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追放された宮廷魔術師、辺境で無双した末に星々を導く者となる  作者: マルコ


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第2部 第19話 調和の試練

 光の門を抜けると、そこは巨大な円形広場だった。

 空は完全に白く、地平線も存在しない。

 広場の四方には四つの玉座があり、それぞれに異なる存在が座っていた。


 炎のように揺れる影、氷のように冷たい光、雷鳴をまとった巨人、そして沈黙する黒い人影。


《門渡りの者よ、調和を示せ》


 声が広場全体に響く。


(四つの存在……おそらく世界の極を象徴している)


 胸が締め付けられる。

 彼らの視線が突き刺さる。

 戦うわけではないのに、汗が滲んだ。


(今度は剣ではなく、言葉で挑む試練だ)


 炎の存在が先に口を開いた。


「燃やせ。古き秩序を焼き払い、新しい世界を作れ」


 氷の存在が応じる。


「凍らせろ。変化を止め、世界を守れ」


 雷鳴の巨人が拳を打ち鳴らす。


「砕け。すべてを一度壊さねば、真の始まりはない」


 最後に、黒い影が低く囁いた。


「何もするな。世界は勝手に回る」


(どれも一理ある……)


 変化を望む心と、守りたい心。

 破壊の衝動と、放置したい怠惰。

 それぞれが胸の中でぶつかり合う。


(俺の答えは……?)


 深呼吸して一歩前に出る。


「全部正しい。そして、全部間違っている。

 焼くだけでも、凍らせるだけでも、壊すだけでも、放置するだけでも世界は歪む」


 四つの存在が沈黙した。


「だから、俺は選び続ける。

 燃やす日もあれば、守る日もある。

 壊す日も、何もしない日もある。

 そのすべてを、自分で選ぶ」


 広場が光で満たされ、四つの玉座が同時に輝いた。


《認めよう。お前は調和の中心だ》


 胸の奥で“歩む者の環”が回転し、新しい紋様が刻まれる。

 六位の環がさらに進化し、**「調和の環」**となった。


 膝が震えた。

 今までの試練とは違う疲労感が全身に広がる。


(選ぶことは、戦うより重い……

 でも、これでようやく前に進める)


 深く息を吐くと、体が軽くなった。


 広場の中央に新しい門が現れた。

 今度は光ではなく、透明な門。

 その向こうに、さらに広い世界の影が見える。


《次は“共創”の門だ。お前だけでは開かぬ》


 セリーヌが目を見開く。


「誰かと一緒に開く……?」


 胸の奥で鼓動が速くなる。


(仲間と……いや、世界と一緒に開けということか)


 新しい旅の予感が、熱となって胸を満たした。

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