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追放された宮廷魔術師、辺境で無双した末に星々を導く者となる  作者: マルコ


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第2部 第12話 再統合の朝

 王都の空が、以前よりも広く見えた。

 紫と青が混ざり合い、新しい色になっている。

 外界と地上の空が一つになった証だった。


「……静かだな」


 塔の上から街を見下ろし、深く息を吸った。

 空気の匂いが違う。鉄のような外界の匂いと、王都の暖かいパンの香りが混ざっている。


(もう、どちらか一方じゃない世界だ)


 胸が熱くなる。

 だが、同時に胸の奥に小さな不安が芽生えた。


 朝一番で王城に呼ばれた。

 玉座の間には王、貴族、外界の代表たちが集まっていた。


「再統合は成った。しかし、次の問題はこれだ」


 王が示したのは、王都と外界を結ぶ新しい地図。

 交易路、共同領域、資源分配……すべて白紙だ。


「誰がどこを管理する? どうやって税を取る?

 決めねば、混乱が起こる」


 広間に緊張が走った。


(戦いが終わっても、争いは終わらない)


 かつての自分なら、こうした議論を避けた。

 戦う方が分かりやすかった。

 でも今は、逃げるわけにはいかない。


「俺も加わる。

 門を渡ったのは俺だ。

 繋いだ責任を果たす」


 その言葉に、外界の民の代表が深く頷いた。


 会議を終え、街に出ると、すでに外界の民が市場に現れていた。

 人々は恐る恐る距離を取りつつ、興味深そうに見ている。


 子供たちが近づき、外界の民の白銀の髪に触れた。

 その民が優しく微笑むと、緊張が一気に解けた。


(こうやって、少しずつ混ざり合うんだな)


 胸の奥の不安が、少しだけ和らぐ。


 夕暮れ、塔の上でセリーヌと並んで座る。


「戦いよりも、こっちの方が難しいですね」


「そうだな。戦いは勝つか負けるかだった。

 でもこれは、全員が勝たないと終わらない」


 セリーヌが笑う。


「じゃあ、終わらせないほうがいいのかも。

 こうして考え続けることが、あなたの選んだ“つなぐ”なんでしょう?」


 その言葉に、胸の奥の重石が少し軽くなった。


 夜空を見上げると、星が一つ瞬いた。

 その光が、昨日よりも少し強い。


(まだ、外の外のさらに外が見ている……)


 胸が高鳴る。

 次の旅が近いことを、星々が告げていた。

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