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追放された宮廷魔術師、辺境で無双した末に星々を導く者となる  作者: マルコ


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第2部 第25話 黒い渦

 浮島の空に現れた黒い渦は、ゆっくりと広がっていた。

 渦の中心から、低いうなり声のような音が響く。


「……嫌な気配だ」


 ガルドが剣を抜く。

 セリーヌも杖を構えた。


(創ったばかりの世界を、壊しに来る気配……)


 胸の奥がざわめき、環が淡く光る。


 渦の中から、影のような存在が落ちてきた。

 形は定まらず、地面に落ちた瞬間、複数に分裂する。


「またあれか!」


 探索隊が武器を構える。

 だが、影はただ暴れるのではなく、島の川や植物を飲み込み始めた。


(俺が選んで創った世界だ。

 なら、守るのも俺の役目だ)


 胸が熱くなる。

 恐怖よりも、怒りと決意が勝った。


「皆、島を守れ! 絶対に一歩も踏ませるな!」


 リュシアンが杖を突き立て、魔法陣を展開する。


「《雷鎖陣・封》!」


 雷が走り、影を一時的に封じる。

 その隙に仲間たちが一斉に攻撃を仕掛ける。


(ただ倒すだけじゃ駄目だ。

 こいつらは世界の“歪み”そのものかもしれない)


 攻撃を緩めず、胸の奥で思考を巡らせる。


(どうする……? 破壊だけじゃ選んだ未来と同じにならない)


 セリーヌが氷の結界で影を閉じ込める。


「リュシアン様、今なら……!」


「話を聞く!」


 杖の先で結界に触れると、影の中からかすかな声が聞こえた。


《……消えたい……でも、消えられない》


 その声に胸が痛む。


(こいつらも、ただ壊したいわけじゃない……

 存在が矛盾して苦しんでいる)


「なら、消すんじゃなく、還そう」


 魔法陣を組み替え、光を放つ。


「《輪廻陣・還帰》!」


 影が光に包まれ、渦の中へ戻っていった。


 渦が収縮し、空が再び黄金色に戻る。

 草原の風が吹き、花が咲き始めた。


「……守れた」


 胸の奥がじんわりと熱くなる。

 だが、完全には終わっていないと感じた。


《次の渦は、もっと大きい》


 頭の奥に声が響く。


 遠くの空に、さらに巨大な渦が現れた。

 今度は浮島だけでなく、地上や外界にも影響を及ぼしている。


(世界全体を巻き込んだ戦いになる……!)


 杖を握り直し、仲間たちを見回す。


「次は、全員で戦うぞ!」


 仲間たちが力強く頷いた。

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