10話 山賊に襲われる村~ライト視点あり~
『あれ? なんか戦ってない?』
「…戦ってる。襲われてるのかもしれない」
「え!? じゃあ急ごうよ!」
物々交換の為に向かっていた3つ目の村に近付くと、集団が門に詰め寄り中に押し入るのが見えた。
そいつらに近付かれた人間が次々倒れるので斬られてるんだと思う。遠いからよく分からんが。山賊だろうか?
慌ててオッドアイに指示しスピードを上げ村に向かうライト。
俺はルーチェに抱えられその相棒のネネに乗ってるからぐんぐん差が開いていく。
やっぱオッドアイもワイバーンだから翼樹鹿より速いな。
でも先に付いた二人が山賊にやられないか心配だし俺達も急ごう。風魔法でネネの補助をし二人の後を追った。
「どわーー!?」
「なっ、なんだ一体!?」
「おっ、お頭!! あっあれ!!」
「は!? 飛竜だと!? なんでこんな所に飛竜がいるんだ!?」
オッドアイの竜の息吹きが山賊が一番集まる場所に放たれると、その一撃で数十人の山賊が一気に消えた。
オッドアイも人間相手なら十分強いな。ってかオッドアイが戦うとこ見たことなかったけど普通に強いんだな。
もう少しサファイア達も認めてやればいいのに…そんなことを考えながら見ていると山賊が驚き怯えているのが分かる。
そりゃ急にワイバーンが現れればね。危険のない弱そうな村襲撃したんだろうからそりゃ驚くわ。
山賊の中には魔法使いもいたようで杖を掲げ呪文を唱えようとしたので風斬で首を落とす。
…うん、初めて人間を殺したけどとくにショックはないな。
周囲を見れば殺された村人が倒れている。武器を持っているのは応戦した者だろうが、逃げていたのか背中から斬られた者もいる。
こんなこと平気でできるような相手だしな。
「水の刃」
「うお!?」
ルーチェが水の刃を飛ばしボスらしき男が慌てて避ける。
見上げると鋭い目をして山賊を睨むルーチェがいる。めっちゃ怒ってますね(^_^;)
まぁ、自分達の村も襲撃されたから重ねちゃったのかな? そりゃ怒るよね。
チラリと視線を向けられたので念話で確認する。
『やるの?』『やる』『オッケー』
「落雷」
「「ギョゲゲーー!!」」
ルーチェが呟くと山賊全員の上に雷が落ちる。パタパタと倒れる山賊は生きてるのか死んでるのか分からないけど、呻いてる奴は生きてるな。
そうそう俺さ、魔導の極意のLvが上がったら魔法作れるようになったんだよ。
それで風魔法と闇魔法を合わせて念話できるようになったので、いちいち本開いて字を書いて見せる必要がなくなった。
いや~魔法作れるってチートじゃね? まぁ、その可能性も考えてこのスキル持ってる本に転生したんですけどね! 俺ってば頭良い!
ちなみに現在の俺のステータスだけど…
■現在のステータス■■
【名前】トロイ 【転生ポイント】2015p
【種族】本m群
【能力値】Lv11 HP136/136 MP296/500
【祝福】ポイント転生
【スキル】光合成Lv8 消化液生成Lv6 加速Lv8 念力Lv7(2↑) 結界Lv7(3↑) 剛腕Lv7 気配察知Lv7(1↑) 自己修復Lv6(1↑) 自己投擲Lv6 テイマーLv6(1↑) 物質強化Lv6(1↑) 育児Lv5(2↑) 4属性魔法Lv6(2↑) 聖魔法Lv3(2↑) 闇魔法Lv4(3↑) 時空魔法Lv1(new) 魔導の極意Lv3(2↑) 念話(new) 付与Lv2(new) 呪符Lv2(new)
【契約】
連絡契約_アス、アシタ
主従契約_雷兎、翼樹鹿、森氷狼、聖歌鳥、闇影鷹
守護契約_オッドアイ、サファイア
【称号】死の大地の愛し子
魔法を作れるようになって作った魔法もスキルに表示されるようになった。念話と付与と呪符ね。
時空魔法はLvで覚えたのか、俺がアイテムボックスや転移やろうとしてるから覚えたのか分からん。
呪符は俺の紙を1枚使ってそれに魔法を付与して作るんだけど、俺の魔法を使うことができる使い捨てのアイテムだ。
でも本当は魔法のスクロールみたいに読むだけで魔法を覚えるアイテムを作りたかったんだよ。
この世界には魔法のスクロールとかないらしいしロマンアイテムで。俺には何の利点もないけど、ほらみんなに魔法覚えさせられるし。
…ただロマン求めただけだけど。
それから近くで倒れてる村人に生きてれば回復を行う。
ルーチェは俺を持って魔法使ってる風に見せてるから動けず、ライトとオッドアイが倒れてる人を運んできてくれた。
怯えて隠れてた村人も出てきてみんなで協力していく。途中隠れてた山賊の生き残りもいたりしたけどまぁあっという間に制圧してった。
「ありがとうございます! 村を救っていただいて」
「いぇいぇ、当然のことをしただけですから」
「何分小さな村ですからお礼としてはこれくらいしか渡せないのですが…」
「いえいえそんな」
「いえ、せめてもの恩返しです! どうか受けとってください!」
村長だというご老人がお礼にと村人達から必死にかき集めたお金と、そんなもの受け取れないと必死に断るルーチェ。
そんな様子に「鍛治師いないか聞いて、いたら俺の鉄で武器や防具作ってもらえない?」と伝えるとルーチェが村長に聞いてくれた。
そして武器防具を作ってもらえることになった。やったー!
