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追放された宮廷魔術師、辺境で無双した末に星々を導く者となる  作者: マルコ


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第2部 第23話 浮島の扉

 扉は巨大で、中央に六つの円が描かれていた。

 それぞれが淡い光を放ち、同時に脈打っている。


「六つ……これは環の数と同じ?」


 セリーヌが杖を構え、光を重ねると、一つの円が輝いた。


《開くためには、六つの心が必要》


 声が広間に響く。


 王都の学者が前に出る。


「この紋様、王都の古文書に似ている。

 これは“知識の円”だ。私が担当しよう」


 外界の戦士が拳を鳴らす。


「力の円は俺が行く」


 光の民が頷く。


「記憶の円は我らが引き受けよう」


 次々と仲間が自分の役割を名乗り出る。


(今までは俺一人が答えを出していた。

 でも今は、みんなが一緒に考えてくれる)


 胸の奥が温かくなる。

 この扉は、ただの謎解きではなく、心を合わせる儀式なのだ。


 六つの円が同時に輝き、それぞれに幻影が浮かんだ。

 知識の円には古代の言葉、力の円には巨大な岩、記憶の円には過去の悲しい映像。


 仲間たちが順番に挑む。


 学者が言葉を解き、戦士が岩を砕き、光の民が記憶を癒す。

 それぞれの円が一つずつ輝いていく。


 残った最後の円が、リュシアンの前で光った。

 そこに映ったのは、自分自身だった。

 追放された日、村で戦った日、王都で血を流した日――

 すべての過去が同時に襲いかかる。


(これは……俺自身を認める試練か)


 胸が苦しい。

 けれど、逃げずにすべての光景を抱きしめた。


「全部が俺だ。

 だから、これからも選び続ける」


 その瞬間、最後の円が強く輝いた。


 六つの円が同時に光り、扉がゆっくりと開いた。

 眩しい光が溢れ、奥に広大な空間が見える。


「やった……!」


 仲間たちの歓声が響いた。


(これは俺一人では開けなかった。

 みんなで選んだから、扉は開いた)


 胸の奥に、静かな達成感が広がる。


 扉の奥には、さらに巨大な水晶のようなものが浮かんでいた。

 中で光がゆっくりと脈動している。


「……次は、あれが試練か」


 セリーヌが頷く。


「世界の心臓みたいですね」


 胸が高鳴る。

 次なる試練が待っていることを、全身で感じた。

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