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お酒デザート

 まさかここまでドラ墨とマーボー春雨の相性がいいとは。

 この陸のカケルの目を持ってしても見抜けなかったわ……。

 ……節穴とか言われてそうだな。


「スープと絡んだ麺が本当に美味い」

「無限に食べられる勢いですわ」

「麺自体に味はねぇよな?」

「だからいいんだろう。スープの味を贅沢に染み込ませることになる」

「ブレス液のピリ辛具合とラー油のピリ辛具合の相乗効果たるや……」


 言う人居ないか。

 ちなみにマジで美味いよ。

 鳥ガラベースの一般的なマーボー春雨とは違う、ビーフシチューみたいな濃厚な肉の旨味が溶け出たスープ。

 コンソメっぽくはあるけど、あれからさらに旨味が凝縮されたような感じ。

 そこに……何だろうな、唐辛子とはまた違う辛さなんだよな、ドラ墨の辛さって。

 それとラー油のピリ辛が、似てそうで似てなくて、違った刺激が舌に刺さる感じ。

 もうね、白米が進みまくるのよ。

 で、たまに引っ付いてくる粗みじんのドラゴン肉ね。

 脂身少な目の部位で作ってあるから、全然くどく無くてね。

 スープとはまた違った旨味と肉汁を、噛む度に口の中に溢れさせてくれる。

 それがまた米に合うんだこれが。

 春雨を飲み込んだ後でも口の中に残った旨味で白米が食える。

 会社の近くの食堂にこれがあったら、週3で通うな。


「思い付きでしたけどマジで美味いですね」

「うむ。ブレス液だけでも美味い所に、ピンポイントで足りない部分を調味料で補わせている。流石の手腕だ」

「たまたまですよ」


 マジで。

 これでドラ墨が醤油を加えたら固体化する、みたいな特性持ってたら終わってたからね。

 そうなったらマジでどうしようかと頭を抱えてただろうよ。

 それはそれで研究の素材としてラベンドラさんが持って帰りそうだけど。


「謙遜するな。少なくとも、我々の世界の料理人にカケルと同じことを出来る奴は少ない」

「色々と前提となる知識持ってるだけですって」


 これもマジ。

 結局料理なんてさ、ある程度の知識さえあれば、新しい組み合わせなんて想像出来るもんだ。

 思いつくまでに時間はかかるかもしれないけどね。


「美味かった……」

「ほぼほぼノンストップで食べてしまいましたわ……」


 リリウムさんと『無頼』さんは一気に食べ終わり。

 一度も手を付けることは無かった中華スープを、ゆっくり飲んでおられますわね。

 スープのお碗に手が伸びない程に美味しくマーボー春雨が作れたと思うとちょっぴり嬉しい。


「ふぅ。安定のスープの美味さじゃな」

「これがすぐ出来るのだからこの場所の調味料類は先に進み過ぎている……」


 で、ガブロさんとラベンドラさんはスープにもちゃんと手が伸びる派。

 本当にねぇ、中華最強の万能調味料半練りタイプのおかげですよ。

 他の調味料よりちょっぴり値が張るけど、アレ使える場面多すぎな。

 大体の料理に入れたら美味しくなるから、あの値段でもまぁ全然……と思えてしまう。

 

「今日もデザート……今日もデザート……」


 で、完食したマジャリスさんはデザートを待ちきれない派。

 ただなぁ、残念なことに、今日用意したものはどちらかと言うとお酒なんですよ。

 絶対にマジャリスさんが気に入ると思うけども。


「ご馳走さまでした」

「本当の本当にご馳走でしたものね」


 美味しかったよマーボー春雨。

 願わくばまだまだ食べたいからドラゴンはもっと積極的にこの人らの前に姿を現して欲しい。

 食べる時だけ加勢するから。


「デザート!!」

「酒じゃわい!!」


 で、ご馳走さまをしたら即座に反応する二人。

 もう誰とも言わなくても分かるよね。


「用意しますね」

「この流れはデザート!!」

「酒じゃあないんかい……」


 と、俺が立ち上がった反応で一喜一憂してらっしゃるけど……。


「ラベンドラさんはこちらをご確認ください」

「ん? ああ」

「デザー……と……」

「ひゃっほい酒じゃあ!!」


 その反応は一気に逆転。

 安心しなさいなマジャリスさん、何故なら今日用意したお酒は……。


「なるほど、チョコレートの酒か」

「……!!? チョコレートだと!!?」


 モーツァルト、だからさ。

 チョコレート味のお酒、モーツァルト。

 しかもちゃーんと探し回って三種類買って来たからね。

 クリーム、ホワイト、ブラックの三種類。

 ……結構探し回ったけどね。


「興味深いレシピばかりだった」

「とにかく甘いの!!」


 で、誰よりも先にマジャリスさんがオーダー。

 元が甘いからそのまま出しても甘いんだよな……。

 さて、ラベンドラさんはどうするんだろう。


「カケル、アイスはあるか?」

「? まぁ少しなら……」


 まさか……ラベンドラさん……。


「ほら、そのままアイス掛けだ」

「ラベンドラ大好き!!」


 やりやがった! バニラアイスにチョコレートリキュールをぶっかけて出しやがった!!

 ……普通に美味しそうなんだけど。

 俺も食べたいな、アレ。


「んめ……んめ……」


 でも絶対俺の分残らないな、アレ。


「サッパリ系のってありますの?」

「任せろ」


 で、器を抱き抱えるようにして食べてるマジャリスさんを余所に、リリウムさんが次なるオーダー。

 ラベンドラさんは二つ返事でそれを受けると……。


「こうして、こう」


 ホワイトチョコリキュールとココナッツミルク、更にはパイナップルジュースと……ラム酒か?

 毎回買うのも面倒だからとまとめて買ってたのを見つかった感じか……。

 まあいいや。

 それらを魔法で綺麗に撹拌し、氷が敷き詰められたグラスに注いで……。


「チョココラーダ、と言うらしい」

「とても美味しそうですわね!」


 見た目的には透明感の無いカルピスとか、バニラシェイクみたいな見た目だけど……。

 果たして、その味やいかに!?

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デザートの時だけ3頭身のちぃまじゃに変わってそう
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