~ライト視点~
「おおこれはルーチェ様、ライト様、よくいらしてくださいました!」
「いらっしゃい! うちのご飯食べていって!」
「どうぞどうぞ、狭い家だけど入ってくだされ」
ボク達の姿を見たとたんすごく歓迎してくれるこのノッタ村の人々はボク達が山賊から守った村人だ!
物々交換をしに村に向かうと村が山賊に襲われてるのを発見し、お姉ちゃんとトロイとオッドアイとネネの5人で交戦しやっつけた!
ネネはお姉ちゃんの相棒の翼樹鹿だよ。ボクの相棒はオッドアイ。
人を殺したことがないからドキドキしてたけど、実際ボクは誰も殺してない。
お姉ちゃんも魔法で攻撃してたけど怪我をさせるのが精々で倒したのはトロイだ。
トロイの魔法はすごくてあっという間に20人くらいいた山賊をやっつけちゃった。
お姉ちゃんはトロイと魔法の特訓をして水を出せる程度から皮膚を切り裂くくらいに攻撃できるようになったけど、まだ殺せるほどの威力はない。
やっぱりトロイはすごいな!
お父さんお母さんと砂漠の隠れ里で暮らしていたときも楽しかったけど、ここはトロイの友達の魔物達がいるから賑やかだし可愛いし楽しい。
ただここは砂漠と違って肌寒いし空気もじめっとしてて最初はちょっと体調を崩したりしたけど、森のみんなが寄ってきて温めてくれるんだ。
村のみんなも困ったことがあったら助けてくれたり色々お世話になったけど、お互いにあまり近付きすぎないようにしてたからここでの距離感の方がボクには嬉しいな。
こっちは子供の魔物もいる。あっちには同じ年頃の子供がいなかった。というか子供自体ボクとお姉ちゃんと生まれたばかりの赤ちゃんがいただけだし。
…あの赤ちゃんは無事かな? まだ乳離れもしてないから、手間がかかるって捨てられてないかな?
お父さんお母さんは……
だめだめ、そんなこと考えちゃ! 今のボクじゃ助けるなんてできないんだから。
でも、いつかきっと強い冒険者になってみんなを助けるんだ!
そんなボクにオッドアイも協力してくれるって言ってくれてる。
オッドアイは飛竜としては小柄で力も弱く長時間の飛行もできないけど、自分と似た境遇のボクに同情し契約もしてくれたんだ!
■■現在のステータス■■
【名前】ライト・グランス
【種族】人間h種jy群(子供)
【能力値】Lv6 HP45/45 MP12/12
【祝福】竜の加護
【スキル】水属性Lv1 雷属性Lv1 剣術Lv2
【契約】
主従契約_オッドアイ
守護契約_トロイ、雷兎、翼樹鹿、
ボクには元々祝福はなかったんだけど、オッドアイと契約してからついた。
竜の加護がついてから全てのステータスが上がったから、やっぱり飛竜はすごい!
