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第6部 第11話 連邦の初動

 星図都市の中央に、臨時の議会が開かれた。

 外界の代表、各世界の指導者たちが一堂に会し、連邦の執行機関を決める。


「代表評議会と航路監視局を設置する」

「調停者リュシアンを、初代“航路監”に任命する」


 広場にざわめきが走った。


(航路監……全ての航路を見守る役目か)


 胸の奥の環が低く鳴り、覚悟を促す。


(もう逃げられない立場になったな……)


 議場の片隅から、一人の女性が歩み出た。

 褐色の肌に青い刺青、外界の民らしい静かな瞳。


「私はイシュナ。外界の賛成派を代表して、あなたに協力する」


 セリーヌが微笑む。「頼もしい仲間が増えたわね」


(外界の民と肩を並べる日が来るなんて……)


 胸の奥の環が柔らかく鳴り、未来への期待を告げる。


 エファが記録板を掲げた。


「外界の門のさらに外から、連続して信号が届いています。

 座標は既存航路の外……“未知宙域”です」


「すぐ調査隊を派遣すべきだ」賛成派の声。

「いや、連邦がまだ安定していない」反対派の声。


 会場がざわつき、空気が張り詰める。


(未知宙域……行かなければ平和は続くかもしれない。

 でも行かなければ、そこに潜む危機は放置される)


 舵輪を見つめ、深く息を吸った。


「調査隊を編成する。だが、戦闘ではなく対話を最優先にする」


 イシュナが頷き、「私も行く」と言った。


(新しい仲間と一緒に行ける……でも、これは新たな火種になるかもしれない)


 胸の奥の環が強く鳴り、鼓動と重なる。


 オルビタに新しい装備が積まれ、外界の技術で補強された帆が輝く。


「行こう、未知宙域へ」


 リュシアンは舵輪を握り、仲間たちを見渡した。


 光の航路が延び、門の向こうへと続いていく。

 その先に、新しい星がかすかに瞬いた。


(次は、この光の先に答えがある)


 胸の奥の環が白金色に輝き、旅の始まりを告げた。

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