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追放された宮廷魔術師、辺境で無双した末に星々を導く者となる  作者: マルコ


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第2部 第39話 蕾の儀

 広場の中央に立つ蕾は、前回よりもさらに光を増していた。

 街の人々は夜を徹して飾りを作り、広場に集まった。


「咲かせる儀式は、全員でやるぞ」


 リュシアンが宣言すると、皆が一斉に頷いた。


(この瞬間のために、全部積み重ねてきた)


 胸がざわめく。

 成功すれば世界は一段階成長するが、失敗すれば芽は枯れるかもしれない。


(絶対に失敗できない)


 セリーヌが杖を掲げ、歌い始める。

 原初の民が太鼓を打ち、光の民が空を舞った。

 羽の民が火の輪を作り、王都と外界の魔術師団が光の陣を広げる。


 広場全体が一つの大きな魔法陣になった。


(これが共創……)


 胸が熱くなる。

 戦いではなく、皆で何かを作り上げる高揚感が全身を満たしていく。


 その時、蕾の根元から黒い影が噴き出した。

 前回よりも濃く、形を持って人型となる。


「やっぱり来たか!」


 リュシアンは杖を構えるが、セリーヌが首を振る。


「攻撃じゃなく、受け入れないと!」


(受け入れる……? こんなに濃い影を?)


 一瞬ためらうが、胸の奥で創造の環が輝いた。


(そうか……世界の一部として迎えるんだ)


「《環結界・調和》!」


 リュシアンが地面に杖を突き立てると、影が光に包まれ、蕾へ吸い込まれていく。

 蕾が震え、光が強まった。


(頼む……咲いてくれ)


 胸が苦しいほど高鳴る。

 仲間たちも全員、手を合わせて祈る。


 次の瞬間、蕾が音を立てて開いた。

 黄金色の花びらが広がり、広場全体を光で包む。


「……咲いた」


 セリーヌが涙を流し、人々が歓声を上げた。


(守り切った。咲かせた。

 でも、ここからが本当の始まりだ)


 花の中央から新しい種が生まれ、空へと昇っていった。


 花が散ると同時に、芽がさらに伸び、木の幹へと変わり始めた。


「次は……この木を大樹に育てる番だ」


 リュシアンは深く息を吐き、未来を見据えた。

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