全然魔法が使えなかったボクも少しだけ魔法が使えるようになったくらいだ。
トロイと雷兎と守護契約をしてるのも関係あるのかもしれないけど、雷魔法が使えるようになった。
それでも触ってビリってびっくりさせる程度だけど、訓練してたらもっとすごい魔法が使えるようになるかな?
契約の種類や相性とかで色々な効果があるとか聞いたけどよく分からない。
でもボクなんかと契約してくれたオッドアイが特別なだけかな。他の飛竜は怖いからあんまり好きになれないんだ。ボク達のことも見下してるみたいで実は苦手だ。
トロイは噛みつかれても引っ掻かれても平然としてるからすごいな。でもきっとそれぐらいにならないと飛竜からは認められないんだと思う。
やっぱりトロイはすごい!
こんなに強いオッドアイでも飛竜達からは弱すぎって言われて捨てられたんだって。ボクからすると信じられない!
オッドアイの両親が死んでしまったからかな、自分の子だったらきっと育てていただろうに。
でも、同じ飛竜から捨てられたオッドアイでもトロイはずっと見捨てずに面倒を見てくれてるんだって! やっぱりトロイは優しい!
オッドアイはボクと契約してくれたけど、トロイのことが大好きだから! もちろんボクもトロイが大好きだよ!
それに森のみんなが受け入れてくれたから「みんながボクの家族なんだ!」って言ってた。
だからボクも森のみんなが大好きなんだ! もちろんお姉ちゃんもオッドアイもね!
家族以外にこんなに大切なものができるなんて思わなかった。
…だからお父さんお母さんを助けたいけど、みんなを危険にさらしたくないって思って何もできずにいる。
お姉ちゃんが言う通りみんなが生きてるとは限らないのも分かる。殆どの村人がきっと死んでしまったってことも。
でも、それでもボクは諦めたくないんだ。いつかきっと一人でも探しに行くんだ。
「頼まれていた防具ですができてますよ。いや~良い素材で作れて職人も喜んでましたよ」
「ありがとう」
トロイが鉄をいっぱい持ってきて「前世の俺ゴーレムでそのときに大量に鉄集めといたんだよ!」と訳の分からないことを言ってたときは困惑したけど、そのお陰で鍛治屋に武器と防具を依頼できた。
倒した魔物素材の売却金や助けた分安くしてもらったのもあるけど。
でも鉄だけで作ると重くなるって言われて、武器は今持ってる短めの剣にしてもらった。
防具の方はボクやお姉ちゃんじゃ重すぎるから、トロイが飛竜の皮を持ってきて新たに頼んだんだ。
「亡くなったワイバーンの皮を使ったものだから大事に使ってほしい」って言われて、もしかしたらこの中にオッドアイの両親もいるんじゃないかと考えたら切なくなった。
この素材でオッドアイとお姉ちゃんの相棒ネネの鞍も作ってもらったんだ。
飛竜の素材なんて中々手に入らないものだってボクでも分かるから、本当に良いものを作ってもらった。
ほんとにトロイにはお世話になってばかりだ。ボクにも何か恩返しができればいいのにな。
…でも、本が喜ぶことってなんだろう?? 湿気とり? …炭かな?
今は新しい魔法を考えるのが楽しいって言ってるから、新魔法を一緒に考えたり協力したりしてる。それで少しでも恩返しになるかな?
なんかアイテム収納とか転移とか、物凄い魔法作ろうとしてるけど無理じゃないかな?
魔法の鞄なんてダンジョンのレアドロップだし、転移陣とかダンジョン罠や王家にあるとか本の中のお話しで読んだだけだ。魔法の鞄と違って実在してるかも怪しい。
ほんとにできたらすごいけど…無理だよね。
でも念話できるようになっただけ凄いけどね。いちいち見せてもらわなきゃいけなかったから、ちょっと面倒だったんだよね。
でも、それを付与してオッドアイや森のみんなともお喋りできるようになったりして楽しかった。
でもそんなことしなくても、ボクとオッドアイは主従契約を交かしたからかお互いの考えが分かるんだけどね。
「それは二人の相性がいいんだよ」ってお姉ちゃんから言われた。お姉ちゃんもネネと契約してるけど念話できないんだって。
相性がいいって言われて悪い気はしないけど、でもオッドアイが特別なのかもしれない。
だってオッドアイは飛竜で強くて賢い子だし!
親バカだってお姉ちゃんに言われるけど、ボクはオッドアイの相棒であって両親じゃないから違うもんね!




