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第6部 第10話 星間連邦の誕生

 門が開いた瞬間、星図全体に光が走った。

 航路が新たに繋がり、各世界が一斉に輝き出す。


「これが……外界が加わった星図か」エファが感嘆の声を漏らす。


 胸の奥の環が穏やかに鳴り、喜びを分かち合うように響いた。


(やっとここまで来た……でも、これは始まりにすぎない)


 胸が温かくなると同時に、責任の重さが肩にのしかかる。


 星図都市で会議が開かれ、外界の代表も円卓に座った。

 議題は「星間連邦の設立」。


「これからは、強制ではなく合意による結びを基本とする」

「全ての世界に拒否権を与え、対等な立場で連携する」


 提案が次々と承認され、星間連邦の憲章が作られていった。


(この憲章が未来を縛ることになるかもしれない……)


 舵輪を握る手に自然と力が入る。


(でも、ここで曖昧にすればまた恐怖が生まれる)


 最長老が杖を鳴らし、宣言する。


「ここに、星間連邦の成立を宣言する!」


 広場に歓声が響き、星々がさらに強く輝いた。


(喜びだけじゃない……この光は、新しい衝突を呼ぶかもしれない)


 胸の奥の環が、遠い雷鳴のように低く鳴った。


 そのとき、外界の門の向こうから微かな影が差した。


「……今、何か見えたか?」ガルドが剣に手をかける。


「航路のさらに外……未知の座標から信号が届いています」エファが記録板を見つめた。


(外界のさらに外……? まだ何かがいるのか)


 心拍が速くなる。(この平和は、長く続かないかもしれない)


「連邦ができたばかりだが……次は外の世界に備えなければならない」


 リュシアンは仲間たちを見渡し、深く頷いた。


 遠い星がひときわ明るく瞬き、光と影が交錯するように揺らめいた。


(また旅が始まる……今度は、宇宙そのものが相手だ)


 胸の奥の環が力強く鳴り、物語はさらに大きな航路へ進んでいく。

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