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追放された宮廷魔術師、辺境で無双した末に星々を導く者となる  作者: マルコ


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第2部 第35話 最後の門

 光の柱の根元に立つ門は、これまでのどの門よりも静かだった。

 まるで、開く者の心を待っているかのように淡く光っている。


「……これが最後の門」


 リュシアンは深呼吸し、杖を握り直した。


(怖い。

 この先で失敗すれば、全部消えるかもしれない)


 手が震える。

 だが、背後から仲間たちの視線を感じると、震えは静まった。


(ここまで来たのは俺一人じゃない。

 皆と一緒に、未来を描くんだ)


「行きましょう、リュシアン様」

 セリーヌがそっと手を重ねる。


「俺たちもいる」

 ガルドが剣を掲げ、羽の長が羽音を鳴らす。


「共に描こう」

 原初の民の長が低く呟き、光の民が周囲を照らした。


 リュシアンが一歩踏み出すと、門がゆっくりと開いた。

 光が溢れ、全員を包み込む。


 次の瞬間、視界が真っ白になった。


 白い空間の中に、無数の光の粒が漂っている。

 その粒に触れると、草原が生まれ、森が芽吹き、川が流れ出す。


「……これは、俺たちが創っている?」


 セリーヌが驚きの声を上げる。


《思い描け。お前たちの未来を》


 世界の根の声が響いた。


(そうか……ここで、世界を選ぶんじゃない。

 作るんだ)


 胸の奥が熱くなる。

 リュシアンは目を閉じ、浮かんだ景色を思い描いた。


 広場のある街、森と共に生きる村、空を飛ぶ浮島、人々が笑い合う未来。


 光の粒が一斉に集まり、新しい世界が形を成していく。

 空に星が生まれ、大地が広がり、海が満ちる。


 仲間たちも次々に思いを重ね、世界がさらに豊かになった。


 その時、闇の影が現れ、世界を飲み込もうとする。


(まだ試されるのか……!)


 胸が締め付けられるが、リュシアンは杖を掲げた。


「これも世界の一部だ。

 消さず、抱きしめる!」


 闇が光に溶け、世界の一部として静かに収まった。


 白い空間が消え、目の前に新しい世界が広がっていた。

 先ほど思い描いた景色が、現実になっている。


「これが……俺たちの世界」


 セリーヌが涙を流し、仲間たちが歓声を上げた。


 遠くの空に、新しい星が輝き始めた。

 それはまるで、次の物語を告げる合図のようだった。


(まだ終わりじゃない。

 この世界を育て、守り、次の世代に渡していく)


 胸の奥で炎が強く燃えた。

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