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追放された宮廷魔術師、辺境で無双した末に星々を導く者となる  作者: マルコ


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第2部 第13話 共同の未来

 王都の中央広場が、以前より賑やかだった。

 外界の民が持ち込んだ銀色の果実や光る布が並び、王都の商人たちが興奮している。


「こんな味、初めて!」


 子供たちが果実をかじり、笑い声が響く。

 だが同時に、商人同士の小競り合いも起きていた。


「値段をどう決めるんだ! 銀貨じゃなくて“光石”で払う?!」


 混乱もまた、新しい時代の証だった。


(変わるのは嬉しい。でも、速すぎる)


 人々が追いつけない速度で世界が混ざり合っていく。

 喜びと同時に、置いていかれる不安が広場全体に渦巻いていた。


(俺がやるべきは、速度を整えることか)


 王城に呼ばれ、教育計画の会議に参加する。

 外界の民も席に着き、互いの文字や歴史を教え合う場を作ることが決まった。


「文字から始めましょう。言葉を共有できれば、争いは減ります」


 セリーヌの提案に、外界の代表が頷いた。


「子供たちから始めるといい。我らも若者を送ろう」


 胸が熱くなる。

 新しい時代が本当に始まったと実感する瞬間だった。


 数日後、王都で文化交流祭が開かれた。

 外界の楽器と王都の笛が同時に鳴り、踊り子たちが混ざり合う。

 人々は最初こそ戸惑ったが、やがて一緒に踊り出した。


(これだ……これが俺の見たかった未来だ)


 胸の奥がじんわりと温かくなる。


 夜、広場の灯が消え、星空が広がる。

 セリーヌが隣に座る。


「今日は、泣いてもいいですか?」


 笑って頷くと、セリーヌが肩に顔を埋めた。

 その涙は悲しみではなく、安堵の涙だった。


(でも、この平和も永遠じゃない)


 星のひとつが、昨夜よりも強く輝いた。

 外界よりさらに遠い場所から、何かがこちらを見ている。


「次は……あの星か」


 呟くと、セリーヌが頷いた。


「きっと、もっと大きな旅になりますね」


 胸の奥に、再び旅の熱が灯る。

 まだ行くべき場所がある――その確信が力になった。

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