1st イロイロ危ない占い師
4th
俺はその日の内に王になった。しかもこの国がこの世界で最大の国らしく、
この国の王様イコール全世界の王様と言っても過言では無いらしい。
「凄いわ、本当にヨシカゲが王様だったなんて」
リーゼが俺の横に座り、しげしげと眺めている。
顔が近づいて……ヤバい、ちょっとドキドキしてきた。
「ヨシカゲ殿」
さっきの占い師さんが俺の前に座った。
「私は王様の一日のおかげんを占うための、王族直下の占い師です。失礼で
無ければ、ヨシカゲ殿の今日の占いをさせていただきたく――」
「良いよ、あとそんな堅苦しく無くて良いよ。俺だって突然の事であんま実
感無いし」
国王最大有力候補と言っても、突然政治などを任される事も無く、国の事
はリーゼのお父さんが今まで通りやってくれるらしい。
俺の仕事はただ、この椅子に座るだけ。
なんて幸せな世界だろう。
「では……」
占い師さんは着ていた黒い衣服を脱ぎ――
「うおおお!?」
その幼い見た目からは想像もつかないグラマラスな脚をのぞかせた。
――こんな脚に挟まれたら……俺はもう!
「では、始めます」
黒い衣服の下は現代の体操服のような格好で、ムッチリした太ももと健康
そうなふくらはぎが視界に広がった。
「む。緊張しておられますね、もっとリラックスしてください」
占い師さんは膝で立ち、俺の頭を支えた。
――! 俺の目の前に……股上の短いズボンが現れ、ついでに可愛らしいおへそも
顔をのぞかせた。
「ヨシカゲ殿、身体のどこかに力が入って固くなってますよ。全身をリラッ
クスさせてください!」
俺の背中を必死に撫でる。そのたびに俺の目の前の弾けるような太ももが
ピクピク動く。
「もう駄目っ……!」
俺は占い師さんを振りほどき、トイレへと駆け込んだ。何故って? 聞く
な。
5th
その後の占いは順調に行ったらしく、占い師さんはうんうんと頷きながら、
水晶玉やら何やらをしまった。
「今日は何事も無いようです。また明日から毎日通いますので、何かあった
ら言ってくだされば、別に占いますから」
そう言いながら黒い衣服を頭までかぶり、占い師さんは静かに宮殿から出
て行った。
「ふへ~……今日は疲れた」
「ヨシカゲ」
リーゼが股を開いて俺を呼んだ。
――何だ!? 何のご褒美だ!
「ヨシカゲはここがお好きなのですか?」
そう言うと、リーゼは自身の太ももを人差し指でクリクリと押した。
はい、その通りです。
「ヨシカゲが望むなら、私のここを触っても良いぞ?」
本当に!? いいのか! 俺は迷わずリーゼの股の間に飛び込もうとした
が、
「ただし、条件があります」
リーゼは誘うような目つきをやめず、
「私をヨシカゲのお嫁さんにして欲しいのですが……?」
いきなり最終回か!? 何? もうエンディング来ちゃう展開ですか?
「私、どうしても王妃様になりたいんです。私は自身の身を犠牲にしてでも、
王女様になりたいんです!」
何だ。そういう事か、別に俺に一目惚れ――なんて展開は無しね? はぁ
あ、期待して損した。
「嫌なのか?」
リーゼは悲しそうに俺の顔を覗き込んだ。
「別に嫌じゃない、ただそうやって――大切な身体を犠牲にしてでも――っ
てところが何となく気に入らないだけだ」
前の世界の俺なら後先考えずこの先もやってしまっていただろう。
だが今回はせっかく神様にお情けをもらい、かろうじて生きている状態だ。
そんな状態で、果たしてお願い以上の事をして良いのだろうか。
「つまんないなぁ……! じゃあ、せめてここに顔乗せてよ」
リーゼは力いっぱい俺の顔を自分の太ももに押し付けようとした。待て!
俺はこのままでは死ぬぞ! 来て早々、まだ二人の女の子の脚しか見て無い
ってのに――まだ死ぬのは嫌だぁぁ!
「何しておる!」
俺の顔がリーゼの股に当てられ、もう後少しで太ももに挟まれてしまう!
