は全体メニューからマップだけを選びます

3:メニュー自体を開く事が可能です

なお、あえて詳細を書かない選択肢も存在しますのでご注意ください。

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