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追放された宮廷魔術師、辺境で無双した末に星々を導く者となる  作者: マルコ


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第2部 第37話 光る種

 リュシアンの手のひらで、光の種がゆっくりと脈動していた。

 近くで見ると、小さな植物の芽のようでもあり、星の欠片のようでもあった。


「これは……どうすれば?」


 セリーヌが杖をかざすと、淡い光が反応して周囲に模様を描いた。


《この種は世界の核。育て方で未来が変わる》


 声が湖の向こうから響く。


(育て方次第で未来が変わる……

 つまり、ここから先の世界は俺たち次第ということか)


 胸がじわりと重くなる。

 しかし、逃げたいとは思わなかった。


(怖い。でも、これが俺の役目だ)


 広場に人々が集まり、意見が飛び交う。


「まずは実りを育て、飢えない世界にしよう!」

「いや、力を育て、影に備えるべきだ!」

「平和を最優先すべきです!」


 それぞれの立場から熱い声が上がる。


(どれも正しい……けれど、どれも偏っている)


 胸がざわつく。

 皆を納得させる道を選べるのか、急に不安が広がった。


 リュシアンは深呼吸し、手の中の種を掲げた。


「全部育てる。

 実りも、力も、平和も――バランスを取りながら」


 人々がざわめき、やがて頷きが広がった。


(これが俺の答えだ。

 偏らず、選び続けて育てる)


 胸の奥で「創造の環」が再び輝き、種が光を強めた。


 地面に置かれた種から、柔らかな芽が伸びる。

 光が広場を満たし、街全体が温かい空気に包まれた。


「これで……始まったんだな」


 セリーヌが微笑み、皆が静かに見守った。


 しかし、芽の根元に黒い影が揺れた。

 リュシアンは杖を握る。


「やっぱり……影はまだ消えてない」


(育てる世界には、必ず試練が来る)


「いいさ。試練も一緒に育ててやる」


 リュシアンは芽に手を添え、笑った。

 その瞬間、芽がさらに伸び、新しい葉が光った。

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