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追放された宮廷魔術師、辺境で無双した末に星々を導く者となる  作者: マルコ


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第2部 第17話 選択の旅

 光の道を歩き始めると、足元が透け、無数の未来が映し出された。

 平和な世界、戦乱に沈む世界、外界と地上が再び断絶した世界、そして自分がいない世界。


「これは……全部、可能性?」


《そうだ。お前が選ばなければ、いずれ一つが現実となる》


 胸が締め付けられる。

 これほど重い選択を迫られるのは初めてだ。


(俺はどんな未来を望む?

 平和か? 栄光か? それとも、誰もが痛みを負わずに済む世界か?)


 思考が渦を巻き、立ち止まりそうになる。

 セリーヌがそっと手を握った。


「答えを出すのは、あなたです。

 でも、私はあなたと一緒に歩きます」


 その言葉に呼吸が落ち着く。


 足元に三つの道が現れた。

 一つは光に満ちた道、一つは闇に沈む道、もう一つは霧に覆われた道。


《一つを選べ。選ばぬなら、ここで終わる》


 手が震える。

 だが、もう逃げない。


 光の道は安全に見える。

 だが、選んだ瞬間に停滞する予感があった。

 闇の道は恐ろしく、苦痛を伴う未来が待っている気がする。

 霧の道は何も分からない。ただ、何かが変わる匂いがした。


(……俺が選ぶべきは)


 深呼吸し、足を踏み出す。


「俺は、霧の道を行く。

 未来を一つに決めない。

 選び続けるために、選ばない道を選ぶ」


 霧が晴れ、道が金色に輝いた。

 光と闇が混ざり、一本の新しい道になる。


 頭上の星々が一斉に瞬き、遠くの外界が輝き出す。

 王都の鐘が鳴り、村の焚き火が強く燃え上がる。


《見事だ。お前は“選び続ける者”となった》


 声が消え、静寂が訪れる。


(選び続ける……

 簡単じゃない。

 でも、それが俺の生き方だ)


 胸の奥に確かな炎が灯る。

 恐怖も不安も、もう逃げる理由にはならなかった。


 道の先に、新しい門が現れる。

 今までよりも柔らかい光。

 セリーヌが微笑む。


「行きましょう、リュシアン様。

 これが、私たちの選んだ未来です」


 二人で門へ歩き出した。

 その先に、まだ誰も知らない世界が広がっていた。

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