表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放された宮廷魔術師、辺境で無双した末に星々を導く者となる  作者: マルコ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

65/133

第3部 第10話 星々の航路

 星図都市の広場は灯火で満ちていた。

 各世界から集まった門渡りたちが輪になり、祝歌を歌う。

 オルビタの帆には新しい楽譜が刻まれ、星の光と共鳴して輝いている。


 リュシアンは輪の中央に立ち、胸の奥で環を回した。

 その拍が都市全体に伝わり、星図が再び更新される。


(ここまで来た……渦は星になり、交流の基盤ができた)


 胸の奥が温かくなる。

 セリーヌが隣で微笑み、手を握った。


「もう大丈夫ですね?」


「いや……ここからが始まりだ」


 氷の長老が前に進み出る。「氷の門は、この星への航路を開く」

 砂漠の王も頷く。「砂漠の隊商が物資を供給しよう」

 歌の民の巫女が声を重ねる。「星の子守歌を編み、渦が再び荒れぬよう歌い続ける」


 次々と世界の代表が誓いを述べ、広場の空気が一つになった。


(皆が期待している。

 この星は、もう俺だけのものじゃない)


 胸の奥で環がひときわ強く鳴る。


(守るんじゃない、育てるんだ)


 リアン=ヴァルドが杖を掲げると、星図の中央に光の線が走った。

 それは渦のあった場所と各世界を結ぶ、新しい航路だった。


「ここを中心に、星々の交流は新しい段階に入る」


 広場が歓声で揺れた。


(これで、争う理由は減る。

 でも、星を狙う者も現れるかもしれない)


 胸の奥で環が静かに回り続ける。


 オルビタが港で再整備される。

 帆が新しい素材に張り替えられ、甲板には星々の紋章が刻まれる。


 ガルドが剣を磨きながら言った。「また戦いになるかもしれないな」


「戦うだけじゃない。今度は教えるんだ。

 渦をどう変えたのか、他の世界に」


(選んだだけじゃ足りない。伝えていかなきゃ、同じ悲劇は繰り返される)


 リュシアンは拳を握った。


 そのとき、星図の端に黒い影が一瞬走った。

 だがすぐに消え、誰も気づかなかった。


(今のは……?)


 胸の奥で環がわずかに震えた。


 リアンがリュシアンに近づく。


「近く、全世界規模の会議が開かれる。

 お前のやり方を正式に“星の法”として認めるかどうかが決まる」


「分かった。必ず出席する」


 リュシアンは頷き、夜空を見上げた。

 新しい星が、今夜もひときわ明るく瞬いていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