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追放された宮廷魔術師、辺境で無双した末に星々を導く者となる  作者: マルコ


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第2部 第31話 来訪者の目覚め

 夜明けとともに、広場の外れで倒れていた人物がゆっくりと目を開けた。

 半透明の体の中で、星々のような光が瞬いている。


「……ここは?」


 声はかすれているが、耳ではなく胸の奥に響いた。


「あなたは誰だ?」


 リュシアンが近づくと、人物はゆっくりと上体を起こした。


「私は“星渡り”。この世界の外から来た者」


(星渡り……外の外のさらに外、あの時予感していた存在)


 胸の奥が熱くなる。

 やはり、世界はここで終わらせてはくれない。


「門渡りの者よ、この世界は確かにひとつになった。

 だが、その均衡が宇宙の外に波紋を広げている」


 星渡りの瞳に、遠い星々が映し出される。

 そこに黒い点が現れ、星を一つずつ飲み込んでいった。


「放っておけば、この世界もいずれ飲み込まれる」


(やっと平和になったのに……

 また、戦わなきゃいけないのか)


 胸が締め付けられる。

 だが、星渡りの表情は穏やかだった。


「戦うだけではない。選び、創り、そして護るのだ」


 リュシアンは深く息を吸い、頷いた。


「星渡り、お前は戦えるのか?」


「私は道を開く。だが、進むのはお前たちだ」


 星渡りの体から光が放たれ、広場の中央に新しい門が現れた。

 今までのどの門よりも高く、深い光を放っている。


(また選ぶ時が来た。

 でも今は、怖くない。

 皆がいるから)


 胸の奥に静かな炎が灯る。


「行こう。ここまで作った街は皆に任せる。

 俺は次の門を開きに行く」


 セリーヌが笑みを浮かべる。


「もちろん、私も一緒です」


 ガルド、羽の長、光の民の案内者、そして原初の民の長も頷いた。


「次は俺たちも行こう。

 世界を作る旅に、俺たちも参加する」


 夜、門の前に焚き火が焚かれた。

 皆で輪になり、次の世界について語り合う。


「もう後戻りはできないな」


「後戻りする必要はないですよ」


 セリーヌの言葉に、胸の奥の不安が溶けていった。


(これは、俺たちの物語だ)


 門の光が強まり、旅立ちの時を告げた。

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