11th レヴィさんの性癖
目を覚ますと俺はまだムッチリした脚の上で転がっていた。フイと上を見
るとレヴィは可愛らしく座ったまま眠っていた。――ああ、邪魔しちゃった
かな?
レヴィの可愛らしい寝顔に見とれていると、突然レヴィの太ももの隙間が
開き――俺の顔が埋もれかかった。
「危ねぇ!」
俺はすぐ頭を床に向かって落とし、なんとか太ももに挟まれるという事態
は阻止する事が出来た。
が――
「うおぉぉ!?」
レビィのスベスベなふくらはぎに顔を挟まれ、頬の辺りに恐ろしい程の快
感が襲いかかってきた。
「あぁ……あぅ……」
両側から挟まれながらも重力には逆らえず、ゆっくりとふくらはぎの間を
俺の顔は滑って行き――俺の顔が床に落ちる頃にはもう心身とともに興奮度
MAX状態だった。
「きゃっ!?」
ドシンと床に顎を打ちつけ、その音でレヴィは目を覚ましたらしい。レヴィ
は自身の脚の間で顎を打ちつけ悶絶している主を見て
、
「大丈夫ですか? どうなさいました!」
必死に俺の頬をペシペシ叩いている。――ダメだよ……せっかくの感触が
消えていくじゃ無いか……って――
俺の目の前で――正確には真上にいたレヴィがその場でしゃがみ、俺の頬
を叩いているということは――
「あぁぁぁぅぅ……!」
目の前にレヴィの穿く一枚の布切れが現れ、俺の頭のてっぺん辺りに押し
当てられた。ふわっとした感覚とともに、俺の心身……特に身体のほうがも
う限界になってしまった。
「……ん?」
レヴィが突然頬を叩くのをやめ、一点を凝視しているようだった。(俺か
らはミニスカメイド服の中身しか見えて無いので、どこを見ているかは分か
ら無いが)
レヴィの溜息が聞こえた。――でも今の溜息は少し変だった。別に蔑んで
いるようでも無く「やれやれ」といった様子でも無く――何というか……今
からこの子をいじくってあげましょう――という感じの……
「国王様は変態さんなんですね」
心にグサリと来る――ってわけじゃ無い、もう俺は開き直ってるし自分が
おかしいとはもう認めていないからな。
「脚に欲情なさるお方だったなんて……♡」
ん? 今のハートマーク何? てっきり俺は軽蔑されて「はい、さよなら」
エンドかと思ったが。
「私はそういう方を踏みつけるのが大好きなのですよ……♡」
なるほど、いわゆるドSってやつで――
「おふぅ!」
突然膝の出っ張りで頬をグリグリとやられた。俺にMっ気は無いのだが、
脚にやられてると思うと――それはとっても嬉しいなって……
「グ・グ・グ・ググググ……」
何の効果音かは説明するまで無いと思うんだ。
「私にこんな事されて身体ごと喜んでもらえて光栄ですわ……♡」
心なしかレヴィの息遣いが荒くなってきた。――俺もいろいろとヤバいん
ですけど……
「こ……このド変態っ! 国王様なのに女の子の脚にこんな事されて喜ぶな
んて……はぁ……♡」
レヴィのうっとりするような声。危ないんじゃ無いか? ここ二回ほど、
俺のジャスティスを邪魔したのはこの人だ。――このまま邪魔が入らなかっ
たら、俺は延々(えんえん)とレヴィにされ続けるって事……!?
「もっと構ってください! 私でもっと興奮しなさい! ヤバいです。これ
もうクセになりますわ……♡」
俺ももうヤバい……ぐっ……ここまでか!
しかし俺はここでR-15という壁を心から憎んだ。
「ヨシカゲ殿、そういえば今日はまだ占いの方を……」
ガチャリとドアが開き、いつもの通り黒いマントを羽織ったサナが猫のよ
うな目でこちらをしばらく眺め――
「パタン……」
数秒後ドアを閉めた。
レヴィの脚攻撃も止まり、俺も興奮どころでは無くなってしまった。サナ
に変な誤解を受ける!
「サナっ! 違うんだ!」
向かい風にマントをひらつかせながら走るサナを、俺は必死に追いかけた。
「違くありません! そんな風にして何が違うんですか! 変態さんなヨシ
カゲ殿の顔なんてもう見たくありません!」
必死で逃げるロリ少女を必死に追いかける俺。――うわぁ犯罪臭しかしねぇ
……
「サナ? ヨシカゲ、どうしたの?」
部屋のドアからリーゼが顔を出した。サナはリーゼの部屋に飛び込み、
「ヨシカゲ殿はドMさんだったんです!」
違ぇ! それは完璧なる誤解だ!
リーゼはチラリと俺の方を見て、ニマリと小悪魔笑いをした。
「へぇ……ヨシカゲってそういう趣味なんだ……♡」
間髪入れず、
「違う! 断じてそんな趣味は無い」
リーゼは八重歯を見せつけるように、
「またメアお姉ちゃんに何かされたんだ~」
「メア殿では無く、新入りのメイドさんでした」
サナの言葉にリーゼの表情がみるみる青ざめていった。
「うそ! ヨシカゲ? もう私たち姉妹じゃ満足できなくなっちゃった?
メア姉とリン姉は私と似てるから安心してたのに――私たちじゃもう興奮で
きないの?」
リーゼは俯き――俯く途中で目に入った俺の身体を見てか、ニヤッと笑っ
た。
「大丈夫そうだね……♡」
リーゼは目の前でニーソックスを脱ぐと、ドアの前で立ち尽くす俺に身体
を密着させ――
「ヨシカゲの欲望は、私たち姉妹が責任もって受け止めるから」
リーゼは背伸びをし、脚――主に太ももが俺の身体に密着し――
「……ぅ」
実際さっきまで俺は限界だったわけで――
「……ぁぁぁ……」
リーゼの太ももの感触を堪能しながら、俺はリーゼの手――脚によって昇
天してしまった。