と言うところで誰かの声がした。
「リーゼ! 嫁入り前の年頃の女子が何をしている!」
リーゼは小悪魔のような表情で、
「なーんだ、メア姉もヨシカゲ狙い? 残念っ! ヨシカゲは今私が性的な
意味で食べ――」
ゴン! と痛そうな音がして、リーゼは静かになった。
「すみません、ヨシカゲ様――家の妹がこんなはしたない事を……」
気を失ったと思われるリーゼを引きずり、リーゼの姉らしき女の子が俺の
前に姿勢を正して正座し、
「初めまして、私は先代国王(さっきの王様)の次女の、メアと申します」
ご丁寧に床に頭をつけ、深々と頭を下げられた。俺も思わず同じようにし
てしまう。
「ふふっ……ヨシカゲ様はいいのですよ、国王なのですから」
笑顔の可愛らしい、褐色肌の女の子。
笑うとたまに八重歯が出るのは姉妹共通の何かなんだろうか。
「リーゼが変な事をしてすみません。ヨシカゲ様の大事なお顔に、あんな汚
らしい物をくっつけて……」
俺は腰周りがゾクッとした。
そうだった。太ももにばかり気を取られていて気にしていなかったが、俺
は何てもったいない事を……
「ヨシカゲ様は本当にこれが好きなのですか?」
そう言うとメアはスカートのような服を少しまくりあげ、太ももを全開に
した。
リーゼより少し太く、なめらかさの際立つまさに「絶品」と言う
言葉が的確な脚だった。
「見るだけでしたら、どうぞ……」
少し顔を赤らめ俺をチラチラと見てくる。
その反応も含めて俺はドキドキが止まらない……!
「おおお……! うぉぉ……」
俺は堪らず顔を近づけた。
褐色肌から薄く汗がにじみ、独特な色っぽさを出している。
「舐めても良いですか!」
メアはクスッと笑い、太ももを手で撫でた。
「別に、構いませんよ?」
目の前に広がる褐色の楽園。
じんわりした汗の匂いがして、俺の興奮度はMAXになった。
「いただきます!」
メアはにっこりと笑い、
「召し上がれ……♡」
長年の夢! 女の子の汗でじっとりした脚を舐める――ってか食べる!
ついに俺の夢がもうすぐそこに!
俺の舌がもうすぐで楽園に到達――と言うところで、
「お姉ちゃんこそ何してんのよ!」
声と同時にメアが倒れた。
リーゼに後頭部を蹴られたらしく、頭から煙がたっている。
「私より卑猥じゃない!」
ごもっともだった。
6th
俺は自室と言われた広い部屋で、何度も寝返りをうっていた。
眠れないのだ。
枕が違うからか、環境が違うから――はたまた広すぎるからかよく分から
んが、全くもって眠くならない。
「今日は疲れてるはずなんだけどな……」
「お疲れなんですか?」
顔を横に向けると、ベッドの上にまたまた美味しそうな脚が……!
「誰っすか?」
脚の主は、
「妹たちがご迷惑をおかけして……そして始めまして! 私は先代国王の愛
娘(自分で言うのもなんですが)、長女のリンと申します」
俺は、リンと名乗る女の子の顔を見ようと顔を上げたが、
「嫌ですわ、お化粧も落としてしまいましたし――妹たちと比べて可愛く無
いんですもの」
俺はそれより、脚の全体が見たかった。
折り曲げられよく見えないが、リーゼとメアの二人は俺好みド直球な脚だった。
その二人のお姉様とか……かなり期待できる。
「眠れないようなので……私が膝枕をしてあげようかと……あの、ご迷惑で
しょうか?」
いえ! 迷惑なんて全然、物凄く嬉しいでござります。
「あっ! その、膝枕するとき、太ももで顔を挟まないようにお願いします」
美容院で店員に頼むような言い方に自分でもいささか妙に感じたが、まあ
良い。リンさんはクスクスと笑い、俺の頭を自身の太ももの上に乗せた。
「ご加減はどうですか?」
「はい、凄く良い……気持ち良いです」
「かゆいところとかはございませんか?」
何か本当に髪を切りに来ているような気になってきた。
そうそう――髪を触られてると……何か眠くなって来るん――だよね……
俺はぐっすりと、最高の気持ち良さでリンさんの膝の上で眠った。