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欲張り
梅雨が明けて、太陽が照りだした。
部活にも力が入る。
サッカーは好きだ。
でも部活は・・・好きじゃない。
だって目がきみを追ってしまう。
そしてその先には、あいつをみつめるきみがいる。
それでもいいと思ってたんだ。
ただきみを想っていられるだけで十分だった。
でも、いつの間にか欲張りになっていた。
あいつを想うきみ。
きみを想うぼく。
このままじゃ嫌だ。
どんどんきみを好きになる。
ぼくだって戸惑ってるんだ。
苦しいよ。
もうすぐ試合がある。
もちろんきみはあいつを応援するだろう。
ぼくのことも見てほしい。きみの声援が欲しい。
そう思ってしまうのは自然なことだろう?
きみの応援があれば、ぼくは何本でもシュートを決めてみせるよ。
―――なんて。
6月下旬