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追放された宮廷魔術師、辺境で無双した末に星々を導く者となる  作者: マルコ


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第2部 第27話 再建の朝

 黄金色の空が、ゆっくりと明るくなっていく。

 浮島の草原には、戦いの跡がまだ残っていた。

 焼け焦げた大地、砕けた岩、しかしその間から新しい芽が顔を出している。


「……生きてる」


 リュシアンは膝をつき、芽をそっと撫でた。

 胸の奥に、じんわりと温かさが広がる。


 王都の兵士たちは負傷者を手当てし、外界の戦士たちは倒れた影の残骸を片づけていた。

 光の民が浮遊し、浄化の光を広げている。


「みんな……よく戦ってくれた」


 リュシアンが呟くと、仲間たちが笑った。


「あなたが選んだから、私たちも選んだのです」


 セリーヌの言葉に、胸が熱くなる。


(終わったんだ……本当に)


 力が抜け、思わず座り込む。

 勝ったはずなのに、少し怖かった。


(もし次があったら、また皆を戦わせることになる)


 胸が締め付けられる。

 だが、空の星がひときわ強く輝いた。


 王都からの使者が広場に現れ、布告を読み上げた。


「この戦いを“統合の戦”と呼び、勝利を記す。

 今日より、王都と外界、新世界は一つの共同体とする!」


 歓声が広がる。

 人々の顔に、疲労の中にも確かな誇りが宿っていた。


(これからが本当の試練だ。

 戦うよりも難しい、育てる日々が始まる)


 胸の奥に静かな炎が灯る。


「街を作ろう。

 この世界で、みんなが帰る場所を」


 その言葉に、仲間たちが頷いた。


 建築師や魔術師が集まり、街の設計図を描き始める。

 外界の技術と王都の知識、光の民の魔法が組み合わされていく。


「ここに広場を」「ここは水路に」「この森は残そう」


 意見が飛び交い、議論が熱を帯びる。


(これが……共創か)


 戦場の緊張とは違う、静かな熱が胸を満たす。

 未来を描くことが、こんなに力をくれるとは思わなかった。


 その時、遠くで不気味な鳴き声が響いた。

 浮島の端に、見知らぬ生物の群れが現れた。


「またか……?」


 セリーヌが杖を握る。

 しかし群れは襲わず、じっとこちらを見ているだけだった。


(戦いじゃない……? 何かを伝えに来たのか)


 新しい世界が、次の問いを投げかけてきた。

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